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修整、修正、加工、改ざん。

2024年10月05日 23時51分15秒 | 政治
毎日新聞が首相官邸のホームページに掲載された内閣の集合写真について、加工されたものが掲載されたのではないか、という記事を出しています。

リンク上から、記事(gooニュース)、毎日新聞の写真比較、当該の写真が掲載されている首相官邸ホームページの「総理の一日」の「石破内閣の発足」のページ。(当該写真は10枚目)

まず、いろいろな考え方があると思います。
しかしながら、ほかにマスコミのカメラマンがたくさんいて一緒に撮影している中で、そこから出てくる写真のひとつがこのように明らかにわかる加工すれば、いずれバレることは想像できなかったのでしょうか。

もちろん、官邸側にもいろいろな狙い、目論見、理由があると思います。
おそらく官邸のほうでも今後「残す」写真になるので、見た目をちゃんとしておくのは、わからないことはことはありません。
この場合、営業写真的な考え方でそのようにする、ということになろうかと思われます。
昔からある結婚式や七五三、お宮参り、成人式などを撮影する営業写真館の「営業写真」のことです。

営業写真館では昔から「修整」ということは行われていますが、特にお客様からのご要望がなくても、顔色を整える、しわを消す、メガネの反射を消す、儀礼的に入っていなかった胸ポケットのハンカチーフを描く、などは普通にされることだろうと思います。
ただ、その営業写真館の地域、業者などによって、どこまでやるか、どのようにやるか、その判断基準は違うと思います。
どちらにしても、基本的には違和感をなくすためになされるのだろうと思います。
「修正」ではなく、「修整」
あくまでも、「整える」ということです。(ねづっちさんが出てきそうですが)

僕自身も昔、営業写真館で働いていた時期がありますので、その当時のことは覚えていますが、当時と大きく違うのは、当時は写真がアナログで、今はデジタルになっているということでしょう。そういう意味では、今は「レタッチ」と言っていると思います。
顔色を整える、細かいシワを消すぐらいであれば、ワンクリックでできてしまうのでしょう。もちろんその際に逆に不自然になる時は、さらに作業はされると思います。

さて、今回の場合、石破首相と中谷防衛相の腹部で白いシャツが上着から見えていて、それをズボンのベルトの位置を上に上げる加工をすることによって、白いシャツの部分をなくした、ということですが、まず政治家ということは抜きにして、営業写真的に考えるのであれば、率直に言って「微妙」だなと思っています。
僕の個人的な感覚からすると、これは「修整」としてはやらないと思います。せいぜい目立たないように影になっている風にするかもしれませんが、基本的には何もしないでしょう。お客様から指示があれば「修正」としてやるとは思いますが。
またもちろん地域や業者によっては普通にお客様から何も指示がなくても「修整」としてやるところもあるでしょう。

今回の写真が、どのような撮影者に撮影され、官邸からどのような指示があったのかわかりませんが、もしそのような営業写真の業者が撮影していて、業者の判断でされたのかもしれませんし、官邸から指示があり業者が加工されたのかもしれません。

いずれにしても、毎日新聞の記事によると官邸が取材に回答がないので、どのような経緯で写真が加工され、ホームページへの掲載に至ったのか、さっぱりわかりません。
別のニュースでは「身だしなみ修正」を認めているようで、これまでにもやっていたことも認めたらしいですが、今回の腹部の件はやり過ぎだったのかもしれず、その点については、ひょっとすると官邸内でのちょっとした手違いだったのかもしれません。

しかし、いずれにしても、一国の政府の公人が公職に就く記念写真でこのような明確な加工をするのは良くないでしょう。
冒頭で触れたように、マスコミの写真と比べれば、すぐにわかりますし、実際にバレてしまったわけです。過去の歴史でもあるように、後にあまりおよろしくない結果があったりします。

そして最終的に違和感を感じた写真となり、それは「修整」ではなく「修正」で、官邸自らも「身だしなみ修正」と認めてしまっています。
やるなら、そのような違和感がない、バレない写真にしなければならなかったと思います。

そのような意味で、内閣発足のっけから、このような「修正」疑われ、それを認めてしまっては、小さいことかもしれませんが、今後いろいろな場面で「修正」を疑われてしまい、国民から信頼を失ってしまうかもしれません。
そのように考えるならば、今回の写真は深刻な意味では「改ざん」なのかもしれません。

また、そのあたりに関して触れると、石破氏自身が自民党総裁選の期間中に述べていた政策や考えなどの「変節」に、すでに多くの指摘がありますが、このあたりのことも、今回の写真の「身だしなみ修正」の判断の部分に影響を及ぼしたのかもしれず、それはすでに表出しているのかもしれません。


あと、この写真に関して出回っている情報について補足しておくと、
●まず、マスコミの写真を使用して、官邸HPの写真と「修整前と修正後」とするのは、厳密に言うと明らかな間違いです。
官邸HPの写真の修正前の写真は出回っているはずがなく、またマスコミの写真は同じように撮影されていても、撮影者の位置も微妙に違うはずですし、シャッターを切っているタイミングも違うはずで、同時に撮影していても違う写真として見るのが正しいです。
●マスコミと官邸の撮影者が一緒に撮影している場と想像しますが、一般論として、おそらく官邸の撮影者はどこかのタイミングで閣僚全員に声を掛け、全閣僚の視線がもらえるようにタイミングを合わせ撮影する時間を設けるはずですが、今回それをしたのかどうかわかりません。
官邸HPの写真でもカメラに視線を向けていない方が多いように感じるからです。それをしたかどうかで、写真の締まりは違ってきます。それだけで「だらし内閣」というのは、拙速だと思います。
●ただ、服装で「だらし内閣」と言うのは仕方ないかな?と思います。そこは服装の、特に礼服の専門家の判断でしょう。
●サスペンダーをすれば良かった、との指摘もあるようです。しかし、おそらくたまにしか着ない礼服(モーニング)にサスペンダーをすることに気づくのはごくわずかだと思います。それこそ専門家じゃないと。サスペンダー(つりバン)が流行ったのも、もう30年以上前ではないでしょうか?
とりあえず、今後内閣改造があるのか?わかりませんが、次の機会に、としかもう言えないことですね。

追記。(24.10.7.)========
●今回の官邸が言うところの「身だしなみ修正」を、僕が「修整」としてやらず、ご要望がない限りやらない理由、そしてこの「身だしなみ修正」がやり過ぎだと思う理由を言うとすると、それは撮影者として撮影されたお客様に対し失礼だからです。具体的に言えば、腹部が出てズボンが下がっている状態をあえてご本人に何も言わずに「身だしなみ修正」したとすれば、暗にご本人に「お腹出てます」と言っているようなものだからです。
●また写真を見て、白いシャツの部分が見えていることに違和感を持ってしまうのは、(撮影した)写真として見ているからです。
リアルでそれを見ているときは何も違和感を持たないものですが、撮影された写真で見ると細部の細かいところまで目がいってしまい、無意識に人間の目はそれを見つけてしまう、見てしまう、見えてしまうことがあるためです。

関連リンク。========

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