「シン・ゴジラ」 庵野秀明監督 ◯
かつてのゴジラシリーズからは独立した作品でその意味では「新ゴジラ」です。
東京湾から新生物(後にゴジラと命名)が上陸し暴れます。内閣総理大臣を筆頭に対策を練りますが、人間の思惑をあざ笑うかのようにゴジラは時とともに進化していきます。科学者たちはゴジラが放射性廃棄物を餌にして成長し、放射能を拡散していることを掴みます。防衛大臣(余貴美子)の進言のもと自衛隊の最新兵器が投入されます。しかし、どのような攻撃にもびくともせず都内の破壊が進みいよいよ霞が関も危なくなるのでした。
完全CGのゴジラの登場でその意味でも「新ゴジラ」です。モデルは野村萬斎ということでさすがに動きが神がかっていました。そういう意味では「神ゴジラ」です。ゴジラ自体は期待を裏切らなかったのですが、対応する人間たちは登場人物が多すぎて把握しきれず、科学的な話にはあのテンポでは一般人はついていけず、後半のオリガミ論はさっぱりわかりませんでした。ただ、放射能を原因にしたことはどう考えても福島原発が結びつき、特にラストのゴジラ像は人の屍のようで、その点だけは評価できます。その意味では「SIN(罪)ゴジラ」と解釈できます。期待程ではなかったのですが、ハリウッド版よりは良く出来ていました。
タバコは、なし。無煙です。ピエール瀧が自衛隊員で登場している場面では「いつタバコを出すか」そればかり気になりましたが、今作ではタバコを吸いませんでした。(◯)