SBIソーシャルレンディングというSBIホールディングスの子会社が行っていたあやしいソーシャルレンディングについては、すでにSBIホールディングス側から開示がなされています(大きな損失も計上)が、この記事では、その貸付先のことを取り上げています。
「ゴールデンウィーク前の4月27日、東京地検特捜部が再生エネルギー関連を手掛けるテクノシステム(本社・横浜市)に家宅捜索に入り、騒然となった。」
「テクノ社が最初に問題となったのは、粉飾だった。
今年2月5日、SBIHDが<SBISLの貸付先の事業運営に重大な懸案事項が生じていることが認められ、第三者委員会を設置する>と発表。
その貸付先がテクノ社で、懸念事項とは、資金繰りに窮し、集めたファンドのカネを別のファンドの配当に回すなど自転車操業に陥り、事件化した融資詐欺も含め、さまざまな粉飾行為を行なっていた。
その際、筆者はSBIHDに向けて、取材で知り得たテクノ社粉飾の内実を確認しようと、9項目の質問書を送った。そのなかにはSBISL、SBI証券、SBIエナジーとの関係を示したうえで、<グループ全体で一企業を虫食い状態にしたのではないか>と、SBIの責任を問うものも含まれていた。
それに対しSBIHDコーポレート・コミュニケーション部は、「第三者委員会で調査しており回答は差し控えたい」とのことだった。」
「皮肉にも、特捜捜査が報じられた4月28日、SBIHDは第三者委員会の「報告書」を公表した。資料付きでA4版78枚にも及び、詳細を極めるが、突き詰めれば次の一文に象徴されよう。
<SPCのアセットマネージャーとして金融経験値の高いB社(玄海社)が就いていることから問題があれば、B社が解決するであろう、A社(テクノ社)は上場準備中でありグループのSBI証券が主幹事証券として就任していることから同社のチェックが働いているであろう、A社には会計監査人が就任しているから財務面に問題ないであろう>
こうして各社が責任を押しつけ合っていた。
また、当然のことながらSBISLの織田貴行社長の責任は重く、4月28日付けで解任されたのだが、SBISLもまた上場準備中で、数字を積み上げるために貸付先の過半がテクノ社に集中するという異常事態だった。
織田氏には、部下はもちろん取引先や投資家が、テクノ社の事業を危惧、注意喚起したということだが、織田氏は聞く耳を持たなかったという。」
SBIとの関係が深いだけでなく、小泉純一郎元首相を広告塔として使っていたり、民主党政権下の金融担当相だった人物をシニアアドバイザーにしていたりと、政界との関係も持っている会社のようです。
どの事務所が会計監査人だったのかも気になります。
【独自】「再生エネ融資」で4億円詐取か、東京地検特捜部が業者捜索(読売)
「関係者によると、同社は昨年、木材や家畜のふんを燃やすなどして発電する「バイオマス発電事業」への融資の名目で、静岡県内の信用金庫に虚偽の書類を提出し、約4億円を詐取した疑いがもたれている。この金の一部は、別の借入金の返済に充てられた疑いもあるという。」
「同社側は、インターネット金融大手「SBIホールディングス(HD)」傘下の金融仲介会社「SBIソーシャルレンディング(SL)」がネットを通じて投資家から集めた資金の融資を受けていた。」
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