無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

おっさんずラブ

2019-08-29 | 2019日本語映画


「おっさんずラブ」 瑠東東一郎(りとう とういちろう)監督 ○

 2018年、流行語大賞にも選ばれた同名のテレビドラマの劇場版です。
 天空不動産に勤める春田(田中圭)は1年ぶりに香港から古巣の第二営業所に戻りました。春田に気がある部長の黒澤(吉田鋼太郎)などの同僚から歓迎を受けます。しかし、職場には本社主導の新しい開発プロジェクトが発表されそのメンバーに牧が抜擢されてしまいます。リーダーである狸穴(沢村一樹)の強引なやり方に反発する第二営業所のメンバーですが、なかでも、春田は牧との同棲も解消されその原因には狸穴が関係しているのではないかと勘ぐります。一方新人のジャスティスこと山田正義(志尊淳 すそんじゅん)からは「春田さんてお兄さんみたい。」と甘えられてしまうのでした。おっさん、お兄さんたちの恋模様は一体どう展開するのでしょうか。
 「ラブ」とはいうものの中学生の初恋のような表現のみで色っぽい場面はほとんど無く健全なラブコメディです。前半は田中圭がテンションが高すぎる気がしましたが、後半の「家族とは?」「家族になるとは?」のセリフにたどり着くまでの助走と思えばまあいいかな。ラストのサプライズウエディングは予想外でした。みんな幸せになろうね。
 エンドロールのあとに大事な場面があります。くれぐれも最後まで席を立たないように。
 タバコは、なし。無煙です。吉田鋼太郎はタバコ露出が多い俳優ですが、貴重な人材なので健康で活躍してほしいですね。今作では喫煙せずとてもよかったです。今後も期待しています。


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ダンスウィズミー

2019-08-28 | 2019日本語映画


「ダンスウィズミー」 矢口史靖監督 ○

 「ウォーターボーイズ」(2001年)では男子のシンクロナイズドスイミングを描き、「スウィングガールズ」(2004年)では地方を舞台にスウィングジャズに熱中する女子高校生を描いた矢口監督が2018年に描くのは、音楽を聞くと踊らずにはいられないという催眠術をかけられた女性です。
 静香(三吉彩花)は子どもの頃のトラウマでミュージカルが大嫌いでした。ところが、ある時姪っ子と訪れた遊園地で怪しい催眠術師から「音楽を聞くと歌って踊らずにはいられない」という催眠術をかけられてしまいます。携帯の着メロや駅のアナウンスなどいたるところに音楽が溢れています。そのたびに踊りだして周囲をめちゃくちゃにしてしまい、有名企業の花形職員だった静香はいつのまにか無一文になってしまいます。そこで催眠術を解いてもらうため怪しい催眠術師を探す旅に出るのでした。
 その旅にある事情から同行することになった催眠術師の助手の千絵(やしろ優)との珍道中が物語の中心です。果たして催眠術は解けるのか、仕事に復帰することはできるのでしょうか。
 主役の三吉が精一杯のダンスと歌を披露してくれますが、彼女に余裕が感じられず緊張が伝わってきてしまいました。女子3人で歌う「年下の男の子」などはのびのびとして楽しかったのですがオリジナル曲には今ひとつ観客は乗り切れませんでした。「ウォーターボーイズ」では誰でも知っているスタンダード曲が流れ一緒に楽しめましたが、残念です。
 ただ、ヤンキー風の青年たちがケンカではなく、ダンスで勝負するという場面は平和的ですばらしかったです。「暴力をやめ、ダンスで勝負」なんて、かっこいいですね。
 タバコは、なし。無煙です。

