「百田尚樹」の短篇集『幸福な生活』を読みました。
『カエルの楽園』、『フォルトゥナの瞳』に続き、「百田尚樹」作品です。
-----story-------------
『永遠の0』『海賊とよばれた男』
国民的ベストセラー作家が魅せる超技巧!
衝撃のラスト1行!
そのページをめくる勇気はありますか?
「宮藤官九郎さん」 「嫉妬する面白さ――」
単行本未掲載『賭けられた女』を新たに収録
「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。
こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に?
二人の関係はバレたのか?
動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。
妻の目を盗みキスを迫る。
そしてボディタッチ。
彼女の目的は何か?
平穏な結婚生活を脅かす危機。
俺は切り抜ける手だてを必死に考えるが……(『夜の訪問者』より)。
愛する人の“秘密"を描く傑作集!
-----------------------
トーハン発行の『新刊ニュース』の2009年(平成21年)12月号から2011年(平成23年)5月号に掲載された18篇にオリジナルの1篇を加えた作品です、、、
衝撃的な最後の一行だけが、最終ページに記載されるように構成された作品たち… ある程度、結末が読めちゃう物語も多かったですが、まっ、愉しめましたね。
■母の記憶
■夜の訪問者
■そっくりさん
■おとなしい妻
■残りもの
■豹変
■生命保険
■痴漢
■ブス談義
■再会
■賭けられた女
■雪女
■ビデオレター
■ママの魅力
■淑女協定
■深夜の乗客
■隠れた殺人
■催眠術
■幸福な生活
■解説 宮藤官九郎
『母の記憶』は、認知症の母親の話す「嫁の「道子」を殺した」「近所のパン屋の「堀内さん」は私を好いていた」「夫を殺した」等の数々の放言は、でたらめばかりだと思っていたが、その中には一部、真実もあったという物語、、、
母親が作った庭の池の底が割れ、ゴジラのおもちゃが出てきたあたりから、オチの想像はつきましたが、わかっていても恐ろしい結末… 「松本清張」っぽい雰囲気の作品でしたね。
『夜の訪問者』は、仕事から帰ると、家で妻「玲子」と不倫相手「森田芙紗子」が談笑していたというオープニングから始まる物語、、、
スポーツクラブで知り合ったという二人だが、夫は気が気でない… 妻のことを気がイイだけが取り柄の愚鈍な女と思っていたようだけど、妻は全てをお見通しでしたね。
『そっくりさん』は、主婦の「飯田芳子」は友人から池袋のパルコで自分にそっくりな人を見たと言われ、自分もいつか会ってみたいと思っていた… そんな「芳子」の夫「昭雄」に関する悩みを描いた物語、、、
「昭雄」の「よしお」という名前を嬉しそうに呼ぶ寝言から、夫は同性愛者ではないかという疑惑もつ「芳子」… そして、ある日、「芳子」は「昭雄」にそっくりな人物を見かけるが、それはそっくりさんではなく「昭雄」だった。
「よしお」はパートナーの名前ではなかったんですよねぇ… 「向田邦子」的な雰囲気をもつ作品でしたね。
『おとなしい妻』は、人見知りで内向的な妻「早苗」の正体を夫が知る物語、、、
おとなしい「早苗」が悪事を働いた後、笑いながら走って逃げたと聞かされ、全く信じられない夫… すると今度は、「早苗」がパチンコ屋で店員を殴ったと知らせが入る。
病院で診断結果を聞いた夫の驚き… まさか、診療室の隣室から聞こえてくる男の罵倒が別な人格をもった「早苗」だったとは。
『残りもの』は、30代最後の年に、顔も性格も全てにおいて理想の男「雅彦」と結婚でき、大喜びの女性のことを描いた物語、、、
昔から祖母に“残りものには福がある”と聞かされて育った女性、それは本当だったと友人の「恭子」に自慢するが… フリーライターで、取材した人物の名前は決して忘れないという「恭子」の夫「義邦」は、自分の夫の名前を思い出す。
怖いっ!!!… 夜の営みが、ちゃんと伏線として用意されているんですけど、こんなオチとは。
