じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

大阪桐蔭 東海大仰星

2019-09-07 08:53:38 | 高校サッカー

✳守備

大阪桐蔭:巧さよりも強さ鋭さを前面に押し出し縦に速くゴールに向かってくる相手への対応に課題が残って見えました。特に逆転された場面は、相手のそうした鋭さについていけてないように見えました。同校は基本的には丁寧につなぐサッカー。ですがそうではない攻撃を主とするチームも多々あり、それが頭では理解出来ていても体と心では理解出来ていないように見えました。これは今季に限らず、毎年の同校の課題かと思われます。

東海大仰星:この日も終始安定してました。相手に裏はとられど中には入らせない。ポイントをしっかり掴んでチームとして守って見えました。要所でのプロフェッショナルファウルに見えたプレーに強かさも感じました。

 

✳攻撃

大阪桐蔭:序盤の先制の中島選手のFKは正面ペナルティエリア近くから素直にバナナで直接狙ってのもの。こうした場合、敢えて狙わなかったり、敢えてグランダーでいったりするケースをちょくちょく見かけますが大概うまくいきません。この日のこの時のように、相手にバレバレでも素直にバナナシュートでいく方が、相手に怖さを与えられると思います。惜しくもキーパーチャージで同点ゴールにはなりませんでしたが後半の右サイドからのCKは武田選手の左足から相手に脅威を与えたもの。CKもともすればショートでいったりゴールから離れていくように蹴ったりはたまたグランダーでいったりする場合もありますが、やはりこうして素直にゴールに向かって蹴って高さ勝負に持ち込んだ方が相手に怖さを感じさせて見えます。CKFKは基本的には素直が一番と思います。セットプレーには見るべきものがありましたが一点に終わった要因は、裏はとれて敵陣に切り込めても、中になかなか入れなかった事によるもののように見えました。体の強さ、使い方、後そうして誰かが飛び出した時のサポートに課題があるように見えました。敵陣に切り込んだ選手が孤立する場面が目立って見えました。後、やはり攻撃に時間がかかりすぎて見えました。焦ってシュート打たずじっくり揺さぶり仕掛けたりで崩してってのも大事ですが、そうした攻撃は一方で、相手に人数、陣形を揃える時間を与えることも意味し、もう少しシンプルにゴールに向かっていく姿勢も大事なように、これも今季に限らず毎年感じられることかと思われます。

東海大仰星:序盤こそこれまでと比べやや大人しい感じに見えましたが、先制されて火がついたのか、特に前半逆転するまでの激しさには目を見張るものがありました。やや攻撃が一本調子になってしまって見える点は今もさほど変わって見えませんが、常にゴールを意識しそこに一直線に向かっていく様には感心させられるものがありました。

  

 

✳大阪桐蔭

1-2で逆転負けというスコア以上に内容的には差を感じましたが、ベストなメンバー、布陣には見えなかった中で、一方的にやられることだけは阻止し、時にあわや同点かと思わせるとこまで、全国的に観てもトップレベルにあるのではと思われる相手に最後まで踏ん張れた事は、収穫と思って良いかと思われます。とはいえそうした相手とがっぷり組んでやりあうには、欠かせぬレギュラーと思われる選手が一人でも抜けると難しくなるように見え、選手層の底上げという点ではまだまだなようにも感じました。底上げの立役者になれそうな控え選手も何人かいるように思いましたので、今後誰が下がって誰がピッチに立っても、トップクラスの強さを保持し続けるチームへと変貌を遂げる可能性は、十分にあるかと思われ、その時間もまだまだ十分にあるかと思われます。

 

 

✳東海大仰星:この日もやはり、プリンスリーグで上位をひた走り、プレミアをも視野に入れるだけの強さを見せつけたと思います。ゴール前など何度ボール奪われてもしつこく相手にまとわりつき、最後まで懸命に走り抜く、やや不恰好ではあるが不恰好であるがゆえに余計に強さを引き立たせるサッカーは、この日も十分に感じられて見えました。それだけ各選手ボールに、人に対して最後まで食らいつく意識が強いのだと思います。加えてこの日はリードした後半はむやみに激しくいかず手堅くほぼ危なげなくリードを守りきって見えました。インターハイ予選の頃よりゲームメイクの巧さが増して見えました。今期の大阪の本命のひとつであり、全国クラスの学校であるということに、変わりはないかと思われます。