東京でカラヴァッジョ 日記

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「李禹煥」展(国立新美術館)

2022年08月23日 | 展覧会(現代美術)
国立新美術館開館15周年記念
李禹煥
2022年8月10日〜11月7日
国立新美術館
 
 1936年韓国南部地方の慶尚南道生まれの現役作家、李禹煥(リ・ウファン)の大規模個展。
 「もの派」を代表する作家だという。
 本個展は、作家が自ら展示構成を考案したとのこと。
 
 
 会場は縦に大きく2つに分けられている。
 前半部は、立体作品の展示。
 仕切られた小部屋が計12室、立体作品を見ながら奥の方へと進んでいくと、休憩所そして野外展示の立体作品にたどり着く。
 そこが折り返し地点となって、次の展示室からは後半部、平面作品の展示が始まる。
 同じように仕切られた小部屋が計10室、平面作品を見ながら、進むこととなる。
 
 
【前半部:立体作品】
 
1 平面作品(プロローグ?)
・1968年の初期作品、3点1組の平面作品《風景1〜3》のオレンジ、ピンク、朱は、「見るものにハレーションを起こすほどの蛍光色」。
 
2 
・石1個、その下にガラス板と鉄板。
・蛍光色の平面作品が2点。
 
3 
・鉄板5枚。
 (床に置かれた2枚+壁に立てかけられた3枚が一列に並ぶ。)
・木材9本。
 (床に置かれた3本+壁に立てかけられた3本+支え合って立っている3本。)
 
4 
・石1個、その下にヒビが入ったガラス板。
・白いカンヴァス3枚。
 (床に寝かせられた2枚+壁に貼られた1枚。)
 
・石3個、石に踏まれている目盛り付き巻尺に形づくられたゴム。
・鉄板からなる大きな立方体、その12辺から「膨張してはみだしたような」綿。
・石1個、その下に鉄板、壁に掛けられた(その鉄板から切り取られた上部周辺部分の)鉄板。
 
・石1個、その下に赤い座布団1枚。
 (座布団?)
 
・展示室の床一面を覆った石板、壁に立てかけられた石板、支え合って立っている石板、積み上げられた石板。
(石板の上を歩く。ところどころで石板が音を立てる。)
 
・石1個と、壁に立てかけられた鉄板。
・石1個と、床に置かれた鉄板。
 
・石1個と、床に置かれた「わずかに反り返っている」鉄板。
・石1個と床に置かれたステンレスの柱、&、石1個とその片端を石の上に置かれた「自重により彎曲した」ステンレスの柱。
 
10
・石1個。石を照らすライト。
 (他作品の照明と何か違う?)
 
11
・1つには水、1つには土、1つは空気(=空っぽ)が入った、3個のアクリルボックス。
 
12
・展示室の床一面に敷き詰められた砂利に、中央に置かれたステンレスの板と石2個。
(ステンレスの板の上を歩く。ステンレスに映る景色の変化を見る。映る景色は展示室の天井。空中に浮いている感も。)
 
 
【折り返し地点:野外展示】
 
《関係項-アーチ》
石(高さ150cm(2点組))、ステンレスのアーチ427×500×200cm、地面のステンレス板2×200×1000cm)0823
2014/2022年、作家蔵
 
 
【後半部:平面作品】
 
13
・「点より」6点、他1点
 
14
・「線より」7点
 
15
・「点より」「線より」「風より」各1点
 
16
・「風より」2点
・「風と共に」3点
 
17
・「風と共に」1点
・「照応」2点
 
18
・「対話」3点
 
19
・「対話」1点
・「応答」2点
 
20
・「応答」2点
・他1点
 
21
・「対話ーウォールペインティング」
 
22 立体作品(エピローグ?)
・石1個と壁に貼られた無地のカンヴァス1枚
 
 
 自然素材と人工素材。
 硬さと柔らかさと壊れやすさ。
 透明と不透明。
 
 禅的というか瞑想的というか。
 魔術的なというか。
 「すべては相互関係のもとにある。」
 不思議な空間。
 
 大規模個展だからこそ味わえる展示スケール。
 
 「李禹煥」と「もの派」、その名前は聞いたことはあったとしても、何者か全く知らなかった私だが、思いのほか楽しむ。


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