遺言・相続

遺言や相続手続きをわかり易く

エンディングノートと遺言

2011-11-22 13:14:58 | 遺言・相続

最近、書店でエンディングノートや遺言書セットをみかけることが多くなりました。

二つとも自分の死後に相続人や関係者に自分の意思や思いを伝えるということでは同じようなものですがその性格は全く異なったものと言えます。

エンディングノートはどんなに詳細、具体的に書かれていても法的には効力がありませんので、相続人等がその内容に拘束されることはありませんし、これをもって相続手続きを行うことも出来ません。

書く内容や形式は自由ですから、経歴や思い出から財産の総額、処分の希望、相続人の今後の生き方など、どの様なことでも記載してかまいません。

遺言を行うか行わないかは別として、又、エンディングノートという形式でなくても、自分の人生の棚卸をするということで財産の詳細や相続人に伝えておきたいことなどを一度まとめておくことは遺産分割が争続となることを回避するのに有効であり意義のあることかと思います、又、相続となった場合に財産の調査や諸手続きを行ううえで有用な資料となりますので、エンディングノートのようなものを書いておくことは良いことではないかと思います。

これに対し、遺言はエンディングノートと違い民法に定められた厳格な方式が要求され、遺言できる事項も定められています。

有効な遺言は法定相続分に優先し相続財産が指定されているときは、その指定分は遺産分割協議を経ず名義変更や登記なども出来ます。

遺言は満15歳になれば誰でもできますが、本人が自分の意思で行わなければなりません、代理人による遺言は出来ません。

又、複数の人(夫婦など)が共同でしたり、ビデオなどで行うこともできません。

遺言は何度でもできますがこの場合最新(日付が新しいもの)のものが有効な遺言とされますので遺言の書き直しは充分注意する必要があります。

エンディングノートと遺言は全く別のものです、しかし、それぞれの性質を考慮し両者を上手に使うことは相続を円滑に行ううえで大変有効な方法ではないでしょうか。