無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

X-ミッション

2016-02-28 | 2016外国語映画評


「X-ミッション」 PG12 エリクソン コア監督 米 ☓

 1991年の名作「ハートブルー」をリメイクしました。モトクロス、サーフィン、スノーボードなどのトップアスリートがその妙技を披露しています。
 モトクロスライダーのユタ(ルーク プレイシ-)は撮影中に無理をしたため親友を亡くします。その後、高校と大学、大学院を卒業し人生をやり直し、FBIの捜査官となります。その頃、バイクやパラグライダーなどを駆使した窃盗団が現れ、盗んだものを貧しい人々にばらまくという目的がよくわからない犯罪が次々と起こります。ユタはその異色の経歴を活かし潜入捜査官としてそのグループに近づきます。彼らの真の目的とは、そして次に起きる犯罪グループの挑戦とは一体何なのでしょうか。ユタは次の犯罪を食い止めることができるのでしょうか。
 環境問題と精神性などが犯罪の目的というかなり哲学的なアクション映画です。深い辻褄にはあまりこだわらずトップアスリートの離れ業をスクリーンで堪能すれば十分なのではないでしょうか。
 この手の作品を見るたびに、アスリートも確かにすごいのですがそれを撮影しているチームを観てみたいとも思います。
 タバコは、FBIのベテラン捜査官が喫煙者(☓)。犯罪チームのリーダーもタバコ状のものを喫煙していました。(☓)どちらもちょっとまずいのではないかと思います。ただ、WHOの勧告を先取りし、
「タバコ会社からは何も受け取っていません。」の表示はありました。


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ピンクとグレー

2016-02-23 | 2016日本語映画評


「ピンクとグレー」 行定勲監督 ☓☓☓☓☓ PP(ライター・マルボロ・自販機)

 アイドルグループ「NEWS」(ジャニーズ事務所)のメンバー加藤シゲアキが書いた芸能界ネタの小説を同じくジャニーズ事務所の「Hey!Say!JUMP」のメンバー中島裕翔を主役にして映画化しました。「62分後の衝撃」という“ある仕掛け”が見どころです。
売れっ子の俳優「白木蓮吾」が自殺し、幼い頃からの親友の河田大貴(菅田将暉)が発見します。河田宛の遺書があり、「6通の遺書から1通を選んでほしい」と書かれていました。その後「第一発見者」の河田は時の人となりエキストラからスターの地位を手に入れます。しかし、親友の死によってえた偽りの名声が次第に河田の精神を脅かすのでした。そして62分後真実の物語が始まるのでした。
 前半の62分は面白かったけれど、その後の話はいまひとつ共感できない内容でした。芸能界は表向きは華やかなピンクですが内実は薄汚いグレーな世界ということでしょうか。
 タバコは最近まれに見る「完璧なタバコ宣伝映画」です。主役の二人ともう一人の主役そして間にいる女性サリー(夏帆)が喫煙します。(☓☓☓☓)その上、二人仲良くタバコをわけあったあり、自分が吸ったタバコを相手に渡したり、タバコシーンが多すぎです。また、ライター2種がアップで映されたり、タバコ自販機の前でやり取りが続いたり、えげつなく宣伝している作品です。ジャニーズ事務所は以前から所属のタレントに平気で喫煙させていますが、若者を使い捨てにする悪徳企業ですね。
 映倫区分が「G」なのはちょっと納得出来ない部分があります。


