読むのはこれで、2冊目の今野敏作の本。
面白いです。
元KGBの殺し屋ヴィクトルが、
貿易商ペデルスキーと一緒にロシアから来日。
外務省のエリート職員が貿易商と密談、
ロシアに帰国後、外務省職員が急死。
警視庁公安部・倉島警部補はヴィクトルと、
ヴィクトルに警備されている貿易商、
この2人を追って、白夜のロシアへ。
緊迫の追跡調査を描く、アクション小説 。
ヴィクトルと倉島、それぞれの視点で、
物語が進んで行きます。
ヴィクトルシリーズの1弾目の
前作、(曙光の街)を読んでいなくても大丈夫でした。
この本、単独でも充分楽しめます。
舞台はロシアと東京。
右翼、やくざ、なども登場します。
最終決着は、ロシアのハーロフスク、
といっても場所、位置は不明ですが…。
緊張感いっぱいの、
狙撃のプロ相手の銃撃戦。
公安と外務省の微妙な対立。
公安の仕事の危うさ。
ロシア、カザフスタンの民主化問題。
危ういバランスの上の平和。
この事件のバックには、
日露間にある問題にまで及んでいきます。
感情を交えない乾いた文章。
ドロドロ、女々しさなど皆無のストーリー。
すっきりまとまっていて、
主立った登場人物の中では、
本当の悪人はいないし、
後味のいい作品です。
警察小説の隠蔽捜査も良かったですが、
こちらの小説も面白くて楽しめました。
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