昨日から続きます。
私は『感動』については次の様に考えている。
「坂の上の雲」の中で考えたい。
広瀬武夫海軍少佐は日露戦争の際に旅順港出入口閉塞作戦を考えた。
敵艦を旅順港内に封じ込めて出入出来ない様にする為、
自らの艦を旅順港出入口の海底に沈めて閉塞する戦術を自ら立案し、
夜陰をついて杉野兵曹長らと行動を共にした。
広瀬少佐は旅順港で自爆自沈した後、
隊員らと救命ボートに乗り移り逃げ帰ろうとした時、
ボートに杉野兵曹長の姿が見えないのに気付き、
部下の止めるのも聞かず、沈み行く艦に戻り、「杉野!!杉野!!」と艦内を隈なく探し回った。
しかし、杉野兵曹長の姿は無く、止む無く艦上に出た所、
露軍のサーチライトに照らし出され、砲撃の目標となって、
集中砲火を浴び、壮烈な戦死を遂げたと記している。
その壮烈な有様を如実に映し出した「杉野!!杉野!! 汝何くに在る・・・」
で始まる鈴木豹軒作「広瀬武夫」という詩がある。
この詩を吟じる時、広瀬武夫が幹部として取った行動を肯定的に賛美するのか、
二度とあってはならない反戦の気持を持って否定的に愛惜の情を込めて吟じるのかでは聞く者の受け取り方は全く異なる。
私は常に自分の気持ちを出す様に心掛けている。
この同病会の席で吟じる時は、特にその様に想い、聴き手も同じ空気を吸ってくれている感覚を感じる。
お互い予期せぬ同じ境遇というたったそれだけのことが
気持ちの高揚と一様性を与えてくれているのだから、不思議なことである。
明日へ続きます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます