旅館の玄関でへたり込んでしまっていつの間にか仰向けに倒れていたのである。と言うより失神していたようだ。気がついて起き上がり、宿帳に記帳して部屋に案内してもらった。二階の部屋だったのだが、階段を上るのが余りにも大変で足があがらないは壁にある手すりを鎖の様にしてつたってようやく辿り着いた。案内してくれたのが女将だったから手を差し出すわけにもいかなかったろうし、コロナ禍だからな。
部屋に入り、女将が「これが熱い方で、こちらが冷たい水です」「うん」と言ったとたんたまらず横になったのだが・・40分程気を失ったようだ。気がつくと仲居さんが来ていて「隣の部屋にお食事の用意が出来ていますので」
「あー有難う。そうだ、ビール」「ビールが飲めるのならもう大丈夫ですね。キリンが良いですか、アサヒが良いですか」「おー。キリンをくれ」
あまり食べることが出来なくて半分近く残してしまった。食事が終わった旨をフロントに告げる際に謝ったけどね。