ボッティチェリとルネサンス-フィレンツェの富と美
2015年3月21日~6月28日
Bunkamuraザ・ミュージアム
開催自体は認識していたが、東京都美でチラシを入手。
ボッティチェリ作品が、帰属作、工房作を含み、10数点出品されるという。
先に同じくBunkamuraで開催されたポルディ・ペッツォーリ美術館展では、晩年の作品1点が出品された。
現在開催中のウフィツィ美術館展では、帰属作、工房作を含めると、9点出品されている。
この1年間は、ボッティチェリ・イヤー。
<チラシより>
本展では、ヨーロッパ全土の貿易とビジネスを支配し、ルネサンスの原動力となった金融業の繁栄と近代に通じるメセナ活動の誕生を、フィレンツェと運命をともにしたボッティチェリの作品10数点に加え、絵画・彫刻・工芸・資料など約80点によって浮き彫りにします。
チラシ掲載作品は、いずれもボッティチェリ作品で、次の4点。イタリアのみならず、フランスやアメリカからも招集している。
表面:
≪聖母子と洗礼者聖ヨハネ≫1470年代末、ピアチェンツァ市立博物館
裏面:
≪受胎告知≫1481年、ウフィツィ美術館
≪聖母子と二人の天使≫1468-69頃、ストラスブール美術館
≪ロレンツォ・デ・ロレンツィの肖像≫1492年頃、フィラデルフィア美術館
≪受胎告知≫は、縦2.5m×横5.5mほどの巨大フレスコ画。2001年の「イタリア・ルネサンス 宮廷と都市の文化展」で来日し、日本郵便の切手にもなっている(会場の国立西洋美の入口にて販売していた記憶がある)。
他3点は「日本初公開」を謳う。
特に、本展の顔≪聖母子と洗礼者聖ヨハネ≫は、ピアチェンツァ市立博物館(Musei Civici di Palazzo Farnese)の至宝、期間限定の公開(3/21~5/6)。
<毎日新聞ニュースより>
ボッティチェリ:洗練された線描 「門外不出」の宝日本へ
毎日新聞 2014年09月30日 21時56分(最終更新 09月30日 22時05分)
来春の日本初公開が決まったサンドロ・ボッティチェリの「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」は、イタリア政府が国外への貸し出し・移動を基本的に許可しない作品だ。ボッティチェリが30代半ばごろに描いたとされる。聖母マリアの優美な表情や洗練された線描が見どころだ。所蔵する伊ピアチェンツァ市のパオロ・ドージ市長は記者会見のためだけに来日し、「この作品が、展覧会の顔になることを誇りに思います」と強調した。
ピアチェンツァ市は、ミラノ近郊の小都市。本作は文字通り「町の至宝」だ。日本での展示が実現したのは、「東京の展覧会がボッティチェリに主眼を置いた大規模な企画で、(来年5月に始まる)ミラノ万博に伴う観光客誘致に効果があると、高度な判断をしました」とドージ市長は明かす。
ボッティチェリだけではない。
出品予定作品に次の1点を記載するHPがある。
フラ・アンジェリコ≪聖母マリアの結婚≫(サン・マルコ博物館)
本展の英語名称にて調べると、同名の展覧会が見つかる。この展覧会をベースにした企画らしい。
Money and Beauty
Bankers, Botticelli and the Bonfire of the Vanities
2011年9月17日~2012年1月22日
Palazzo Strozzi, Firenze
同展のHPには、Botticelli, Beato Angelico, Piero del Pollaiolo, the Della Robbia family, Lorenzo di Crediの名前があり、
同時代の画家を幅広く展示したようだ。画像は、ボッティチェリ≪誹謗(ラ・カルンニア)≫がメイン・ビジュアルで、もう一点(たぶん)北方画家マサイスによる両替商を描いた作品が掲載。別サイトの1分弱の動画を見ると、現在上野にいるボッティチェリ≪聖母子と洗礼者聖ヨハネ≫も写っている。
東京の出品作品は、2011年のフィレンツェとは全く異なることになるだろう。
私としては、ボッティチェリ作品(上記の4点)を満喫できて、さらに当時のフィレンツェの経済社会を感じさせる展示品があれば、それ以上は望まない。
早割チケットが発売中(10/18-12/22)。