無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

新宿武蔵野館

2017-07-28 | 映画関連情報など
残念な新宿武蔵野館リニューアル

 先日久しぶりに新宿武蔵野館へ行きました。リニューアルし発券機が整備されたり座席が新しくなったりしていました。ところで臭かった喫煙室はどうなったのかと確認したところなんとまだありました。それも開場まで待つための椅子席の奥にあり喫煙者が出入りするたびに煙がもれてきそうで椅子に座ることもできません。しかたがないので喫煙所から遠く離れたトイレ近くで立って待っているしかありませんでした。こちらには椅子はないのです。
 2020年までにタバコ対策を国際水準にしようと厚労省や東京都が取り組んでいる時代に折角リニューアルしたのに昭和のままというのは残念としか言いようがありません。清掃スタッフの受動喫煙被害をどう考えているのか、経営者として失格です。
 また、座席もシートはきれいに快適になりましたが、もともと高低差がないため前に身長の高い人が来ると見えにくかったのですが、この点もほとんど改良されて無く(前後の椅子の左右をずらすということはしている)、この映画館のスタッフは自分の映画館を利用したことがないのではないだろうかと思うほどでした。シネコンではこういう点がしっかりしていて困ったことはありません。
 武蔵野館は上映作品にはこだわりがありますが、快適に映画を楽しむというこだわりは全く無いようです。映画を愛する経営者ならお金ももっと工夫して使ってほしいものです

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彼女の人生は間違いじゃない

2017-07-26 | 2017日本語映画評


「彼女の人生は間違いじゃない」 R15+ 廣木隆一監督 ☓ ☆

 原発事故が原因で仮設住宅に暮らし、妻を津波で亡くした父親と娘がさまざまな問題を抱えながらもなんとか生きていこうとする姿を描きました。福島出身の監督が書いた小説が原作です。
 父親の修(光石研)は朝起きるとすぐにタバコに火を付け、夜は酒が手放せず、昼間はパチンコ通いという荒れた生活を送っています。娘のみゆき(瀧内公美)は父親を咎めます。しかし、彼女自身も平日は市役所に務め、週末は「英会話教室に通う。」と嘘をついて渋谷でデリヘル嬢をしていました。働きたくても農業しか経験がない父親や海に出られない漁師はパチンコ屋でうさを晴らすしかありません。仮設には夫が原発作業員のため辛い思いをしている妻もいます。
 それでも人々は小さなことに希望を見出して生きていこうとするのでした。
 東京へ向かう高速バスの車窓から見える延々と続く送電線が田舎から都会の快適な生活のためにエネルギーを送り届けているのと同じように、バスに乗って田舎から都会へデリヘルという快楽を提供しに行く主人公の姿が重なります。私たちは地方を犠牲にして、もしくは踏み台にして繁栄を築いていたのでしょうか。光石研、高良健吾、柄本時生らの名演技と地味な脇役の面々もそれぞれ名演怪演しています。心にヒリヒリと突き刺さるような場面やセリフで私たちにいやおう無く深い内省を促される作品です。(☆)残念なのはR指定されていることです。
 タバコは、冒頭で光石研が1回喫煙します。(☓)酒タバコギャンブル3大依存症というキャラクター設定だと思います。イメージとしてはかなりマイナスイメージでした。
 無煙映画賞は無理ですが、一般の映画賞の候補には必ず入る秀作です。


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メアリと魔女の花

2017-07-12 | 2017日本語映画評


「メアリと魔女の花」 米林宏昌監督 ◯

 米林宏昌監督がスタジオジブリを退社後独立し、イギリスのメアリー スチュワート原作の児童文学をアニメにしました。
 赤毛が気に入らない少女メアリは大叔母の元へ越してきました。そして、森の中で見たこともない花を見つけます。それは「夜間飛行」という珍しい花でした。美しい花でしたがその花にはある秘密が隠されていたのです。そして彼女はある霧が深い夕暮れ、大叔母や近所のピーターが止めるのも聞かず黒猫に導かれるままこっそり森深く入ってしまいます。そこではメアリは花のお陰で優秀な魔女として魔法大学の校長やドクターに歓迎されるのでした。しかし、実はその大学では魔法を使ってとんでもない実験をしていたのでした。
 いきなり冒頭部分でハラハラドキドキさせる展開が大変うまい演出です。主人公は少女ですが大人でも十分共感できる内容となっています。「この世界の片隅に」効果で「アニメは子どものもの」という呪縛がすっかり取り払われた感があります。特にこの作品では「制御できないものを持つことの恐ろしさ」(現在社会では例えば原発とか、大量破壊兵器とかでしょうか)がテーマになっています。特にある場面である物が溶け出していくさまはまるでメルトダウンを見ているようでした。こういうシーンはアニメだからこそできる映像でしょう。
 精神的に成長したメアリが気に入らなかった赤毛を受け入れるラストがいいです。
 タバコは、なし。無煙です。
 


