無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

キングスマン

2015-09-30 | 2015以前の映画評


「キングスマン」 R15 マシュー ヴォーン監督 英 △
 
 どの国家にも属さず、社会の悪を追放する紳士のスパイ組織「キングスマン」の新人研修と闘いを描いています。上品ですが過激な(R15)作品です。
 自分の手落ちで仲間の命を犠牲にしてしまった「キングスマン」のハリー ハート(コリン ファース)は17年前に死んだ仲間の息子をキングスマンとして推薦します。チンピラだったエグジ-(タロン エガートン)ですが、厳しいトレーニングを受けなんとか落伍せず最終段階まで進みます。一方、資産家のヴァレンタイン(サミュエル L ジャクソン)は人口増加を食い止めようとして恐ろしい人口抑制策を編み出し着々と計画を実行に移していました。はたしてキングスマンはこの計画をとめることができるのでしょうか。
 英国風テーラー店は地下からスパイ組織の要塞へとつながっています。地上では上流階級のテーラー店として、地下では誰にも知られていないスパイ組織として、さまざまなテロリストなどと闘うという設定が今までのスパイ映画とは違います。英国紳士として「礼儀が紳士を作る」という格言の通りチンピラが英国紳士として成長します。アクションも観ものですが、物語の中には英国ならではの階級差というお国の事情がセリフの中に織り込まれ、「貴族階級でなくても教育次第で紳士になれる。」ということを証明しています。ただ、ラスト近くのお互いに殺しあうという大量虐殺は上品さのかけらもなくちょっと残念でした。
 タバコは、チンピラが喫煙します。チンピラを取り調べる刑事が外で喫煙し吸い殻を投げ飛ばす場面があり、どちらもマイナスイメージなので(△)です。タバコ会社から資金提供はうけていませんというテロップも流れました。 


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天空の蜂

2015-09-29 | 2015以前の映画評


「天空の蜂」 堤幸彦監督 ☓☓ PP自販機

 東野圭吾原作の原発をめぐる事件の小説を映画化しました。時は1995年です。
 自衛隊が開発した新型ヘリコプターはお披露目のその日に自動操縦で奪われ、原子力発電所の真上で停止されてしまいました。中には設計士湯原(江口洋介)の息子が乗っていたのです。ヘリを奪った「天空の蜂」は国内の全原発の破棄を要求し、要求が通らない場合燃料切れの8時間後に爆発物を載せたヘリを原発に激突爆破する、と声明を出してきました。湯原と原発の設計士三島(本木雅弘)は息子を救出し、日本消滅の危機を乗り越えるためさまざまな方策を考えるのでした。一方、警察の捜査では犯人に結びつく意外な情報をつかむのでした。
 国民の命よりも原発を守ろうとする政治家や原発労働者の過酷な労働について顧みず電気を浪費する都会の人々への告発がさり気なく描かれています。「反原発」とか「反戦」と声高に言うのではなく堤監督は娯楽作品の中で福島原発事故後すっかり忘れ去られようとしている問題を掘り起こしています。また、自衛隊の協力を得ながらも訴えているのは「軍隊としての自衛隊より災害救助隊」という現実的に命を救う存在として自衛隊を描きました。
 タバコは、やはり江口がしっかり喫煙していました。(☓)喫煙後に全力疾走させる場面がありましたが、命取りになるのでやめたほうがいいですね。また、女性職員が給湯室で喫煙(☓)。1995年当時のタバコの自販機も重要な場面でバックに使われていました。


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わたしに会うまでの1600キロ

2015-09-29 | 2015以前の映画評


「わたしに会うまでの1600キロ」 R15 ジャン マルク バレ監督 米 ☓
 
 母親を亡くし人生を投げ出していたシェリルがふと思い立って砂漠の道を3ヶ月かけて1600キロ踏破し自分の人生を取り戻したその記録が原作となっています。
 別れた夫にだけトレイルに出ることを報告し出発した山歩き素人のシェリル(リース ウィザースプーン)はテントの張り方も知らないし、コンロの燃料も間違えていて使えず、靴は小さすぎるし踏んだり蹴ったりの状態でした。大自然の中、心細くひとり寝ているときには母(ローラ ダーン)との思い出や荒れていた自身の生活が夢に現れるのでした。食料が尽きて農家に助けてもらったり、元夫から要所要所で救援物資が届いたりすることでなんとか一日一日を歩いて行く事ができるのでした。そして最終地点「神の橋」までたどり着いた彼女が見たのは新しい自分でした。
 母親が好きだったサイモンとガーファンクルの名曲「コンドルは飛んで行く」が全編にわたって流れ、懐かしさを観客にも届けています。
 タバコは、シガレットだけでなく、ドラッグやヘロインまで出てきます。荒れている生活の象徴なのでしょうか。(☓)