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北の果ての小さな村で

2019-08-14 | 2018年無煙映画大賞


「北の果ての小さな村で」 サミュエル コラルデ監督 仏 ○

 グリーンランドの人口80人ほどの小さな村に教師として赴任したデンマーク人青年の成長物語をドキュメンタリー風に描きました。
 デンマーク人のアンダースは家業の農場を継ぐのがいやで教師の道を選び、グリーンランドのそれももっとも人が少ない村を希望します。しかし、いざ赴任してみると子どもたちはちっとも言うことを聞かず、デンマーク語を教えるための教師なのに親たちからも完全に無視されてしまいます。ある時、祖父と共に犬ぞりで猟に出る教え子の旅に同伴させてもらいます。その体験が真の教育とは何かを考えるきっかけとなり、アンダース自身がグリーンランド語を学ぶ事により村人たちに受けいれられるようにのでした。
 教室では落ち着かず集中しない子どもたちが猟に出ると祖父の振る舞いや教えを真剣な眼差しで自分のものにしようという姿が感動的です。
 また、想像を絶する過酷な自然環境の中、人生を謳歌している人々はアンダースだけでなく私たちに人生を問いかけます。
 もう一つの見どころは、過酷ではあるものの、フィヨルド、氷河、オーロラなどの雄大な自然です。
 名作ドキュメンタリー「極北のナヌーク」(1922年 米)の21世紀版ともいえます。また、黒澤明監督の「デルス・ウザーラ」にも通じるものがありました。
 グリーンランドはデンマーク領だったことも初めて知りました。ところで、デンマーク人の役人の女性は「グリーンランド語なんて覚えなくていい。」と言い切っていましたが、どうやって仕事をしていたのか気になってしまいました。
 タバコは、なし。無煙です。


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新聞記者

2019-08-13 | 2019日本語映画


「新聞記者」 藤井道人監督 ○ ☆☆☆
 
 東京新聞の記者望月衣塑子著のベストセラー「新聞記者」を基にしたオリジナルストーリーを韓国のシム ウンギョンと日本の松坂桃李のダブル主演で映画化しました。
 東都新聞の記者吉岡エリカのもとに医療系大学の新設に関する極秘資料が届きます。仕事に対して使命感の強いエリカは取材を始めます。一方、内閣調査資料室の官僚杉原(松坂桃李)は政権の意向に沿って国民をコントロールするような仕事に葛藤を感じていました。そんな折、杉原の外務省時代の上司神埼(高橋和也)と久しぶりに再会します。ところが、その数日後に神崎は自殺してしまうのでした。神崎の死は吉岡に届いた極秘資料と関係があるようでした。エリカの前は壁で立ちふさがれ、杉原にも家族を守らねばならないという思いと、それでは正義はどこへいってしまうのか、というそれぞれの思いとの格闘が始まるのでした。
 シム ウンギョンが日本の映画界でことばと習慣の壁を乗り越え大健闘しました。対する松坂にとっても「孤狼の血」などに比べてずっと演じやすい役柄だったのではないでしょうか。一方、悪役の田中哲司もすばらしい悪役ぶりでした。「この国の民主主義は形だけでいい!」名セリフです。
 それにしても、医療系学部の真の狙いは軍事利用にあるのではなど、原発の維持の真の目的が核兵器の保有にあるのではないかという点とも似て不気味な恐ろしさを感じる展開でした。
 タバコは、なし。無煙です。
 

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存在のない子供たち

2019-08-12 | 2019外国語映画


「存在のない子供たち」 PG12 ナディーン アバキイ監督 レバノン ☓☓☓ ☆☆

 レバノンの貧民街で出生届もない12歳の少年が必死に生きる様子を描いたドキュメンタリータッチの社会派ドラマです。
 映画は12歳の少年ゼインが両親を「自分を生んだ罪」で告発する場面から始まります。たくさんの子どもに囲まれ長男のゼインは必死に働きますが、両親は優しい言葉のひとつでもかけることもなくただ、罵るだけでした。そんな矢先11歳の妹が嫁に売られることを知ります。反発をするゼインにお構いなくことは進むのでした。それがきっかけとなってゼインは家を出ます。証明書がなにもないゼインに働く場はありません。空腹に耐えかねて声をかけた女性の家に行き彼女の赤ん坊の世話をすることになります。やっと居場所が見つかったのもつかの間今度はその彼女が不法労働で捕まってしまうのでした。赤ん坊と取り残されたゼインの過酷なサバイバルが始まるのでした。
 これでもかと押し寄せる問題の数々に観客はどうしてあげることもできず、ため息を付くことしかできません。赤ん坊が母恋しさにゼインの胸をまさぐる姿には泣けます。それにしてもなんという演技なのでしょうか?ゼインも赤ん坊も微妙な目の動かし方で気持ちが伝わってきてなんとかして手を差し伸べてあげたいと思わせる作品です。ラストのゼインの笑顔が救いです。
 タバコは、大人はもちろんのこと、子どもたちも喫煙します。ゼインも喫煙する場面が2度ほどありました。監督から吸わされているとしたならばこれも虐待ですが・・・。


