憲法とは何なの--たまには政治の話でも--(2)
侘輔 昨日に続いて憲法の話はどうかな。
呑助 また憲法の話ですか。
侘助 今、憲法問題が政治の中心問題みたいだからね。
呑助 へぇー、そうなんですか。
侘助 安倍政権は自民党の憲法草案の一部を実現しようとするだろうと言われているんだ。
呑助 それはどんなことなんですか。
侘助 今の現日本国憲法にはないことなんだ。
呑助 新しく書き加えられたものなんですか。
侘助 そうなんだ。第九章として「緊急事態」という章が設けられている。「内閣総理大臣は緊急事態の宣言を発することができる」と第九八条にある。大きな災害やテロ、外国軍の侵略とかが起きた時に「緊急事態」を宣言し、国民の基本的人権を政府が政令として制限することができるというものなんだ。
呑助 大きな災害やテロのようなことが起きた時には場合によっちゃ、しょうがいないんじゃないかという気がするなぁー。
侘助 それが政府自民党のねらい目なんじゃないか なと、思っているんだ。
呑助 自民党の人が言っていましたよ。「憲法守って日本滅ぼす」と。
侘助 戦争放棄を規定した第九条を守って日本が滅んだらどうするだという脅しのような言葉だな。
呑助 緊急事態には憲法が規定する人権を制約して国を守る。国民を守ると、いうことなんじゃないですかね。
侘助 憲法というのは近代国家そのものなんだということは昨日話したことなんだ。
呑助 そうでしたね。でも国というのは領土、そこに住む住民と主権ににって成り立っていると高校生のころ、習ったような気がするな。
侘助 その通りなんだ。近代国家は主権者が国民だということなんだ。憲法という言葉にはフランス革命の精神が宿っているんだ。日本国憲法が制定されたということはフランス革命の精神を継承したということでもあるんだ。自由、平等、友愛を実現する国をつくると宣言したことが日本国憲法の制定ということなんだと思うんだけれどね。
呑助 国民が憲法を制定するということは近代国家をつくったという事なんですね。
侘助 だから国民の人権を守ることが国の目的であると同時に絶えず国民の幸福を実現していかなければならないんだ。
呑助 そうすると「憲法守って国滅ぶ」といのうは変ですね。
侘助 憲法に反する法律を作るということは国を傷つけることになるんだ。
呑助 確かに理屈では--。しかし中国の国力が大きくなり、強大な軍事力が隣国に出現するのは恐ろしくないですかね。
侘助 そうだね。元寇なんて出来事が一三世紀にあったからね。しかし、これは昔のことだ。今は侵略戦争は世界が許さないという約束ができているから、そのような蛮行を大国なった中国がすることはないと思うんだ。
呑助 そう思いたいですね。
侘助 だから中国が侵略的な行為をした場合には、厳しく抗議をする必要があるとは思うな。
呑助 そうですよね。
侘助 中国にとってアメリカの軍事基地が日本中にあることは脅威じゃないのかなと思うね。
呑助 中国にとっては、そうかもしれませんね。
侘助 日本人にとっても米軍基地があることは脅威だと思う。米軍基地に日本の警察は入れないということは治外法権ということだよね。こんな米軍基地が特に沖縄にたくさんあるからね。