仏教国では8が吉数、灌仏会は陰暦卯月8日で誕生日、成道会は臘月8日で大悟した日、涅槃会は陰暦如月15日の釈迦の命日、まもなく法要が寺院で営まれ、寺秘蔵の釈迦入滅の涅槃絵が公開される。
北枕で心臓を下にして、即ち心を大切にして横たわり、周囲に諸菩薩から畜生に至る一切衆生が描かれる。
母・摩耶夫人が息子の為に極楽から良薬を投げるが運悪く巨木に引っ掛かる。
釈迦の命を救う一心でネズミは懸命に木を登るが、空腹のネコは飢餓の我欲を満たす本能でネズミを追いかける。生命の危機の恐怖でネズミは懸命に逃げる我欲。
だから良薬を届けられず釈迦は永眠した。
状況を観察していた弟子達は、ネコが犯罪人と断定、十二支から除外し、ネズミに一番手の栄誉を与えたのである。
北枕は縁起が悪いと人間社会では禁忌とするが、お釈迦様は頭寒足暖なら永眠できると教えるが、嫌悪するのは不老不死を求める人間の我欲である。