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国際市場で逢いましょう

2015-09-14 | 2015以前の映画評


「国際市場で逢いましょう」 ユン ジェギュン監督 韓国 ☓ ☆☆☆

 朝鮮戦争から始まる韓国現代史を一つの家族の視線で描いた大河ドラマです。
 1950年興南に中国軍が侵略し、アメリカ軍は撤退します。攻撃から逃れる途中、父親は長男のドクス(10歳位)に「私がいない時はお前が家長だ。家族をたのむ。」と告げたあと父と幼い妹を見失ってしまいます。ドクスと母親妹弟の一家は釜山の国際市場に店を持つ親戚の家に身を寄せ新生活を始めます。家長となった少年は靴磨き、青年になってからはドイツの鉱山への出稼ぎ、その次はベトナム戦争へと常にお金になる仕事を求め一家のために働きます。ドイツに居るときに看護婦として出稼ぎに来ていた女性と結婚し、子どもにも恵まれしあわせな家庭を築きますが、一方生き別れた父と妹を探し、テレビの尋ね人番組に出演したりするのでした。はたして再会することはできるのでしょうか。
 年老いても頑固者で、あちこちで揉め事を起こしますが、一つ一つに彼の人生が反映されていて韓国の人々が体験してきた歴史を思いおこさせます。
 優れたCG映像や時代の象徴となる出来事を織り交ぜ臨場感と人間味あふれたドラマです。(☆☆☆)
 日本では現在、戦争法案が国会で審議されていますが、もし日本に憲法9条がなかったら日本人も韓国人のようにベトナムで戦わされていたのかと思うと、9条の偉大さを再認識させる作品です。
 このような秀作を時期をずらして上映してくれるアミュー厚木は映画ファンにとってありがたい劇場です。

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リトル フォレスト 冬春

2015-09-12 | 2015以前の映画評


「リトル フォレスト 冬春」 森淳一監督  (☓)

 61番、夏秋編の続きです。
 同じような展開で季節は流れていきます。ちょっとした会話の中に人間関係が描かれ多少複雑になってきてもいます。一人で自給生活をしながらも「これでいいのか」と今一つ踏ん切りが付かないいち子(橋本愛)です。内容の方は同じように料理や食材の紹介です。料理の紹介は役に立つのですが、全てがきれいで生活臭が伝わってきませんでした。もう一工夫必要といったところです。
 そして、里山生活に迷っていたいち子は山を出てしまい、どうなることかとおもいきや一気に5年後となります。そこで物語は大きく進み、いち子は山に戻りそして伝統の神楽の舞手となっていたのでした。めでたしめでたしということでしょうか。
 橋本が今作では農作業だけでなく、ラストの神楽にも挑戦し、見事に演じていました。料理のお手並みもなかなかでしたがこちらの方はもっと大変だったのではないかと思います。タバコが出てこなければ無煙映画賞の主演女優賞を挙げたいところでしたが、残念なことにこちらの作品でも母親が出て行く同じ場面で喫煙シーンが繰り返され(☓)でした。
 なお、料理には地域の伝統や季節の食材を取り入れているものの、調味料に全くこだわりがなく砂糖は白い砂糖しか使わないし、塩に至ってはJTの最も安い塩しか使わず、醤油やみりんなどもペットボトル入りのいかにもスーパーの目玉商品という安物でした。環境とか資源保護といったことには踏み込んでいないのは大変残念でした。ついでに調理器具がいつも新品のようにきれいなのは不自然でした。


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リトル フォレスト 夏秋」

2015-09-12 | 2015以前の映画評


「リトル フォレスト 夏秋」 森淳一監督 ☓

  岩手県の里山でわけあって一人暮らしをしている若い女性いち子(橋本愛)の生活を折々の料理を中心に描いたドラメンタリー(ドラマ+ドキュメンタリー風)映画です。タイトルは「小森」という地名から「リトル フォレスト」かな。
 季節は夏から始まります。田んぼの草取り、畑の夏野菜の収穫、暑さや湿度を利用したパン作りや自家製ソースなどの紹介が、今は家を出ている母親との思い出をおりまぜながら紹介しています。分校の後輩ユウタ(三浦貴大)、幼い頃からの友達きっこ、近所の人々との何気ないやりとりの中でいち子の日常を描きます。
 秋編も一緒に上映され、稲の収穫や山の恵み、それを使ったちょっとした一品が次々出てきます。
 半自給生活ですが、かなり購入している食材も多く、現金収入については日雇いのアルバイト風景もあり、一応現実世界も描いてはいます。薪割りやチェーンソーなども橋本はこなしていて「肉体派」に変身かな。ただ、もう少し腰の入って演技が必要でしょうね。
 タバコは、母親が家をでるときに喫煙していました。思い悩むときにはタバコ、という常套手法です。(☓)

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S エス -最後の警官― 奪還

2015-09-08 | 2015以前の映画評


「S エス -最後の警官― 奪還」 平野俊一監督 ◯(ですが・・・)

