テーマ曲のように繰り返される一日がある。再び戻ることのない一日。けれども、いつまでも風化することがない。昨日の出来事のようにいつまでも何度でも脳内で再現することができる。時間は確かに失われたが、あの日に限っては色濃く定着してしまった。永遠に顔を合わせることはなくなったのに、僕の脳内であなたは不思議なほどに生き続けている。かなしい一日だった。けれども、再現される風景の中であなたは笑顔さえのぞかせる。一日と呼んでいる記憶は本当はほんの一瞬なのかもしれない。それは終わりのない時間だ。定着し、たゆたいながら広がっていくことができる。取り戻せないかわりにその一日はしつこいほどの生命力を持った。一生の時間にも勝る重みと輝きを持って、これからも僕の中で幾度となく繰り返されることだろう。今日が今日として軽々しく過ぎ去ろうとも。
猫とすれ違う。
その時、僕は永遠を感じてしまった。
猫をかおう。
「絶対猫と束の間猫とどっちにします?」
さあ、どっち。
弱気が勝り絶対猫の方を選んでしまう。
「今だけ100円になります」
これは絶対猫じゃない!
と思いながら家につれて帰った。
毎日頭を撫でながらコインを入れた。
今日は10円だ。
「少し重たくなったね」
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