『豹変』は、結婚して5年、そろそろ子どもが出来てもいい頃だと思っていた「島田俊夫」にもたらされた不妊検査の結果から知る悲劇を描いた物語、、、
毎日どんな些細なことでも「いいことがあった」と嬉しそうに話してくれるいつも前向きな妻「由香」も、今日ばかりは怒るのではと思っていたが… 自分には子どもができないはずなのに、「由香」からのいいことの報告は。
夫婦関係に亀裂の入った瞬間を見た… そんな作品でした。
『生命保険』は、一流大卒のエリート女性「淳子」が結婚相手に選んだ、うだつの上がらない男「浩之」との馴れ初めに関する物語、、、
チンピラに絡まれたところを助けてくれた勇敢な姿が結婚の決め手だったのだが…… 「浩之」は元劇団員で、チンピラも劇団仲間、自作自演ですね、これは、まぁ、笑えるオチかな。
『痴漢』は、電車内で痴漢の言いがかりを付けられ、場を収めるために金を払ってしまった「木津英男」を描いた物語、、、
相手はチンピラたちで、その後も、何かと理由を付けては金をせびり、要求はエスカレートしていく、それに耐えかね…… 虎の尾を踏んじゃったんですね、予想出来るオチでしたが、スッキリしました。
『ブス談義』は、高校の同級生の結婚披露宴に出席した「町田由宏」、「東田」、「谷口」の三人がブス談義に花を咲かせるうちに、高校時代の同級生だったブスの女子のことに話が移り、「由宏」の美人妻「真美」の正体が判明するという物語、、、
これは、序盤からオチが読めましたね… だって、美人妻との間に生まれた娘がブスという伏線がしっかり張ってありましたからね。
『再会』は、「深雪」がDVと金銭問題が原因で離婚した元夫「大下修一」が突然会社を訪ねてくることにより不思議な体験をする物語、、、
病で面変わりした「修一」は、かつての暴力や自分の至らなさを謝罪したうえで、現在交際を申し込まれている同じ会社のエリート「遠藤」は実はとんでもない女たらしであることを告げ、そしてそれだけ言うとあっさりと去っていく… 三途の川を渡る前の恩返しだったんでしょうね。
『賭けられた女』は、人気作家「大門」のパーティーに美人の妻「純子」を伴って参加した「三宅」が、ギャンブル好きの「大門」を挑発して、「大門」のポルシェと、「三宅」の美人妻の一晩を賭けようと提案し、その提案に乗った「三宅」は賭けに勝利してポルシェを手に入れるという物語、、、
この作品… 読み終えてもオチがわかりませんでした。残念。
『雪女』は、美人の妻「雪江」と結婚した「小泉巳吉雄」の過去を巡る哀しい物語、、、
17年前に母が運転する車に乗っていた「巳吉雄」は事故で崖から転落… その事故が原因で母は亡くなったが、「巳吉雄」は一命をとりとめ入院し、そこで「雪江」と出会って結婚したのだった。
宇宙人と人間の交流を描いた物語なのですが… 宇宙人を出してしまったら、何でも有りになっちゃいますよねぇ。
『ビデオレター』は、死んだ妻の49日法要が終わった後、妻が生前に撮影していたビデオレターが届き、そこには驚くべき内容が収録されていたという物語、、、
ビデオには夫が妻を手に入れるために当時の交際相手にお金を使って別れさせてたこと、妻の父の工場の経営を追い込みその後助けるという自作自演を行ったこと等すべて知っているというもので、最後にはさらに驚くべき内容が… これは怖いわぁ、貞節だったお思っていた妻が実はホトトギスだったなんてね。
『ママの魅力』は、100kg超のビッグな体型ながら気が小さい母と、魅力溢れる豊満な体だと褒め称える父の隠された過去を、息子が知ることになる物語、、、
ママとパパは、とっても仲がいいがどうしてそんなに仲が良いのか不思議な少年… そんなある日犬に襲われた少年をママが助けてくれ、破れた服から見えたた龍のタトゥーでママの過去が知れることに。
ホントに魅力的なママでした… ドラマ化するなら「渡辺直美」に演じて欲しい
『淑女協定』は、女子社員の噂話は淑女協定とは名ばかりで、どこからか必ず秘密が漏れていくということをテーマにした物語、、、
誰と誰がデキていた、抱いたことがある・ない、「中島」は妻「絵理」とは社内結婚ではないからと安心していたが… 社内恋愛でのゴタゴタはホントにありそうなだけに怖い、それを避けたと思ったのにね、こんなこともあるかもね。
