福島における小児甲状腺ガン患者の増加に思う
侘助 2019年1月21日、東京新聞は一面で次のような出来事を報じている。「東京電力福島第一原発事故の直後、福島県双葉町にいた十一歳の少女が、喉にある甲状腺に推計で一〇〇ミリシーベルト程度の被ばくをしたと報告されていたことが、国の研究機関・放射線医学総合研究所(放医研)の文書から分かった。一〇〇ミリシーベルトは国などの資料で放射線の影響でがんの発症が増加し得る目安として使われてきた。しかし、国はこれまで「一〇〇ミリシーベルトの子どもは確認していない」と発表し、この報告は伏せられていた。 (榊原崇仁)。
文書は、事故から二カ月後、二〇一一年五月二日の放医研の「朝の対策本部会議メモ」。本紙の情報開示請求で公開された。それによると、会議では、十一歳の少女の実測値が「頸部(けいぶ)5-7万cpm(GMで測定)」と示され、「取り込みが3日前として、甲状腺等価線量で100mSv程度」と報告があった。
甲状腺は首の部分にあり、放射性ヨウ素が集まりやすい。国や福島県の公表資料には「がんのリスクは一〇〇ミリシーベルト未満で検出困難」「チェルノブイリ事故では一〇〇ミリシーベルト以上でがん発症」と記されている。
メモや関連文書などによると、測定したのは県職員の放射線技師。県は事故直後から、避難者らの体についた放射性物質を調べ、除染する検査を実施しており、この技師は三月十三~十五日、派遣された同県郡山市の会場で、頭や衣服などの汚染を調べていた。検査機器として「GMサーベイメータ」が使われた。甲状腺の放射性ヨウ素の測定は通常、体内からの放射線を調べやすい「NaIサーベイメータ」を使うが、技師がいた検査会場にはなく、GMで代用したとみられる。
記録も混乱の中で書き残されなかったが、結果は一一年四月、検査応援のために福島滞在中の徳島大の誉田(ほんだ)栄一教授と佐瀬卓也講師(現・核融合科学研究所准教授)に伝えられたという。
佐瀬氏はサーベイメータで示された汚染の程度から、少女の甲状腺に取り込まれた放射線ヨウ素を「十数キロベクレル相当」と試算し、現地にいた放医研職員に連絡。この試算を基に、会議で「一〇〇ミリシーベルト」が報告されたとみられる。徳島大の二人によると、技師は「少女は爆発があった時、『(原発がある)双葉町にいて友だちと外で遊んでいた』と話していた」という。
政府の原子力災害現地対策本部は一一年三月下旬、NaIを用いて十五歳以下の子どもの被ばく線量を測定し、すべて一〇〇ミリシーベルトの基準を下回ったと発表した。しかし、対象は避難や屋内退避が指示されなかった原発の三十キロ圏外の地域で、調べたのも千八十人のみ。事故当時、双葉町の少女らは、この測定から漏れた可能性が高い。
放医研はこの値について「対策会議で出た情報を基にその場で簡易的に算出したもの。精密に検討しておらず、公表していない」とコメントしている。」
呑助 福島では、小児がん患者が増えているらしいですが、隠している家族が多いという話をききますね。
侘助 差別されるのじゃないかという不安感があると言われている。
呑助 水俣病と同じですね。初め患者さんは皆、水俣病を隠していたという話でしたね。
侘助 足尾銅山鉱毒事件以来、同じような歴史を辿るのかな。
呑助 問題は政府にありますね、政府は放射能被爆による甲状腺ガンはないと主張しているからなんでしょ。
侘助 福島では甲状腺の小児ガン患者が2017年10月23日に公表された最新の福島県民調査報告書によると、193人いると公表している。
呑助 そんなにいるんですね。
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