無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

アニー

2015-01-29 | 2015以前の映画評


「アニー」 ウィル グラック監督 米 ◯ ⭐︎⭐︎

 ブロードウェイミュージカルとしても有名な作品の映画版です。
 4歳で捨てられたアニーが、孤独な資産家と出会いその天性の明るさと賢さで周囲の人々を変えてしまう物語です。
 金曜日の夜になると捨てられていたレストランで両親が迎えに来るのを待っているアニー(クワヴェンジャネ ウォレス)は近所の人気者です。でも、家に帰ると酒に溺れた里親(キャメロン ディアス)が待っていました。里子たちはいつもお腹を空かせていましたが、それでも夢を語ることで楽しく過ごしていました。夏休みに入った頃アニーは車に轢かれそうになり、市長選に立候補している大富豪スタックス(ジェイミー フォックス)に助けられます。その画像が拡散し選挙戦で劣勢だったポイントがアップしていくのでした。選挙参謀はアニーを選挙戦に利用しようと企み、里子として同居を始めるのでした。子供が苦手でいつも殺菌剤を手放せなかったスタックスがアニーと過ごすことで心を開いていくのでした。そんな時アニーを捨てた両親が突然現れるのですが・・・。 
 アニー役のクワヴェンジャネ ウォレスが歌にダンスに大活躍です。また、里親役のキャメロン ディアスが三枚目の汚れ役を怪演していました。(⭐︎)
 タバコは、なし。無煙です。アメリカに無煙映画大賞があったら作品賞間違いなし。家族で安心して観られる秀作です。(⭐︎)「タバコ産業の援助は受けていません。」のテロップもありました。


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中島みゆき 縁enkai会2012~3 劇場版

2015-01-28 | 2015以前の映画評


「中島みゆき 縁enkai会2012~3 劇場版」 翁長裕 監督 ◯ ⭐️⭐️

 中島みゆきが12~13年にかけて行ったコンサートを映画としてまとめました。
 「地上の星」「空と君のあいだ」などのヒット曲をはじめ、何年たっても色あせない「時代」「化粧」「世情」などが歌われています。バックバンドも見るからに実力者を揃えましたという感じで安心して楽しめます。
 生のステージも何度か観ていますが、映像による鑑賞もまた違った魅力を引き出しています。いつまでも若々しくすばらしい歌声を聴かせていただきたいものです。
 タバコは、なし。1作目のエンドロールのメイキング映像でスタッフが喫煙している場面が流れヤマハに「歌手の健康をもっと大切にしてほしい。」と要望を出しましたが、そのせいかエンドロールは文字だけでした。


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毛皮のヴィーナス

2015-01-27 | 2015以前の映画評


「毛皮のヴィーナス」 ロマン ポランスキー監督 仏ポーランド × 

 80歳の監督がマゾヒズムの語源となったザッヘル マゾッホの自伝的小説を題材に妖しい官能の世界を描いた密室劇です。
 オーディションに遅れてやってきた無名の女優ワンダ(エマニュエル セニエ)、演出家のトマ(マチュー アマルリック)は彼女の強引さに負けて渋々演技に付き合います。軽薄そうに見えたワンダですが、実は脚本は全て完璧に理解し、トマに対し照明などの演出にも的確な助言をします。そして、
トマはいつしかワンダの魅力に飲み込まれていくのでした。
 登場するのはまったくのふたりきりという「二人芝居」です。風船ガムを膨らませながら話していたワンダが演技に入ると肉感的なヴィーナスに変身していくセニエの演技はお見事です。演技を通して自らの人生まで変えられてしまうトマを演じたアマルリックもカメレオン俳優らしい名演でした。
 タバコは、トマが冒頭とラストで喫煙しました。(×)また、この映画のチラシのイラストにはヴィーナスがキセルを持って描かれていますが、作品の中ではワンダは喫煙していません。イラストレーターの勘違いでしょうか。タバコの宣伝はFCTCに違反するのでイラストとはいえ法令順守をお願いしたいところです。


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デビルズ・ノット

2015-01-26 | 2015以前の映画評


「デビルズ・ノット」 アトム エゴヤン監督 米 △

 1993年にアメリカのウエストメンフィスで起きた幼児殺人事件を通して、警察の手抜き捜査と「冤罪」の可能性を追求した実話に基づいた作品です。
 保守的な小さな町で起きた猟奇殺人事件で3人の子どもが犠牲となりました。警察はすぐに町外れに住む不良少年3人を容疑者として逮捕し、都合のいい証言者を仕立てていきました。事件の成り行きに疑問を感じた私立探偵のロン ラックス(コリン ファース)は独自の調査を開始します。一方、被害者の母親パム(リース ウィザースプーン)も裁判の傍聴を通して様々な疑問を感じるのでした。
 冤罪の犠牲となった少年たちはトレーラーハウスに住み、ヘヴィメタルロックを愛し、黒魔術の本を持っていたというだけの理由で逮捕されてしまいました。保守的な町では教会の力が強く悪魔崇拝などは決して許されない行為なのでした。「宗教の名の下に何人が犠牲になったことだろう。」というセリフがありましたが、まさにキリスト教を守るために何人が犠牲になっていることでしょうか。
 唯一の救いは死刑判決が司法取引で実行されなかったことがラストにテロップで流れました。やはり死刑制度は危険な刑罰です。
 タバコは、パムが苦しい時にタバコを手にしますが、吸う前にカット、という場面が2回ありました。周囲では煙が何回か流れたので(△)とします。