『深夜の乗客』は、タクシー運転手である「安夫」が、そろそろ帰ろうかと思っている頃、ひどく酔っぱらった女性客が乗車してきてイヤイヤ乗せて行く物語、、、
女は怪しい雰囲気だったが、案の定、家まで着くとお金がないから取ってくるといい家に入っていき、いつまで経っても出てこないため安夫は家を訪ねると一人の老女が出てきた… 「安夫」が事情を説明すると老女は額に入れた写真を持ってきて、その子は亡くなったうちの娘だという。
その話を聞いた「安夫」は老女を振り切り家の中に入っていく… ホラーかと思いきや、5年前にも同じことが、タクシーって、こんなイヤな乗客と出くわすことがあるんでしょうね。
『隠れた殺人』は、亡くなった気難しい学者の父の遺品整理をしていた「珠代」たちが、遺品から父親の暗い過去を知ることになる物語、、、
監察医制度が未熟な日本には、隠れた殺人が数え切れないほどあったんでしょうね… 殺人は稀だとしても、死後に暴かれる過去の罪って、意外とあるのかもね。
『催眠術』は、同僚から催眠術の話を聞き、興味を持った「真一」が妻「清香」に催眠術をかけてみるという物語、、、
「真一」が友人から教わった催眠術を試してみると、「清香」は見事に催眠術にかかる… 言いなりになった「清香」に「真一」はいたずら心から下世話な質問をする。
その質問の結果は「清香」は過去20人の男性と関係を持ち、現在は「真一」の上司と関係があるというものだった… オチは、そんなことだろうと思いました。
『幸福な生活』は、ある男が自分の人生を振り返りながら、幸せを噛みしめる物語、、、
娘も大人になり結婚相手を連れてくる年になり、妻とはずっと仲の良い関係を続けてこれて幸せな老後を送れる… 植物人間になっても、心はバーチャルな世界で生き続けているのかもしれませんね。
個人的には、面白かった作品とそうじゃなかった作品に分かれちゃう作品集でした… まっ、こんな短篇は難しいんでしょうけどね、、、
『母の記憶』、『そっくりさん』、『残りもの』、『豹変』、『痴漢』、『ビデオレター』が個人的には好きな部類ですね。
『カエルの楽園』、『フォルトゥナの瞳』に続き、「百田尚樹」作品です。
-----story-------------
『永遠の0』『海賊とよばれた男』
国民的ベストセラー作家が魅せる超技巧!
衝撃のラスト1行!
そのページをめくる勇気はありますか?
「宮藤官九郎さん」 「嫉妬する面白さ――」
単行本未掲載『賭けられた女』を新たに収録
「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。
こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に?
二人の関係はバレたのか?
動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。
妻の目を盗みキスを迫る。
そしてボディタッチ。
彼女の目的は何か?
平穏な結婚生活を脅かす危機。
俺は切り抜ける手だてを必死に考えるが……(『夜の訪問者』より)。
愛する人の“秘密"を描く傑作集!
-----------------------
トーハン発行の『新刊ニュース』の2009年(平成21年)12月号から2011年(平成23年)5月号に掲載された18篇にオリジナルの1篇を加えた作品です、、、
衝撃的な最後の一行だけが、最終ページに記載されるように構成された作品たち… ある程度、結末が読めちゃう物語も多かったですが、まっ、愉しめましたね。
■母の記憶
■夜の訪問者
■そっくりさん
■おとなしい妻
■残りもの
■豹変
■生命保険
■痴漢
■ブス談義
■再会
■賭けられた女
■雪女
■ビデオレター
■ママの魅力
■淑女協定
■深夜の乗客
■隠れた殺人
■催眠術
■幸福な生活
■解説 宮藤官九郎
『母の記憶』は、認知症の母親の話す「嫁の「道子」を殺した」「近所のパン屋の「堀内さん」は私を好いていた」「夫を殺した」等の数々の放言は、でたらめばかりだと思っていたが、その中には一部、真実もあったという物語、、、
母親が作った庭の池の底が割れ、ゴジラのおもちゃが出てきたあたりから、オチの想像はつきましたが、わかっていても恐ろしい結末… 「松本清張」っぽい雰囲気の作品でしたね。
