百年の編み手たち
ー流動する日本の近現代美術
2019年3月29日~6月16日
東京都現代美術館
2016年5月から大規模改修工事のため休館していた東京都現代美術館が2019年3月29日にリニューアル・オープン。
で、久々に訪問する。このブログを開始してからはどうやら初めてのようで、私的には10年以上ぶりの訪問である。
はじまりは1914年。『月映』や有島生馬《鬼》、岸田劉生から始まって、現在までの100年間の日本の近現代美術が、企画展示室の3階・1階・地下2階の3フロアで展開される。
構成は次のとおり。
1章 はじまりとしての1914年
2章 震災の前と後
3章 リアルのゆくえ
4章 戦中と戦後
5章 アンフォルメルとの距離
6章 光を捉える
7章 イメージを編む
8章 言葉と物による再編
9章 地域資源の視覚化
10章 複合空間のあらわれ
11章 日本と普遍
12章 抵抗のためのいくつかの方法
13章 仮置きの絵画
14章 流動する現在
東京都現代美術館所蔵(寄託)作品のみならず、他館からの借入れ作品もあるようだ。出品リストは見当たらず、また、作品キャプションも特に所蔵館情報の文字が非常に小さくて面倒になって途中から確認しなかったけど。
印象に残る作品3選。
藤田嗣治
《千人針》
1937年
藤田の《千人針》と題される作品としては、縦横1メートル超の油彩画があるようだが、本作はこれとは全く趣きの異なる縦横20センチ前後の小品。乳白色の背景に、主婦たちと女学生が戯れ風に描かれる。
藤牧義夫(1911〜1935)
《隅田川両岸画巻》No.2&No.3
1934年
壁面に『新東京百景』版画70点超が並ぶ展示室の中央のガラスケース。長さ16メートル超の白描絵巻2巻に繰り広げられる昭和初期の隅田川両岸の風景。白描、その視点が魅力。
照屋勇賢(1973〜)
マクドナルドの紙袋の一部が切り抜かれ、袋の中をのぞくと精巧な一本の樹が立っている作品5点
そのアイデアと超絶技巧に感心させられる。
とともに、作品に劣化(ヤケ)の兆候が現れつつあり、将来の扱いが気になる。
本展には、写真撮影が可能な展示室が2室。
各室から1作品の写真を掲示する。
鹿子木孟郎(1874〜1941)
《大正十二年九月一日》
1923年
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右の5点は本作の人物下絵。他に鹿子木の震災スケッチが4点展示される。
会田誠
《美しい旗(戦争画リターンズ)》
1995年
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どうでもよい話だが、2階(1室だけ本展の展示室あり)から1階に降りるエスカレーター、間違えて上りのほうに進む人が多く見られる(私もその1人)。
コレクション展「ただいま/はじめまして」には時間の関係で入場せず。