 テレビドラマの劇場版です。自衛隊などが製作に参加した軍事ものです。
 因縁のあるテロリストからスクールバスジャックとプルトニウムの輸送船を乗っ取られるという2つの事件を起こされます。それに対して新設された「S」こと「警察庁特殊急襲捜査班 NPS」と「SAT警視庁特殊部隊」「SST 海上保安庁特殊警備隊」と「S」のメンバーが対立したり協力したりしながら戦うという物語です。
 全編にわたっておおげさにわめいたり、怒鳴ったりの演出が目立つ一方、いきなりメロドラマ風のバックミュージックに変わって緊急時だというのにのんびりメロドラマを演じたり、まったくちぐはぐな内容です。制作の意図とは真逆かもしれませんが「こういう人たちにはとてもじゃないけど日本の安全は守れない。軍事力よりも言葉による冷静沈着な大人の外交交渉こそが国家の安全には不可欠で国民はそれができる人を選びましょう。」というメッセージとしてはよくできているかもしれません。
 また、相変わらず、21世紀だというのに「男は家族より仕事」「女は子供と家庭を守る。」という古臭い修身の教科書のような展開には笑えました。そんな中、「活躍している女性、科学捜査担当の土屋アンナ」は妙な舌足らずなしゃべり方でどう観ても知性の欠片もなくやっぱり女はこの程度、という印象でしかありません。唯一の救いは看護師の吹石一恵が彼女の方からプロポーズをしたことだけでした。
 タバコは、作品中にはなし。(テロリスト集団の部屋で紫煙が見えましたがタバコとは確認できず)エンドロールでかつての映像が流れその中にタバコをくわえた大森南朋の写真がありました。結果、一応◯です。大森南朋の顔色が悪いのと頬がこけてきましたが、健康上なにか問題があるのでしょうか。心配です。


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ロマンス

2015-09-08 | 2015以前の映画評


「ロマンス」 タナダユキ監督 ☓☓

 ロマンスカーのアテンダントがふとしたはずみで見知らぬおっさんと一日を過ごす物語です。箱根町の観光名所が紹介されています。
 車内販売員の鉢子(大島優子)はまじめに仕事はしていますが、今ひとつ充実感のない日常を送っていました。そんな時、高校卒業以来音信不通だった母親から手紙が届きます。気が重いまま車内販売をしていた時に万引きをした不審な男桜庭(大倉孝二)と出会います。強引な桜庭に引っ張られるようにふたりは母親を探して箱根を巡ることになるのでした。
 身長差30センチ以上ありそうな凸凹コンビはそれだけでも結構絵になる上に、映画プロデューサーというだけのことはあり大倉の話になかなかうんちくがあり、大島との掛け合いも絶妙の間合いでした。ふたりとも美男美女ではないだけにそれが一層物語を現実的にしました。母親と娘の関係というのはいつまでも引きずってしまうものなのですね。タナダユキの脚本が良く出来ていました。
 タバコは、子どもの頃の場面で母親が子役の前で喫煙(☓)。ホテルのカフェで子連れの母親が喫煙(☓)。そのほか鉢子の部屋のテーブルには吸い殻が入った灰皿とタバコがありました。彼氏が喫煙者という設定でしょうか。小遣い銭をせびる窪田正孝が寝ているだけでしたがいい演技でした。


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アンフェア the end

2015-09-08 | 2015以前の映画評


「アンフェア the end  」 佐藤嗣麻子監督 ☓☓☓ PPタバコ、ライター

 女性刑事雪平夏見(篠原涼子)が活躍する刑事物で、2006年からテレビドラマとして始まり劇場版としても3作目で今作が最終回です。
 有能な刑事だった父親が警察内部の不正隠蔽のために殺害され、その真相を探るため刑事になった雪平ですが、大きな代償を伴いながらも(過去の作品)機密情報を手に入れました。その矢先元検事総長父子が殺害されます。その容疑者として逮捕された津島直紀(永山絢斗)は雪平だけに真相を明かすと言うのですが・・・
 いつものように誰が敵か味方かわからずその位置づけも入れ替わったりし、最後まで読めないストーリーは面白くできています。警察も検察も全ては闇に包まれていて、「アンフェア」であることは真実であることは間違いありません。最後の作品ということで篠原がシャワーシーンをスペシャルサービスしています。
 タバコは、こちらも最後の作品というとこからか、刑事役の寺島進が室内の職場で勤務中に喫煙し(☓☓)、常にライター(PP)をカチャカチャさせていました。ちなみにこのライターのお陰で命拾いをする場面がありますが、(なお、この場面は喫煙するために外にいたので狙われたという設定になっています。)一般的にはタバコを吸って命を落とす確率のほうがずっと高いです。禁煙したほうが現実的です。また、味方かと思われた男が悪役になった途端スパスパ喫煙(☓)するのは何なんでしょうね。こちらはマイナスイメージということでしょうか。



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