「株価請負人」と呼ばれた東証OB、5000万円の不正利益か…上場企業を渡り歩く
「Abalance」株式のインサイダー取引(→当サイトの関連記事)で逮捕・起訴された同社元役員を取り上げた記事。
「投資家向け広報(IR)のプロとして上場会社を渡り歩いた男が、金融商品取引法違反(インサイダー取引)で東京地検特捜部に逮捕・起訴された。起訴事実に絡む取引では、経営情報を知る立場を悪用して約5000万円の不当な利益を得たとされる。事件の背景には、市場で株高が続く中、投資を呼び込むIRに長じた人材が重宝されている事情もあったとみられる。」
東証出身のこの人物には、前科がありました。
「株高傾向が続く近年、IRに精通した人材は投資家への発信を強化したい企業に重宝されている。IRのコンサルティング事業を行う「マーケットリバー」(東京)の市川祐子社長は、「即戦力の求人が多い『売り手市場』だ」と話す。
××被告も「東証出身」の肩書や知識、経験を評価され、転職先では幹部クラスに登用された。ただ、被告が勤務した会社の関係者によると、部下に威圧的な態度で接したり、社内規定に反する無届けの株取引をしたりすることも。2015年から広報・IR部長として勤務した金融サービス会社では、同社株のインサイダー取引をしたとして、金融庁から約430万円の課徴金納付命令を受けていた。」
学者のコメント。
「専修大法科大学院の松岡啓祐教授(金商法)は、「現在の行政処分は課徴金額が低く、処分者も基本的に匿名公表で、不正防止の機能を果たすのに十分とは言えない。課徴金引き上げや一定の役職者が行政処分を受けた場合の実名公表などを検討し、市場の信頼を維持する必要がある」と指摘している。」