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人魚に会える日

2016-02-22 | 2016日本語映画評


「人魚に会える日」 仲村颯悟(なかむら りゅうご)監督 ☓☓ PPマルボロ

 沖縄出身で現在は県外の大学に通う監督が、外に出たからこそ見えてきた故郷の問題を映画にしました。
 高校生のユメ(儀間果南)はうまれたときから米軍基地があることが当たり前の生活をしていました。クラスメートのひとりが不登校になったことがきっかけで、友人とジュゴンを探しに基地が移設される予定の海へ行きます。そこで古くからの「誰かの幸せにために生け贄として犠牲になる若い女」の話を聞きます。一方、クラスの担任も友人の記者とカメラマンとともにジュゴンを撮影しようとでかけますが、奇妙なことが起きるのでした。沖縄は日本の生け贄なのでしょうか。
 沖縄の基地問題に関してのさまざまな考えが織り込まれ結局のところ「どうしたらいいのかわからない。」ということなのでしょうか。監督の思いはわかりますが、映画に関してはまだまだ実践的なお勉強が必要です。映画の撮影で本物のソフトクリームを使えるわけがないのは常識です。
 タバコは、沖縄では普通なのかもしれませんが高校の教師が校庭外で何度か喫煙しました。(☓☓)アルコールにも甘いけど喫煙にも甘いですね。平均寿命が短くなるのは当たり前ですね。


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パリ三区の遺産相続人

2016-02-21 | 2016外国語映画評


「パリ三区の遺産相続人」 イスラエル ホロヴィッツ監督 英仏米 ◯

 父親が亡くなってパリ三区のアパートを相続し、パリにやって来た主人公がある母娘と出会ったことが人生を見つめなおすきっかけとなるのでした。
 マティアス(ケビン クライン)は相続したアパートをさっさと売り飛ばして小金を手にしようとニューヨークからパリにやってきましたが、その部屋にはマティルド(マギー スミス)とクロエ(クリスティン スコット トーマス)の母娘が住んでいました。その上そのアパートは「ヴィアジェ」という高齢者と不動産を結ぶ独特のシステムが取られていて、簡単に売ることはできなかったのです。そしてマティルドとマティアスの父親との関係や、クロエとクロエの父親との関係などが明らかになるにつれマティスはやけを起こします。一方マティアスの母親が夫のマティルドとの不倫が原因で自殺したことを知り、母娘は苦しむのでした。彼らに幸せな解決の道はあるのでしょうか。
 ちょっと複雑な家族をテーマにした重い内容でもありますが、サラリと描いています。内容も良かったのですが、エンドロールの途中にも物語があり、なんと最後の最後にも映画を愛する監督ならではのお楽しみがあります。エンドロールの途中で席を立つ観客に対して、「そんなことするのはマナー違反です。」と間接的に警告しているのでしょうね。
 タバコは、なし。無煙です。


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中島みゆき 夜会 Vol.18 橋の下のアルカディア 劇場版

2016-02-20 | 2016日本語映画評


「中島みゆき 夜会 Vol.18 橋の下のアルカディア 劇場版」音楽監督 瀬尾一三 ◯ ☆☆
 
 「中島みゆき 劇場版 第6弾」で、今作は「夜会」の中でもセリフはほとんどなく物語のすべてを46曲の歌で語りました。共演者は、中村中と石田匠です。
 取り壊されることが決まっている古い地下街に占い師(中島みゆき)とバーのママ(中村中)とガードマンの男(石田匠)が住んでいました。その地下街は戦争中には防空壕で、もっと昔には暴れ川でした。暴れ川を治めるために、人柱として一人の女(中島みゆき)が選ばれます。その夫は後を追って川に飛び込むのでした。女の愛猫(中村中)は「人間だったら助けられたのに」と苦しみます。
 中島みゆきがデビュー作「時代」以来ずっと追求されているテーマの一つ「生まれ変わって再び出会える」がこの作品でも大きなテーマとなっています。3人のやり取りの重要な場面をカメラが確実に捉え映してくれるので表情もよく見えます。舞台設定の細かな部分もよくわかり劇場版ならではの醍醐味を味わえる演出となっています。
 また、今回は沖縄県那覇市の桜坂劇場で「事前学習会」が開催され、評論家田家秀樹さんの解説を聞いていたのでよりわかりやすく楽しめました。「驚きのラスト」と評したラストが本当にすごかったです。
 ついでにもう一つ、ネコ好きの人には、ネコ役の中村中さんが「人間だったら」を歌う場面はきっと泣けますよ。筆者はネコがテーマの「ペルシャ」が好きです。
 タバコは、なし。無煙です。中島みゆきさんにはいつまでも元気に歌い続けて欲しいですね。関係者の皆さんも彼女の周囲では喫煙しないでください。


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フランス組曲

2016-02-18 | 2016外国語映画評


「フランス組曲」 PG12 ソウル ディブ監督 英仏ベルギー ☓☓ !