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よこがお

2019-08-11 | 2019日本語映画


「よこがお」 深田晃司監督 ☓

 「淵に立つ」の監督と主役の筒井真理子が再びタッグを組んで不条理な現実を描きました。
 訪問看護師の市子(筒井真理子)は看護師として職場でも信頼されていました。訪問している大石家では長女の基子(市川実日子)に頼まれ介護福祉士の資格を取るための勉強を見てあげていました。基子は市子を姉のように慕っていましたが、次女のサキ(小川未祐)が失踪します。1週間ほどで無事保護されますが、犯人は市子の関係者でした。そこから、基子の奇妙な行動が始まります。はじめは市子を庇うかのように振る舞っていましたが、基子の願いが拒否されることで恐ろしい復讐劇が始まるのでした。
 善良なひとりの女性がひょんなことから奈落の底まで落とされてしまう人間関係のまさに不条理を筒井と市川がお互いに競演しました。タイトル通りピカソの絵を思わせる人間の二面性を描いています。
 タバコは、訪問看護先の対象者が喫煙者でタバコを吸うことも介助されていました。ヘルパーとかの仕事先での受動喫煙被害についても不条理な現実があることを知ってほしいものです。(☓)


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さらば愛しきアウトロー

2019-08-10 | 2019外国語映画


「さらば愛しきアウトロー」 デビット ロウリー監督 米 ☓NTS

 ハリウッドの名優ロバート レッドフォードが「引退作」と自称している作品です。80年代に活躍(?)した実在の紳士的な銀行強盗フォレスト タッカーを描きました。
 スーツにネクタイそして帽子とおしゃれに決めてその上ハンサムな紳士は暴力も銃も一応それらしきものは持っていますが殆ど使わず、にこやかに銀行の窓口などからお金をいただいています。警察も被害が金銭だけなので形だけの捜査をしているだけのようです。その上、仮に追いかけられても警察無線を傍受しているため上手に追跡を巻くこともできるのです。そんな折にタッカーはある女性(シシー スペイシク)と知り合います。一方刑事のジョン ハント(ケイシー アフレック)はいくつかの州で同じような被害が出ていることに着目し、タッカーを追い詰めるのですが・・・。
 80歳を過ぎてなおハンサムなレッドフォードのための作品と言えるでしょう。ファンのひとりとしては、馬に乗って去っていく・・・。という場面をラストにしてほしかったですね。
 なお、「明日に向かって撃て」もそうでしたが、こちらも邦題のほうが魅力的です。(原題 The Old Man & the Gun)
 タバコは、刑事のハントがタッカーの実の娘に会う場面で娘が喫煙しました。(☓)NTSです。


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旅のおわり、世界のはじまり

2019-08-09 | 2019日本語映画


「旅のおわり、世界のはじまり」 黒沢清監督 ウズベキスタン、カタール合作 ○

 レポーターの仕事でシルクロードを訪れた主人公が予定通りにはことが運ばない地でなんとか仕事をこなすことで自分自身の夢を再確認するのでした。
 レポーターの葉子(前田敦子)は異国の地でいきなり寝坊して撮影クルーから置いていかれます。なんとか追いついたものの番組の目玉の大魚は「水たまり」には現れず、別の企画を立ててなんとか撮影を続けます。踏んだり蹴ったりの現場で自分を見失いそうになったときある建物から美しい歌声が聞こえてくるのでした。そして自ら「愛の讃歌」を熱唱するのですが・・・。
 海外のレポート番組は現実にもいろいろ問題があったりしますが、何が起きても「金を出せばいいんでしょ。」と金で解決するディレクター役の染谷将太が「業界いるいる」風の名演技でした。クルーの間を取り持つ「パシリ」役の柄本時生、だまってカメラを回す職人肌の加瀬亮と現地コーディネーター役のアディス ラジャボスの生真面目さがそれぞれ競演していました。もちろん前田敦子はひとりで走り回って歌も歌って大活躍でした。特にあの遊園地の場面で、現地の人が「脳が壊れる」と心配するような回転遊具に何度も乗せられたことは仕事とはいえお気の毒でした。
 タバコは、葉子が迷子になって走る回るガード下で怪しい男たちが火のついたもの(多分タバコ)を持っていましたが、その他の場面では市場などでも喫煙している人は映らず無煙でした。


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