比良山系の北東、「リトル比良」と呼ばれる600~700のmの山々が
連なる道を歩いてきました。
帰りの交通の便を考えて近江高島から畑行きのコミュニティバスに
乗車。バスはバッジを付けた登山姿のツァー団体で満員で、さぞ
賑やかになるだろうとうんざりしていましたが、「鹿ヶ瀬」で降りた
のは私たち二人だけ。やれやれと歩き出しました。
ところが登山口が分からず、しばらくウロウロして近くの民家の前
で立ち話していたオバサンに鵜川越への道を聞きますと…(09:37)
「この先やが、ヘビやアブがいるぞ。クマもイノシシも何が出るか
わからんゾ」と驚かされました。よほど軟弱な二人と思われたようです。
道標などはなく民家の横を入る感じで田圃の中を行くと、やがて川沿い
の細い道になります。
この沢を渡ったところからは、はっきりした山道になって赤テープの
目印も現れます。いったん右側の林道に合流してすぐまた林の中に
入ると、だんだん細くなる谷を何度か渡り返して次第に急な登りになり、
稜線上の鵜川越に出ました。(10:25)
汗はかきましたが、思ったよりいいペースで登れたので、このまま
休まずに岩阿沙利山まで行くことにしました。
標高差130mの登りは、ずっとユズリハの並木道を行きます。緑の若葉、
赤い葉柄、白い可愛い花を愛でながら、686.4mの山頂に立ちました。
(10:50~11:05)
三角点は稜線からほんの少し離れたところにあり、側に大きな岩が
あります。登って見ると鹿ヶ瀬方面の集落や田植えが終わったばかり
の棚田が見下ろせました。
近くの木にこんな掲示がありました。
「病気やケガで動けなくなった場合、この標識の内容を携帯電話で
119番通報して下さい」と英文も併記して書いてあります。
あまりにもご親切にというか…現在の登山(ハイキング?)のあり方
について、ちょっと考えさせられました。
ここからいったん下り八王子というところから再び登り返すと、美しい
ブナ林の中を通り693mピークを通過。この辺りで初めて単独行の男性、
続いて二組のペアと行き会いました。
しばらくの間、大きな岩が点在する道のアップダウンが続きます。
最後に数名の高校生らしい一団と引率の先生に出会うと、また
静かなブナ林の中を二人で歩く貸し切りの山になりました。
今日の最高点・鳥越峰(702m)は山頂を踏まずに左の山腹を捲き、
鞍部からひと登りで、ちょうど正午にオーム岩に着きました。
これから辿る岳山の稜線の向こうに、琵琶湖が青空を映しています。
残念ながら少しもやっていて、能郷白山などの遠望はありませんで
した。しかし、この日一番の展望台には違いなく、反対側には武奈
ヶ岳も顔を見せています。
この岩の名前は「オウムの嘴」に似ているからと本で読んでいましたが、
こんな立て札がありました。
『鴻 溝 録 前田梅園
鸚鵡石 鳥越峯にあり。言語絲竹(しちく)の音一として
答へずと云ふ事なし。呼場あり、聞場あり 聞くものは聞場
に在りて筵を開き、盃を傾け 人をして呼場に謡歌せしめ、
管弦を成さしむ。 尤も妙なり。』
これによると、山彦のように声や音が帰ってくるのでオウム岩と名付けた
ようです。
(続く)
連なる道を歩いてきました。
帰りの交通の便を考えて近江高島から畑行きのコミュニティバスに
乗車。バスはバッジを付けた登山姿のツァー団体で満員で、さぞ
賑やかになるだろうとうんざりしていましたが、「鹿ヶ瀬」で降りた
のは私たち二人だけ。やれやれと歩き出しました。
ところが登山口が分からず、しばらくウロウロして近くの民家の前
で立ち話していたオバサンに鵜川越への道を聞きますと…(09:37)
「この先やが、ヘビやアブがいるぞ。クマもイノシシも何が出るか
わからんゾ」と驚かされました。よほど軟弱な二人と思われたようです。
道標などはなく民家の横を入る感じで田圃の中を行くと、やがて川沿い
の細い道になります。
この沢を渡ったところからは、はっきりした山道になって赤テープの
目印も現れます。いったん右側の林道に合流してすぐまた林の中に
入ると、だんだん細くなる谷を何度か渡り返して次第に急な登りになり、
稜線上の鵜川越に出ました。(10:25)
汗はかきましたが、思ったよりいいペースで登れたので、このまま
休まずに岩阿沙利山まで行くことにしました。
標高差130mの登りは、ずっとユズリハの並木道を行きます。緑の若葉、
赤い葉柄、白い可愛い花を愛でながら、686.4mの山頂に立ちました。
(10:50~11:05)
三角点は稜線からほんの少し離れたところにあり、側に大きな岩が
あります。登って見ると鹿ヶ瀬方面の集落や田植えが終わったばかり
の棚田が見下ろせました。
近くの木にこんな掲示がありました。
「病気やケガで動けなくなった場合、この標識の内容を携帯電話で
119番通報して下さい」と英文も併記して書いてあります。
あまりにもご親切にというか…現在の登山(ハイキング?)のあり方
について、ちょっと考えさせられました。
ここからいったん下り八王子というところから再び登り返すと、美しい
ブナ林の中を通り693mピークを通過。この辺りで初めて単独行の男性、
続いて二組のペアと行き会いました。
しばらくの間、大きな岩が点在する道のアップダウンが続きます。
最後に数名の高校生らしい一団と引率の先生に出会うと、また
静かなブナ林の中を二人で歩く貸し切りの山になりました。
今日の最高点・鳥越峰(702m)は山頂を踏まずに左の山腹を捲き、
鞍部からひと登りで、ちょうど正午にオーム岩に着きました。
これから辿る岳山の稜線の向こうに、琵琶湖が青空を映しています。
残念ながら少しもやっていて、能郷白山などの遠望はありませんで
した。しかし、この日一番の展望台には違いなく、反対側には武奈
ヶ岳も顔を見せています。
この岩の名前は「オウムの嘴」に似ているからと本で読んでいましたが、
こんな立て札がありました。
『鴻 溝 録 前田梅園
鸚鵡石 鳥越峯にあり。言語絲竹(しちく)の音一として
答へずと云ふ事なし。呼場あり、聞場あり 聞くものは聞場
に在りて筵を開き、盃を傾け 人をして呼場に謡歌せしめ、
管弦を成さしむ。 尤も妙なり。』
これによると、山彦のように声や音が帰ってくるのでオウム岩と名付けた
ようです。
(続く)