明確な国際法違反である北朝鮮の長距離ミサイル発射を非難した安全保障理事会の議長声明に対して北朝鮮が無意味に強く反発しています。十年一日の如き「北朝鮮の瀬戸際外交:brinkmanship diplomacy」スタイル。実際、Reutersも”Announcements like this from North Korea are part of a familiar pattern of behavior,” April 14「北朝鮮が出したこのような声明は彼等の行動パターンの範疇内のもの」と切り捨てています。要は、「北朝鮮は狼少年」ということ。
けれども、北朝鮮が日本全土を射程に収める中距離ミサイルを既に開発し保有している事実に加えて、今回4月5日の長距離ミサイル・テポドンの発射によって(その発射は技術的には失敗だったのでしょうが、その搭載可能な弾頭の重量から見て間違いなく)核弾頭を小型化する技術の有無や開発の可否に関わらず北朝鮮が日本になんらかの核弾頭を打ち込める域に達したことは明らかなのです。蓋し、北朝鮮は外交的には世界の嘲笑の対象以外の何ものでもない「狼少年」であるが、その「狼少年は狼の少年」でもある。
ならば、「野獣と人間と天使は同じ世界には住めない」という法哲学の箴言を持ち出すまでもなく、日本は北朝鮮に対してそろそろ本気で対応を考える状況に至っているのではないか。畢竟、現行憲法や政府の集団的自衛権解釈からも全く問題のない、①北朝鮮を先制攻撃可能な自衛隊の装備、就中、先制攻撃用の戦術核兵器の開発と配備、②自衛隊の活動を手厚く支援するための自衛隊関連諸法の整備は焦眉の急の日本の課題である。而して、然る後に、③可及的速やかな集団的自衛権を巡る現行の荒唐無稽な政府解釈の是正と、④最終的には憲法改正の断行。これら一連の対応が求められている。今回のニュースを目にして私は改めてそう思いました。尚、集団的自衛権と敵基地先制攻撃に関する私の基本的な考えについては下記URL(およびそこにリンクを張っている)拙稿をご一読いただければ嬉しいです。
・<神風>としての北朝鮮ミサイル発射☆「集団的自衛権行使違憲論」の崩壊の予兆
http://blogs.yahoo.co.jp/kabu2kaiba/57476954.html
以下、紹介する記事は” North Korea threatens to restore nuclear facilities,”Times, April 14, 2009「北朝鮮、核施設の再稼動で脅迫」です。しかし、どの当事者にとっても今回の北朝鮮の反応は予定の行動ではあったのでしょうが、要は、「新たな制裁決議」ではなく「安保理議長声明」であっても北朝鮮にとっては忌々しき事態だったということ。ならば、「はしご外された日本-安保理交渉 議長声明で米中同調」(朝日新聞・2009年4月14日・東京本社版14版国際面)と「新たな制裁決議」を勝ち取れなかったが日本外交のさも失敗でもあるかのように揶揄した朝日新聞の認識は全くずれていたということでしょう。而して、流石は、麻生政権!
麻生総理断乎支持!
頑張れ麻生総理!
North Korea threatened to reopen a nuclear power plant, process more plutonium for nuclear weapons and withdraw permanently from international disarmament negotiations today, after the UN Security Council condemned its firing of a long-range rocket earlier this month.
The furious reaction came a few hours after the Security Council issued a statement, unanimously agreed by its 15 members. Despite falling short of a formal resolution, which was blocked by North Korea’s former communist allies, Russia and China, the “presidential statement” denounces the rocket launch and calls for a blacklist of North Korean companies, as agreed in a resolution three years ago.
北朝鮮は本日【2009年4月14日】原子力発電所の稼動を再開すると脅迫した。併せて、更なる核兵器の製造のためにプルトニュームを生産すること、そして、北朝鮮の軍縮を巡る国際協議から永久に離脱する旨の脅迫をも行なった。而して、この脅迫は、北朝鮮が今月頭に長距離ロケットを打ち上げたことを国連安全保障理事会が厳しく非難したことに即応したものである。
北朝鮮の憤怒に任せたこの対応は、安保理のメンバー15ヵ国が満場一致で非難声明を発してから数時間後に行なわれた。北朝鮮のかっての共産主義同盟国である支那とロシアの反対によって公式な決議採決には至らなかったものの、安保理の「議長声明」は北朝鮮のロケット発射を非難し、かつ、3年前の非難決議で合意されていたことではあるけれど、要注意対象リストに記載されている北朝鮮企業に注意を促すものであった。
A statement from the country’s Foreign Ministry carried on the state-run Korean Central News Agency, “resolutely condemns” the UN move. “The Democratic People’s Republic of Korea will strengthen its nuclear deterrent for its defence by all means,” the statement said.
“We have no choice but to further strengthen our nuclear deterrent to cope with additional military threats by hostile forces. We will take steps to restore disabled nuclear facilities... and reprocess used fuel rods that came from experimental nuclear reactors.”
Since last summer, North Korea has suspended activity at its Yongbyon nuclear power plant, where in the past it has extracted plutonium from spent fuel rods believed to have gone into the manufacture of about half a dozen nuclear warheads. ・・・
国営の朝鮮中央通信によって報じられた北朝鮮外務省の声明は国連の動きを「断乎批判する」とし、また、「朝鮮民主主義人民共和国はその防衛のための核抑止力を断乎強化する」と述べている。
「敵対勢力からの更なる軍事的脅威に対抗する上で我々には核抑止力を強化する他の選択肢はない。我々は使用不能にした諸核施設を再度稼動させる措置を講じる。而して、実験原子炉から取り出された使用済み核燃料棒を再処理することになろう」ともこの声明は述べたのだ。
昨年夏以来、北朝鮮は寧辺の原子力発電所の活動を停止してきた。当該施設において北朝鮮はこれまで使用済み核燃料棒から、約半ダースものミサイル核弾頭に用いられたと信じられているプルトニュームの抽出を続けてきたのである。(中略)
In today’s statement the North insisted that those talks were over. “There is no need for the Six-Party Talks any more,” it said. “We will never again take part in such talks and will not be bound by any agreement reached at the talks.”
The strength of the reaction is in keeping with North Korea’s rhetorical style and it does not necessarily mark the end of the negotiations or the full resumption of the nuclear programme. But it indicates that the process of engagement with the North has taken a step back, after slow and painstaking progress in the last two years of the Bush administration.
The Security Council statement said that the committee monitoring sanctions against North Korea must report within ten days on companies, equipment and technologies that should be blacklisted under the 2006 sanctions resolution, which was never enforced. If the committee fails to act, the council itself will come up with a list by April 30.
本日の声明で北朝鮮は【6ヵ国】協議が終ったことを強調した。曰く、「最早、6ヵ国協議はいかなる意味でも無用の長物である」「我々が今後そのような協議に再び参加することはありえない。また、6ヵ国協議でなされたいかなる合意にも我々は拘束されない」と。
今回の過激な反応は北朝鮮のいつもの修辞法の踏襲であり、その反応が必ずしも交渉の終焉を意味しているわけでも核開発計画への全面的回帰を意味するものでもない。しかし、今回の北朝鮮の反応は、ブッシュ政権がこの二年間進めてきた北朝鮮との間で取り決めを行なう試みが後退したことを示唆している。
安保理の声明には、北朝鮮に対する制裁の監視を行なってきた委員会が十日以内に、企業・機器・技術について報告を行なわなければならないと記されている。それらの要注意企業・機器・技術のリストは2006年の制裁決議によって作成されるはずだったものでありながら、今まで実行されてこなかった。もし、当該の委員会がそのタスクをなしえない場合には、安保理自体が4月30日までに同様のリストを提出することになっている。
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