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ハルサーエイカー the MOVIE

2015-01-24 | 2015以前の映画評


「ハルサーエイカー the MOVIE」 岸本司監督 ◯

 2001年秋から放映された沖縄発のテレビシリーズの映画版です。
 ハルサーとは農家、エイカーは一族という意味です。御嶽の森を道路にしようと企む開発会社の男が住民を金で買収しようと動き始めると森がうなり始めます。村の様子がおかしいと小学生のさつきはハルサーエイカーのハルのもとを訪ねます。村ではゴミの語源となった「木の葉」が、食べ物をゴミとして捨てる人間に創造主が激怒し、ゴミから生み出されたモンスター「ドブー」と「チリー」を使って暴れているのでした。カマーとヘラーそしてハルはモンスターと戦うのですが・・・。
 「ドブーとチリー」「カマーとヘラー」それぞれが漫才コンビのようなやりとりで笑わせてくれます。琉神マブヤーのスタッフとキャストが再集合ということでスーツアクターも人間的な動きで説得力がありました。「木の葉」のキャラクターも個性的でした。
 タバコは、なし。無煙です。


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ガガーリン 世界を変えた108分

2015-01-23 | 2015以前の映画評


「ガガーリン 世界を変えた108分」 パヴェル パルホメンコ監督 ロシア × 

 人類初の有人宇宙飛行に挑んだガガーリンの半生を描いています。「ガガーリン生誕80周年記念」の作品です。50年経って映像技術が進歩したおかげで再現できました。
 1961年東西冷戦の真っ只中、ソ連がアメリカに先駆け有人宇宙飛行を成功させたるため、3000人の空軍パイロットから20人が選抜され過酷な訓練を受けていました。無重力で人は生存できるのかさえ不明だった時代、精神的にも肉体的にも極限を追及される試験の中、ガガーリンは最後の6名に残ります。共に訓練を受けながらも「名前を残すのは最初のひとり」ということで、6人はライバルでもありました。最終的にはガガーリンが選ばれスプートニクに乗り込み無事生還するのでした。
 厳しい訓練中、彼の子供時代からの様々な記憶が再現され両親や妻の思いなども織り込まれています。ソ連の英雄となった彼のその後は決して幸福ではなかったようで、後半生が気になります。
 タバコは、訓練生が選抜から落とされたり、誰が選ばれるか不安になったりする場面で喫煙していました。回想の場面で父親が喫煙しました。(×)
 全体としては喫煙場面は当時の喫煙率を考えると少なく、主な登場人物は喫煙しませんでした。


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アマゾン大冒険~世界最大のジャングルを探検しよう~

2015-01-22 | 2015以前の映画評


「アマゾン大冒険~世界最大のジャングルを探検しよう~」 ティエリー ラコベール監督 
                               仏ブラジル ◯

 ペットとして飼われていたフサオマキザルが引越しの際飛行機が不時着してひとり(一匹)アマゾンの奥地に取り残されてしまい、生きるための冒険が始まるのでした。
 サイ(猿の名前)は本物の木に登ったこともない都会育ちですが、アマゾンの奥地で見たこともない動物や昆虫植物と出会いながら、生きるために大切なことを学んでいきます。時には毒キノコを食べて具合が悪くなったり、ジャガーに追いかけられたり、木の枝が折れて川に落ちそのまま流されてしまったりします。そのおかげで同じフサオマキザルの群と出会います。はじめは礼儀を知らないサイはボスからにらまれ相手にされませんが同じ年頃の友達ができ群とつかず離れずの関係を保ちながら少しずつ生きる知恵を身につけていくのでした。
 サイの表情の捉え方が巧みで日本語のナレーションも気持ちを代弁しているようで自然でした。ココナツの実を枝の上から落として割ったり、鳥の卵を盗んで割って食べたり、友達が怪我をすると心配して手当てをしてあげたり、まさにヒトと遺伝子レベルではほとんど変わらないサル達の様子が感動的でした。
 ラスト近くに熱帯雨林をチェーンソーで切り倒し開発している人間たちの姿が登場しましたが、もっと踏み込んでも良かったのではないかと思います。地球の気候変動の原因の一つが熱帯雨林の減少であることを伝えて欲しかったです。
 タバコは、なし。無煙です。(◯)