『夜の訪問者』は、仕事から帰ると、家で妻「玲子」と不倫相手「森田芙紗子」が談笑していたというオープニングから始まる物語、、、
スポーツクラブで知り合ったという二人だが、夫は気が気でない… 妻のことを気がイイだけが取り柄の愚鈍な女と思っていたようだけど、妻は全てをお見通しでしたね。
『そっくりさん』は、主婦の「飯田芳子」は友人から池袋のパルコで自分にそっくりな人を見たと言われ、自分もいつか会ってみたいと思っていた… そんな「芳子」の夫「昭雄」に関する悩みを描いた物語、、、
「昭雄」の「よしお」という名前を嬉しそうに呼ぶ寝言から、夫は同性愛者ではないかという疑惑もつ「芳子」… そして、ある日、「芳子」は「昭雄」にそっくりな人物を見かけるが、それはそっくりさんではなく「昭雄」だった。
「よしお」はパートナーの名前ではなかったんですよねぇ… 「向田邦子」的な雰囲気をもつ作品でしたね。
『おとなしい妻』は、人見知りで内向的な妻「早苗」の正体を夫が知る物語、、、
おとなしい「早苗」が悪事を働いた後、笑いながら走って逃げたと聞かされ、全く信じられない夫… すると今度は、「早苗」がパチンコ屋で店員を殴ったと知らせが入る。
病院で診断結果を聞いた夫の驚き… まさか、診療室の隣室から聞こえてくる男の罵倒が別な人格をもった「早苗」だったとは。
『残りもの』は、30代最後の年に、顔も性格も全てにおいて理想の男「雅彦」と結婚でき、大喜びの女性のことを描いた物語、、、
昔から祖母に“残りものには福がある”と聞かされて育った女性、それは本当だったと友人の「恭子」に自慢するが… フリーライターで、取材した人物の名前は決して忘れないという「恭子」の夫「義邦」は、自分の夫の名前を思い出す。
怖いっ!!!… 夜の営みが、ちゃんと伏線として用意されているんですけど、こんなオチとは。
『豹変』は、結婚して5年、そろそろ子どもが出来てもいい頃だと思っていた「島田俊夫」にもたらされた不妊検査の結果から知る悲劇を描いた物語、、、
毎日どんな些細なことでも「いいことがあった」と嬉しそうに話してくれるいつも前向きな妻「由香」も、今日ばかりは怒るのではと思っていたが… 自分には子どもができないはずなのに、「由香」からのいいことの報告は。
夫婦関係に亀裂の入った瞬間を見た… そんな作品でした。
『生命保険』は、一流大卒のエリート女性「淳子」が結婚相手に選んだ、うだつの上がらない男「浩之」との馴れ初めに関する物語、、、
チンピラに絡まれたところを助けてくれた勇敢な姿が結婚の決め手だったのだが…… 「浩之」は元劇団員で、チンピラも劇団仲間、自作自演ですね、これは、まぁ、笑えるオチかな。
『痴漢』は、電車内で痴漢の言いがかりを付けられ、場を収めるために金を払ってしまった「木津英男」を描いた物語、、、
相手はチンピラたちで、その後も、何かと理由を付けては金をせびり、要求はエスカレートしていく、それに耐えかね…… 虎の尾を踏んじゃったんですね、予想出来るオチでしたが、スッキリしました。
『ブス談義』は、高校の同級生の結婚披露宴に出席した「町田由宏」、「東田」、「谷口」の三人がブス談義に花を咲かせるうちに、高校時代の同級生だったブスの女子のことに話が移り、「由宏」の美人妻「真美」の正体が判明するという物語、、、
これは、序盤からオチが読めましたね… だって、美人妻との間に生まれた娘がブスという伏線がしっかり張ってありましたからね。
『再会』は、「深雪」がDVと金銭問題が原因で離婚した元夫「大下修一」が突然会社を訪ねてくることにより不思議な体験をする物語、、、
病で面変わりした「修一」は、かつての暴力や自分の至らなさを謝罪したうえで、現在交際を申し込まれている同じ会社のエリート「遠藤」は実はとんでもない女たらしであることを告げ、そしてそれだけ言うとあっさりと去っていく… 三途の川を渡る前の恩返しだったんでしょうね。
『賭けられた女』は、人気作家「大門」のパーティーに美人の妻「純子」を伴って参加した「三宅」が、ギャンブル好きの「大門」を挑発して、「大門」のポルシェと、「三宅」の美人妻の一晩を賭けようと提案し、その提案に乗った「三宅」は賭けに勝利してポルシェを手に入れるという物語、、、