 アウシュヴィッツに散った小説家イレーヌ ネミロフスキーが書いた原作が2004年に娘の手で発見さます。そして出版されるや大ベストセラーとなりました。その映画化です。
 1940年6月、ドイツ支配下のフランスの田舎町が舞台です。戦地に赴いた夫を待つリュシル(ミシェル ウィリアムス)は厳格な義母アンジェリエ夫人(クリスティン スコット トーマス)と町で一番の屋敷に暮らしていました。そこへドイツ軍が駐留し、屋敷にはブルーノ中尉(マティアス スーナールツ)が滞在することになりました。敵の兵士ではありますが、シュリルのピアノを巧みに演奏する姿はシュリルの心を慰めます。そんな折、小作人のひとりがドイツ兵を殺してしまいます。町中を破壊するかのような犯人探しが行われ、それをきっかけにシュリルの人生も変わっていくのでした。
 厳しい取り立てで小作人から嫌われていたアンジェリエ夫人がいざというときには大胆にも犯人の小作人を匿うところがあっぱれです。それぞれが目の動きだけで演技をする困難な役柄を好演し、戦時下の大メロドラマに仕上げました。戦争さえなければとおもうのですが・・・。
 タバコは、フランス人もドイツ兵も吸っていました。(☓☓)葉巻を賄賂にする場面もありました。また、ドイツ兵を殺し匿われている男が平気でタバコを吸ったために、その「タバコの臭い」が原因で悲劇が起きます。ただ、喫煙者の兵士たちが、それほど敏感な嗅覚を持っているのかはちょっと疑問ですが。どんな状況になってもタバコを吸わなければいられないニコチン常習者は別の意味でも命がけということですね。


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Orangeオレンジ

2016-02-17 | 2016日本語映画評


「Orangeオレンジ」 橋本光二郎監督 ◯
 
 高野苺の人気コミックを実写映画化しました。
 高校生の菜穂(土屋太鳳)のもとに10年後の自分から手紙が届きます。翔(かける・山崎賢人)が転校してくることやその後の幾つかのできごととともに「後悔しないようにしてほしい」と翔についての注意事項が書かれていました。はじめは不審に思っていましたが書かれていることと全く同じ出来事が起きることで内容を信じるようになります。一方、物理の授業では「タイムマシンやパラレルワールド」について学びます。「未来は変えられる」と菜穂は翔を仲間5人で守るのですが・・・。
 早い段階で10年後の姿がわかってしまい、結局のところ未来は変わらないのではないかと思われます。しかし、「一瞬一瞬を大切に生きよう」とか「友達のことを真剣に考えよう」というメッセージは同世代の子どもたちには感動的かもしれません。16歳と26歳を同じ俳優が演じることで多少無理もありますし、パラレルワールドのもう一方はどうなったの?など辻褄が微妙なところもあります。最も疑問なのはこの作品がどうして観客動員が多いのかということです。主人公二人にそれほど魅力もないし演技力もイマイチなのに・・・。
 タバコは、なし。無煙です。高校生が主役の作品が無煙で、その作品が人気があるということだけは評価したいと思います。


