英語と書評 de 海馬之玄関

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完訳☆安倍総理アジアを語る「ASEANと日本の将来像」(2)

2014年01月03日 11時33分30秒 | Weblog



★註:対ASEAN外交5原則-安倍ドクトリン
安倍晋三総理が、2013年1月18日、ジャカルタで発表した
日本の対ASEAN外交5原則。その内容は以下の通り、

1)人類の普遍的価値である思想・表現・言論の自由の十全な実現
2)海洋における法とルールの支配の実現
3)自由でオープンな、互いに結び合った経済関係の追求
4)文化的なつながりの一層の充実
5)未来を担う世代の交流の促進



б(≧◇≦)ノ ・・・なるほどぉー!





ASEAN and Japan friendship in the context of regional and global community
Even though we already have excellent bilateral relations with each ASEAN member country, why do we strengthen our cooperation between Japan and ASEAN as a collective entity?

First, in the area of economy, ASEAN has been the center for manufacturing for Japanese companies, and both ASEAN and Japan have enjoyed economic growth thanks to the strong manufacturing industry of ASEAN. A single ASEAN entity with better inter-connectivity and intra-connectivity will bring about more efficiency, both in production and distribution of goods, and will greatly benefit both ASEAN and Japan’s sustainable economic growth and from economies of scale.

ASEAN has grown tremendously in the last forty years and has now become the world’s market and a center for service industries. It is indispensable for Japan to tap into the energy and vitality of a growing ASEAN as the center of growth for the revitalization of the Japanese economy through its new economic policy, what many call, “Abenomics.” At the same time, I am confident to say that the revitalization of our economy will bring about further mutual benefit both to regional and global economy.

東・東南アジア地域的と地球儀的なASEANと日本の友好の意義
言うまでもないことですけれども、日本はすでにASEANに加盟するすべての国と文句のつけようのない2国間関係を構築しています。ならば、単体としてのASEAN総体と日本の間の協力関係をも強化するに如くはありますまい。違いますでしょうか? 違いますでしょうか?

私は何が言いたいのか。第一に、経済分野。ASEANは現在でも間違いなく日本企業の製造拠点になっている。そして、その強い製造業の力によりASEANと日本はお互いに経済成長の果実を手にしてきたということ。而して、ASEAN諸国連合の域内外でより緊密な連携が具現するとすれば、そのように変化した単一の総体としてのASEANが製造と物流の両面で一層生産性を高めることは間違いないでしょう。而して、そのような単一の総体としてのASEANの変化は、経済成長の持続可能性と規模の両面においてASEANおよび日本双方にとって極めて大きな利得をもたらすであろうこと。このこともまた私は間違いなかろうと思うのであります。

この50年間でASEANはとほうもない成長をなしとげました。実際、ASEANは現在世界有数の市場となり、また、サービス産業の世界的な中心地の一つです。ならば、【←同一パラグラフの内部では適宜「接続詞」を入れて訳した方が和文としては自然になる、鴨ですよ。】成長し続けているASEANのエネルギーと活力を利用させていただくこと。それは日本にとって不可欠の道でないはずがない。蓋し、世間と世界で「アベノミクス」と呼ばれている新しい経済政策によって日本経済を再生させる、ASEANは日本にとってその経済成長の中核に他ならない。他方、日本経済の再生は、地域的および地球規模の経済に対しても今以上の利得を日本にもASEANにも世界の国々にもたらすであろうことを私は確信しています。



Second, ASEAN and Japan share the high seas that stretch between the two. The same can be said for the air space above. There is no need to mention how significantly important it is for ASEAN as an entity to ensure and promote fundamental values such as freedom, democracy and human rights and rule of law in order to maintain peace and stability of the region. I believe that Japan and ASEAN, through their commitment to the renunciation of the threat or use of force or coercion, and to peaceful dispute resolutions, can play a more proactive role for peace, stability and prosperity of the whole global community.

During the Summit, I will take the opportunity to explain to the ASEAN leaders the concept of my policy of “Proactive Contribution to Peace” for regional and global stability and security based on Japan’s long-standing principle of international cooperation and building on Japan’s post-war endeavors as a peace-loving nation.

At the same time, I strongly believe in the potential of cultural exchanges in Asia to be conducted in a two-way and win-win style, and have committed to launch a new Asian cultural exchange policy, “WA Project”—Toward Interactive Asia through “Fusion and Harmony”—, to further promote cultural exchanges.

第二に、ASEANと日本の間には公海が横たわっています。この経緯は航空機が飛び交う上空でも同様でありましょう。而して、ASEANと日本を包摂するこの地域の平和と安定を維持する上で、総体としてのASEANにとって、自由、民主主義および人権、ならびに、法の支配といった死活的に重要かつ基本的な諸価値を確保し深化することが極めて重要であることは言うまでもありますまい。畢竟、武力もしくは強制力の行使をちらつかせた強迫やそれらの使用そのものを金輪際やめ、問題は平和的な交渉を通して解決するという誓約を行うことで、日本とASEANが平和の実現、そして、地球全体を覆う人類史的規模での【「the whole global community」をこう意訳してみました。「global community」は日本語に訳し難いものですからね。】安定と繁栄により一層率先して貢献できるであろうことを確信しています。

今回の特別首脳会議で、ASEAN諸国の指導者の皆様に対して私は、安倍政権の外交指針を説明させていただくつもりです。すなわち、東・東南アジア地域と世界の安定と安全保障のために「より率先して平和に貢献すること」【「積極的平和主義」; active pacifism, to become a Proactive Contributor to Peace】の真意をであります。而して、「より率先して平和に貢献すること」とは、実は、長らく日本が採用してきた国際協力の原理原則の延長線上のものであり、かつ、それは大東亜戦争後の日本が平和愛好国として尽くしてきた努力の基盤の上に構築されたものなのですけれども。

同時に、私は、一方通行ではない相互的で、かつ、双方にとってメリットのある諸国民間の関係のあり方を具現する上で、アジア地域における文化交流が孕んでいる可能性に強く期待しています。そのような期待から私は、文化交流の更なる促進を期して、アジアにおける新しい文化交流プロジェクト、「WAプロジェクト」--「融合と調和」を通した相互に刺激し影響し合えるアジアの創出に向けて--(★)を立ち上げたのです。

★註:WAプロジェクト
2013年1月18日、インドネシア訪問中の安倍総理が実施を表明したプロジェクト。2007年から実施されていたJENESYSの後継である、アジア地域における3万人規模の青少年交流事業「JENESYS2.0」がその中核。本プロジェクトは、日本に対するアジア地域の関心を拡大深化させ、訪日外国人の増加とともに、クールジャパンを含めた、日本的な<価値>への国際理解を向上させようとする戦略的プロジェクト。








<続く>





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