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ジャッジ 裁かれる判事

2015-01-22 | 2015以前の映画評


「ジャッジ 裁かれる判事」 デヴィッド ドブキン監督 米 ◯

 お金になる仕事なら悪徳企業の弁護でも引き受けサラリと勝ってしまう有能でやり手の弁護士が、確執があった判事の父親といくつもの苦悩を乗り越え和解する父子の物語です。
 妻と離婚話が出ている弁護士ハンク(ロバート ダウニーJR)の元に母親が亡くなった知らせが届きます。一度も帰ったことのない故郷に戻ったハンクを父親(デヴィッド デュヴァル)は歓迎しません。一方、ふたりの兄弟は暖かく迎えてくれ、無事母親の葬儀は済みましたが、なんとその晩父親がかつての自分の裁判の被告だった男を交通事故で死なせてしまうのでした。ハンクは父親の弁護をしますが真実は意外なところにあるのでした。
 3人の兄弟と父親、そして被害者との過去の関わりが現在にもその影を引きずっていて、単純な話ではなくサスペンスの要素もあり面白いのですが、上映時間をもう少し短くなるように工夫して欲しかったですね。
 タバコは、なし。「この映画に関係した人はタバコ産業からの援助は受けていません。」のテロップがありました。日本の映画界でも1日も早くこの言葉が使えるようになってほしいものです。


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自由が丘で

2015-01-21 | 2015以前の映画評


「自由が丘で」 ホン サンス監督 韓国 ×××××・・・PP韓国のタバコあれこれ

 別れた韓国人の彼女を追ってソウルへやってきたモリ(加瀬亮)がゲストハウス周辺で出会った人々との出会いを軽いタッチで描きました。
 スーツケースをガラガラ引き、ソウルの安い宿に泊まり、近くに住んでいるはずの別れた韓国人の彼女を探しに来ました。「自由が丘」という名のカフェのオーナー、ヨンソンの愛犬を探した縁で彼女と親しくなります。彼女には浮気性の彼がいます。また、ゲストハウスのおばさんの甥と親しくなり一緒に飲んだり食事をしたりします。大事件は起きず、韓国映画にしては珍しく血しぶきもなく淡々とした映画です。加瀬亮の酔っ払った演技は演技とは思えず、もしかして本当に酔っ払っているのかと思える怪演をしています。時間だけは前後があれこれ入れ替わってちょっと観客は惑わされます。
 タバコは、主な登場人物の老若男女全員が喫煙し、常に誰かしらがタバコを吸っているというタバコ宣伝のための作品としか思えません。病気だった元彼女まで喫煙するのですから常識を超えています。タバコのパッケージもいろいろ出し、「そのタバコは何ミリ?」「8ミリだよ。」「僕のは1ミリだよ。強いタバコ吸っているね。一本くれる?」などのセリフもありました。ホン サンス監督はどの作品もタバコが気になりますね。


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ニューヨークの巴里夫

2015-01-20 | 2015以前の映画評


「ニューヨークの巴里夫」 PG12 セドリック クラピッシュ監督 仏米ベルギー ◯ ⭐︎

 「巴里夫」は「パリジャン」と読みます。「スパニッシュ アパートメント」(01年)「ロシアン ドールズ」(05年)に続く3部作の完結編ですが、前2作を見ていなくても本作だけでも十分楽しめます。
 グザヴィエ(ロマン デュリス)は40歳。小説家としてもまずまず成功し、家族と幸せな日々を送っていました。ところが出張でニューヨークに行った妻が「好きな人ができたから」と二人の子どもを連れてニューヨークへ行ってしまいました。その後息子を制服のあるセレブ校に入学させたことを知ったグザヴィエは激怒し、レスビアンの女(男?)友達を頼ってニューヨークへ乗り込むのでした。チャイナタウンに住み、観光ビザでは仕事ができないため偽装結婚をし、レズのカップルのために精子提供したり、元の恋人がニューヨークにやってきてよりを戻したり、振り回されながらもグザヴィエは家族の幸せを目指し、疾走するのでした。
 客観的には深刻な事態ですが、飄々とした風貌のグラヴィエの語りと、スピード感のある映像展開魅力的な女優たちと個性的な脇役のおかげで楽しい作品となりました。オープニングとエンドロールはさすがフランスと感じさせるおしゃれな演出です。音楽も効果的でした。(⭐︎)
 離婚しても父親が子どもの養育に真剣に関わっている姿は、日本の現状と比べ羨ましい限りです。
前2作も見たくなりました。再上映してくれないかな。
 タバコは、なし。無煙です。厳密にはニューヨークの街角でビルの外で喫煙する人が映りましたが監督が意図的に喫煙させている場面はなかったので無煙といたします。(◯)


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