投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

日本航海術史

何度も借りて読んでいる本。

飯田 嘉郎 「日本航海術史」 原書房

弁財船


以下、メモより。

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和船(弁財船型)は船体に竜骨も肋骨もない。
船体の底の外板の一部が少々下方に突出して竜骨の役をする。
カワラと言う。
和磁石、水軍書、航海書の説明あり。
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■カワラ(上図の下線部)
この本でカワラの存在を始めて知ったのだが、今となってはインターネットで簡単に調べることができるんだよね。簡単になりすぎて面白くないね(笑)。

カワラは竜骨の代わりになるモノ。

ヨーロッパの帆船や中国のジャンクは竜骨を持っていて、これをセンター(中心線)として船体を組み上げて行く。竜骨は船首から船尾にかけて船底から出っ張った状態になり、固定の舵の役目を果たして航行する際の直進安定性に役に立つ。

帆船は風を受けて進むが、常に真後ろから風を受けていたのでは、思った方向に進めない。斜め後ろから風を受けて、時には横から風を受けて少しでも前に(目的の方向へ)進もうとするが、船底に何か抵抗となるモノがないと風下に流されてしまう。この時、固定の舵の役目を果たす竜骨が役に立つのだ。

日本の和船は竜骨を持っていない。その代わりにカワラという分厚い板(大型の場合は複数の板を組み合わせてある)を最低部として船体を組み上げて行く。これが船底から船の進行方向に向かって出っ張った形になり、結果、竜骨と同じ役目を果たす。

■方位磁石

和磁石はごく普通の方位磁石。でも、このごく普通の方位磁石を作ったのが日本だったことは、あまり知られていない。方位磁石の発明は中国から、というのは風説。各方面より否定されているらしい。方位磁石は自然発生的に世界のいたる所で出来上がった、とある。そして今の一般的な形(中心にピポットがありその上に針が乗る)にしたのは日本なのだ。和磁石は遠くペルシャまで輸出されていたそうだ。ペルシャに着けば、もうその向こうはヨーロッパ。

※画像はインターネットから拝借
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