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料理人 ガストン アクリオ

2016-02-16 | 2016外国語映画評


「料理人 ガストン アクリオ」 パトリシア ペレズ監督 ペルー米 ◯ ☆
  
 ペルーを代表するシェフのガストンが「食や料理は、国のアイデンティティの最も重要な要素である。」ということを信条にペルーの料理を発信し続けている姿を追ったドキュメンタリーです。
 子供の頃から料理が好きだったガストンは両親の期待を裏切りシェフの道を進みます。そして料理こそが人々に希望を与えると、貧しい子どもたちのための料理学校を作ります。また生産者や漁師達がいるからこそ料理ができる、と田舎の生産者を大切にします。富裕層だけでなくすべての人々に愛を持って接しようと努力するのでした。
 ペルーにはさまざまな人種の人が暮らし、それぞれの特徴ある食材や料理法、そして中華や和食などの味わいも加えられ現在のペルー料理を発展させています。「料理は国と人々の生活を変えることができる最高の武器」と自ら実践している姿は感動的です。特に先住民が育てているキヌアやジャガイモ、トウガラシなどを尊重し子どもへの教育にも熱心で、国民に希望と誇りを与えています。
 多くの調理担当者に観てほしい作品です。(☆)唯一気になったのは、ガストンがボサボサ髪をそのままで料理していることです。他のスタッフ同様きちんと覆って欲しかったです。
 タバコは、なし。当然といえば当然のことですが。日本ではレストランの禁煙化が進まないことと同様、調理員の喫煙が多いのも他の国から見れば奇妙なことでしょうね。


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スティーブ ジョブズ

2016-02-15 | 2016外国語映画評


「スティーブ ジョブズ」 ダニー ボイル監督 米 ◯
 
 聴衆の心をワシづかみにする伝説のプレゼンテーションで有名なスティーブ ジョブズ(マイケル ファスベンダー)が新機種の発表会のたびに、開始ギリギリまで幾つものトラブルに見舞われる様子を15年にわたって描きました。
 最初は1984年、Macintosh発表の直前肝心なパソコンが思うように動きません。その上、認知をしないでスキャンダルになっている娘リサが元恋人と生活費の工面のためにやってきて大混乱します。また、仲間もあれこれ要求を出してきます。一つ一つの問題を部下のジョアンナ(ケイト ウィンスレット)の手助けや助言を受けながら片付けていきます。そんなことが毎回繰り返されるのでした。
 1本の映画の中で最も多くの言葉が喋られたのではないかというくらいの「しゃべくり劇」です。場面は常に楽屋か舞台裏でそういう意味ではあまりお金を使わずにできた作品でもあります。ただ、その分出演者たちはセリフを覚えるのが大変だったろうと思います。
 天才といえども結局は家族の愛が一番大切だということです。
 タバコは、なし。無煙です。(◯)


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ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります

2016-02-13 | 2016外国語映画評


「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」 リチャード ロンクレイン監督 米 ●

 40年住みなれた部屋を売りに出した夫婦が人生のリノベーションを決意します。うまくいくのでしょうか。
 画家の夫アレックス(モーガン フリーマン)と元教師の妻ルース(ダイアン キートン)はアトリエと屋上に菜園もある部屋に40年住んでいます。快適な住居ですが、エレベーターがなく5階まで登るのはアレックスにとっても愛犬のドロシーにとっても辛くなってきました。妻のルースは姪でやり手の不動産屋ミランダ(シンシア ニクソン)に連絡し、早速売り出すことが決まりすぐに内覧会となります。ちょうどその頃愛犬が緊急入院し、その上近所ではテロ騒ぎまで起こります。また一方で買い手のオファーが次々入ります。その上新居も探さなくてはならず、二人は振り回されるのでした。
 部屋を売る買うという本題だけでなく、小さな事件なのにマスコミが大騒ぎをして大事件にしてしまう無謀さを自分たち二人の問題とすりあわせたり、内覧会に訪れるちょっとおかしな人々を紹介したり、老犬の病気に対してどこまでお金がかけられるかといった現実的な問題を絡ませ話に厚みを持たせました。個人的にはミランダ役の「よく喋る不動産屋」が印象的でした。
 タバコは、内覧会の時には「灰皿があってはいけない」「今時灰皿なんて誰も作ってない。」などのセリフがありました。実際に喫煙シーンはありませんでしたが、アレックスの描いたネイティブの男性の肖像画がタバコそれもフィルター付きの今のタバコをくわえていて、その絵がたびたびバックに映っていました。「WHOの勧告」には「絵の中のタバコ」までは規制していないのでこれからこういう手法が増えてきそうです。(●)

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