散文的で抒情的な、わたくしの意見

大河ドラマ、歴史小説、戦国時代のお話が中心です。

鎌倉幕府成立・1180年説は面白い

2019年09月10日 | 平山優
かなり「常識化」していると思いますが、「政権を指す幕府」なんて名称は江戸中期以前にはほぼ存在しません。幕府は将軍の御座所を指しましたが、政権そのものを指す用語ではありませんでした。

鎌倉時代、鎌倉幕府は「武家」「鎌倉殿」「関東」と呼ばれていたようです。

で、その成立はいつかというと、1180年から1192年説まで「色々」です。

教科書は1185年説を採用していますが、これを支持する学者は多くはないようです。

もっとも、各説、それぞれに根拠はあります。

その中で1180年説、これは面白い。源頼朝が挙兵した年です。鎌倉を根拠とした年でもある。当然行政文書も発行しています。小さな地方政権に過ぎない時代。これをあえて鎌倉幕府の成立年とするのは、初期鎌倉幕府を、朝廷から独立した東国政権とみなす場合です。

1185年は「朝廷が」、守護地頭を認めた年。

1192年は「朝廷が」、征夷大将軍に頼朝を任命した年。

主体が「朝廷」です。

でも日本史の多くの場面において、朝廷などさして力は持っていなかった。なんでもかんでも朝廷を軸として考えるのはおかしいのではないか。

そう考える人間にとっては1180年説は面白い考え方です。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