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パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊

2017-07-07 | 2017外国語映画評


「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」 
   ヨアヒム ローニング、エスペン サンドベリ監督  米 ◯ ☆

 おなじみのちょっとおちゃめな海賊ジャック スパロウ(ジョニー デップ)がマヌケなことをしながらもなんとか問題を解決してしまう海洋アドベンチャー映画です。
 海賊なのに陸の上で銀行強盗を企んで公衆の面前に姿を現したジャックは英国軍に寄って捉えられます。ジャックへの復讐に燃える海の亡霊サラザール(ハビエル バルデム)やジャックに憧れている若者ヘンリー(プレントン スウェイツ)や魔女裁判にかけられていた女性の天文学者カリーナ(カヤ スコデラーリオ)を巻き込んで呪いが解けるという「幻の槍」を求め、英国軍に追われながらも大海に出るのでした。
 冒頭のいわゆる「つかみ」部分が最高です。心弾む音楽(ジェフ ザネリ)とディズニーのあのロゴマークさえ海賊バージョンに変えてしまう演出は一気に「パイレーツ・オブ・カリビアン」の世界に観客を引き込みます。その後は息もつかせず怒涛の名場面の洪水で「娯楽映画ここにあり」といった感じです。(☆)時間の都合で吹き替え版を見たのですが、ポール マッカトニーの歌は吹き替えしないでやっていただきたかった。それだけが心残りです。
 エンドロールが終わった後にも映像が始まりますから場内が明るくなるまで席を立たないように。
 タバコは、なし。無煙です。


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忍びの国

2017-07-05 | 2017日本語映画評


「忍びの国」 中村義洋監督 ◯

 侍対忍者の「天正伊賀の乱」を題材にした和田竜原作の小説を映画化しました。
 織田信長が勢力を拡大していた時代伊賀国だけは織田に屈していませんでした。とうとう隣国の伊勢を信長の息子(知念侑李)が支配し、いよいよ伊賀へと矛先を向けようとしていました。一方伊賀では伊賀者同士の小競り合いで無門(大野智)によって弟を見殺しにした父親に歯向かって平兵衛(鈴木亮平)は織田軍に伊賀を攻めるよう説得し織田軍として伊賀と対峙します。
 実際に大軍が押し寄せると伊賀では「金にならない仕事はしない」と無門を筆頭にみんな逃げてしまうのでした。
 伊賀一の忍者である無門ですが一目惚れしてさらってきた愛妻お国(石原さとみ)には頭が上がらないやりとりが現代的で楽しいです。
 それに対して、台詞がある女優がお国を含め数人しかいなかったのがちょっと残念です。
 タバコは、なし。無煙です。口にキセルのようなものを咥えていましたが実は忍者の◯◯でした。


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兄に愛されすぎて困っています

2017-07-04 | 2017日本語映画評


「兄に愛されすぎて困っています」 河合勇人監督 ◯

 夜神里奈原作の少女コミックの実写映画版ラブコメディです。
 女子高生の橘せとか(土屋太鳳)は今まで10人以上に振られ続けていましたが、最近は急に「モテキ」となり近所に住む初恋の高嶺(千葉雄大)や今まで相手にしてくれなかったイケメンたちが急にせとかに接近してくるのでした。子どもの頃からずっと見守ってきた兄のはるか(片寄涼太)は気が気ではありません。せとかとはるかは兄妹として育てられましたが実はせとかは養子だったのです。二人の関係はどうなるのでしょうか。
 少女コミックの世界ですからドロドロしたものは何もなく、近親相姦の危うさや本当の親は誰なのかといった一般的な諸問題は完全にスルーしています。同じ状況で全く違う暗く陰湿なドラマも可能でそちらのほうがきっと現実的かもしれませんが、「少女コミックの世界」ですからまあ良しとしますか。
 せっかくエグザイルのメンバーを起用するならちょっとでもいいからダンスシーンを入れてほしかったです。土屋太鳳とのダンス名場面をいれてほしかったです。
 タバコは、なし。無煙です。


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