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「ワイルド7」 羽住英一郎監督 ×∞(無限大)PPハイライト、携帯灰皿
凶悪犯撲滅のため警察内部に極秘に組織された元犯罪者のチームが「ワイルド7」です。バイクに乗って凶悪犯を超法規的にバンバンと殺していきます。しかしその時に1台の謎のバイクが現れ犯人を打ち殺し去っていくのでした。
荒唐無稽な設定ですが、警察内部のスキャンダルを織り交ぜ正当化しています。でも、テロリストだから殺してしまうのでは問題の解決には決してなりません。そのあたりの掘り下げ方がまったく甘いです。瑛太などの売れ筋の俳優を動員しバイクアクションも見せ場となり中高生をターゲットにしているようですが、こんなものを見せていいのかと映画界の愚かさを感じました。
もっと愚かなのはタバコの扱いで、信じられないことに
新聞社のオフィス内がモクモクなのです。
記者の一人(要潤)は常にタバコをくわえていて長く伸びた灰を同僚の女性記者が携帯灰皿で取ってあげるという場面もたびたび出てきます。もちろん
ワイルド7たちも喫煙し放題です。(
宇梶剛士ほか)禁煙のパーティー会場でタバコをくわえスタッフに注意されるとなんとグラスの中にタバコを捨てるという暴挙もします。ただ、警察関係者の喫煙はありませんでした。
考えてみれば
「WILD7」の「W」をひっくり返すと「MILD7」タバコの宣伝映画だったんです。
FCTCに完全に違反しています。こういう作品を超法規的に通してしまう「映倫」っていうのも怪しい組織ですよね。映画製作者と映倫こそワイルド7に撲滅してもらいたいです。
2011年内容的にもタバコ的にももっとも不愉快な作品でした。