醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより  976号  白井一道

2019-01-23 13:30:49 | 随筆・小説


  日ロ首脳会談 メディアの報道の違い



侘助 読売新聞の日ロ首脳会談についての報道を読むと安倍総理はロシアとの会談で健闘したという印象を受けるがアメリカ・ブルームバークの報道を読むと安倍総理はロシア・プーチン大統領にに日本の期待は挫かれたと書かれている。
呑助 ブルームバークの報道を国際社会は読んでいるんでしょうね。
侘助 結論的に言うと、日本は北方領土の返還実現の道をまたもや阻まれたということのようだ。
読売新聞の報道とブルームバークの報道を読み比べてみたい。
ブームバークの報道
安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領は、領土問題の解決に向けてモスクワで会談した。膠着(こうちゃく)状態の打開を目指す日本側の期待をロシア側がくじいた格好となったが、両者は交渉継続で一致した。
 プーチン大統領は22日、安倍首相との会談後に記者団に対し、会談はビジネスライクで建設的なものだったと評価。一方で「大変な作業が控えている」と述べ、解決策は日ロ相互の国民にとって受け入れ可能なものでなくてはならないとの認識を示した。
 安倍首相は「率直かつ真剣に平和条約を議論した」とし、2月のドイツ・ミュンヘンでの国際会議で両国外相が交渉を継続すると語った。
 会談後にロシア大統領府のペスコフ報道官は「相互の信頼感を強化することが必要だ」と発言。「その実現に向け最善の道は、あらゆる可能な分野で貿易と経済の協力を進めることだ」と主張した。
 両者の会談について、ロシアの元駐日大使で副外相を務めた経験があるアレキサンダー・パノフ氏は、安倍首相には時間がなくなりつつあり、同首相が平和条約を締結できなければ日本には誰も問題解決に取り組もうとする政治家はいないだろうと指摘。プーチン大統領にはそのようなプレッシャーはないとし、「平和条約の交渉は長くなることがいまや明白だ。領土問題をいつ解決できるかは誰にも分からない」と語った。
原題:Putin Warns Abe of Hard Work Ahead to Resolve Islands Dispute(抜粋)
--取材協力:Isabel Reynolds.
記事に関する記者への問い合わせ先:ベオグラード Ilya Arkhipov iarkhipov@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Gregory L. White gwhite64@bloomberg.net, Tony Halpin
読売新聞の報道
【モスクワ=梁田真樹子、畑武尊】安倍首相とロシアのプーチン大統領は22日午後(日本時間22日夜)、モスクワのクレムリン(大統領府)で会談し、日露の平和条約交渉の本格化を確認した。条約締結に向けた関係強化の一環として、今後数年で両国の貿易額を現在の1・5倍、少なくとも300億ドルに引き上げることで一致した。
 両首脳による会談は昨年11月から3か月連続で、通算25回目。会談は約3時間行われた。
 両首脳は、2月にドイツで行われる国際会議に合わせて交渉責任者の両国外相による会談を行い、交渉を前進させるよう指示した。
 終了後の共同記者発表で、首相は「相互に受け入れ可能な解決策を見いだすための共同作業を私とプーチン氏のリーダーシップの下で力強く進めていく。その決意を確認した」と強調した。プーチン氏は「両国は平和条約に署名することに関心があると確認した」と述べた。両首脳は平和条約交渉の詳細への言及を避けた。
2019年01月23日 01時26分 Copyright © The Yomiuri Shimbun