この作品… 読み終えてもオチがわかりませんでした。残念。
『雪女』は、美人の妻「雪江」と結婚した「小泉巳吉雄」の過去を巡る哀しい物語、、、
17年前に母が運転する車に乗っていた「巳吉雄」は事故で崖から転落… その事故が原因で母は亡くなったが、「巳吉雄」は一命をとりとめ入院し、そこで「雪江」と出会って結婚したのだった。
宇宙人と人間の交流を描いた物語なのですが… 宇宙人を出してしまったら、何でも有りになっちゃいますよねぇ。
『ビデオレター』は、死んだ妻の49日法要が終わった後、妻が生前に撮影していたビデオレターが届き、そこには驚くべき内容が収録されていたという物語、、、
ビデオには夫が妻を手に入れるために当時の交際相手にお金を使って別れさせてたこと、妻の父の工場の経営を追い込みその後助けるという自作自演を行ったこと等すべて知っているというもので、最後にはさらに驚くべき内容が… これは怖いわぁ、貞節だったお思っていた妻が実はホトトギスだったなんてね。
『ママの魅力』は、100kg超のビッグな体型ながら気が小さい母と、魅力溢れる豊満な体だと褒め称える父の隠された過去を、息子が知ることになる物語、、、
ママとパパは、とっても仲がいいがどうしてそんなに仲が良いのか不思議な少年… そんなある日犬に襲われた少年をママが助けてくれ、破れた服から見えたた龍のタトゥーでママの過去が知れることに。
ホントに魅力的なママでした… ドラマ化するなら「渡辺直美」に演じて欲しい
『淑女協定』は、女子社員の噂話は淑女協定とは名ばかりで、どこからか必ず秘密が漏れていくということをテーマにした物語、、、
誰と誰がデキていた、抱いたことがある・ない、「中島」は妻「絵理」とは社内結婚ではないからと安心していたが… 社内恋愛でのゴタゴタはホントにありそうなだけに怖い、それを避けたと思ったのにね、こんなこともあるかもね。
『深夜の乗客』は、タクシー運転手である「安夫」が、そろそろ帰ろうかと思っている頃、ひどく酔っぱらった女性客が乗車してきてイヤイヤ乗せて行く物語、、、
女は怪しい雰囲気だったが、案の定、家まで着くとお金がないから取ってくるといい家に入っていき、いつまで経っても出てこないため安夫は家を訪ねると一人の老女が出てきた… 「安夫」が事情を説明すると老女は額に入れた写真を持ってきて、その子は亡くなったうちの娘だという。
その話を聞いた「安夫」は老女を振り切り家の中に入っていく… ホラーかと思いきや、5年前にも同じことが、タクシーって、こんなイヤな乗客と出くわすことがあるんでしょうね。
『隠れた殺人』は、亡くなった気難しい学者の父の遺品整理をしていた「珠代」たちが、遺品から父親の暗い過去を知ることになる物語、、、
監察医制度が未熟な日本には、隠れた殺人が数え切れないほどあったんでしょうね… 殺人は稀だとしても、死後に暴かれる過去の罪って、意外とあるのかもね。
『催眠術』は、同僚から催眠術の話を聞き、興味を持った「真一」が妻「清香」に催眠術をかけてみるという物語、、、
「真一」が友人から教わった催眠術を試してみると、「清香」は見事に催眠術にかかる… 言いなりになった「清香」に「真一」はいたずら心から下世話な質問をする。
その質問の結果は「清香」は過去20人の男性と関係を持ち、現在は「真一」の上司と関係があるというものだった… オチは、そんなことだろうと思いました。
『幸福な生活』は、ある男が自分の人生を振り返りながら、幸せを噛みしめる物語、、、
娘も大人になり結婚相手を連れてくる年になり、妻とはずっと仲の良い関係を続けてこれて幸せな老後を送れる… 植物人間になっても、心はバーチャルな世界で生き続けているのかもしれませんね。
個人的には、面白かった作品とそうじゃなかった作品に分かれちゃう作品集でした… まっ、こんな短篇は難しいんでしょうけどね、、、
『母の記憶』、『そっくりさん』、『残りもの』、『豹変』、『痴漢』、『ビデオレター』が個人的には好きな部類ですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます