無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

「どん底作家の人生に幸あれ」 アーマンド イアヌッチ監督 英米合作 ○(おまけ)

2021-03-08 | 2021映画評


「どん底作家の人生に幸あれ」 アーマンド イアヌッチ監督 英米合作 ○(おまけ)

 イギリスの文豪ディケンズの名作「デイヴィッド コパフィールド」を実写映画化しました。
 デイヴィッドは名家に生まれ母や家政婦と楽しく暮らしていました。幼いときから気がついた「へんなこと」や「おかしなこと」を紙に書き残していました。幸せな日々は短く、富豪の母は暴力的な男と再婚、その男に都会の工場に売られてしまいます。過酷な日々からなんとか逃げ出し、裕福な叔母を頼ってなんとか名門(?)学校の学生となるのでした。ところが今度は貧しい使用人が財産を乗っ取ってしまうのでした。

 原作はかなりの長編でそれを2時間に収めようとし、たいへん慌ただしくとりあえず物語の大筋を知っていないと流れを把握するのが困難になりかねない内容です。ですが、主役のデブ パテル始め出演者が実力者揃いで、衣装や時代考証にもお金がかかっていてあまり深く考えずスクリーンを眺めているだけでも見ごたえがありました。
 俳優の中でもちょい悪の使用人を演じたベン ウイショーが成田凌によく似ていて登場するたびに「英語うまいね」と勘違いしそうでした。
 名家のマダムが黒人だったり、ボスが中華系だったり、人種的にもにぎやかで、ディケンズも「いい時代になったね。」と喜んでいるかも。

 タバコは、一瞬デイヴィッドがタバコのようなものを吸っているような場面がありましたがほんの一瞬だったのでおまけの(○)です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「太陽は動かない」 羽住英一郎(はすみ えいいちろう)監督 ✗✗

2021-03-08 | 2021映画評


「太陽は動かない」 羽住英一郎(はすみ えいいちろう)監督 ✗✗

 吉田修一原作のスパイ・アクションを実写映画化しました。
 スパイ組織「AN通信」のメンバーは、24時間に1度連絡をしないと爆発する爆弾を心臓に埋め込まれています。鷹野(藤原竜也)と田岡(竹内涼真)は新エネルギーに関する極秘情報を巡って各国の同じような諜報機関のスパイたちと身体と頭脳を使った闘いを繰り広げます。活躍している「AN通信」のメンバーの過去にはある秘密がありました。

 主な舞台はブルガリアのソフィアで、対抗する組織には中華系、韓国系のメンバーが入り乱れ、実際の外交では色々問題を抱えているものの「映画」という舞台では協力してひとつの作品としていることに好感を持ちます。
また、「今日を生きろ」というメッセージを何度も強く「推し」ていて虐待されてもいじめを受けていてもとにかくすべての子どもたちに死なずに生きてほしいという願いが感じられました。

 タバコは、藤原、市原隼人、などが喫煙しスパイらしくありませんでした。(✗✗)海外のロケ場面でバイクの男が吸い殻をポイ捨てする場面があり、日本人としてたいへん恥ずかしく思います。
 海外で撮影をするのはいいけれど日本のタバコ対策は世界的には遅れているので「日本の常識」は海外では「非常識」と見られることもあります。配慮をよろしく。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「樹海村」 清水崇監督 ○ PPラッキーストライク、ライター 東映

2021-03-08 | 2021映画評


「樹海村」 清水崇監督 ○ PPラッキーストライク、ライター 東映

 「犬鳴村」に続く「実録!恐怖の村シリーズ」第2弾です。
 富士山の裾野に広がる樹海を舞台に、触れてはいけないコトリバコの呪いを描きます。
 天沢鳴(めい 山口まゆ)と響(山田杏奈)の姉妹は鳴の友人の引越し先で古臭い箱を手にします。すると、この箱に関係した人が次々不慮の事故や火災にあいます。一方、響はネットの呪い系サイトにつながっていていつも奇妙なことを言ったり恐れたりしていました。
 樹海の呪いとは一体何なのでしょうか。

 統合失調症と犯罪行為との相関関係についての報道に対し多くの精神科医が危惧をし、中でも映画評論をキネマ旬報にも載せている精神科医の斎藤環医師はメディアで強く憂えています。ネタバレになるので深くは触れませんが個人的にも脚本に疑問を感じます。
 物語の中で過去に多くの「普通でない人」が意図的に葬られたことが呪いとなっているというのに精神疾患=犯罪者のような発想では「現代の呪い」に発展するのではないでしょうか。
 樹海は富士山の大噴火で亡くなった人々が眠っているということですが、樹海に限らず日本中どこでも空襲や戦火の犠牲者が眠っています。私たちは遺骨の上で生きていると謙虚にならなければいけないと再認識しました。
 ところで、最近沖縄では遺骨が含まれる土を基地建設の埋め立てに使おうとしていますがとんでもないことです。呪われること間違いなし!
 造形担当のスタッフの皆さん、動く木々が大変良く出来ていました。(美術 寒河江陽子)

 タバコは、微妙に無煙です。しかし、きちんと(?)タバコの宣伝はしています。一方で火災の原因はライターというところはマイナスイメージです。また、妻が妊娠しているので喫煙するのをためらう場面がありました。いずれにせよ微妙な無煙映画です。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする