監査業界初の共同プラットフォームで、残高確認システムのデファクトスタンダードを目指す(新日本監査法人のウェブサイトより)(他の3法人も同じ内容です。)
大手4監査法人が、「残高確認システム共同プラットフォーム化推進協議会」を共同で発足させたというプレスリリース。今年2月に発足させていたようです。
「当協議会は、監査業界初となる共同プラットフォームの構築により共通課題の解決を図るとともに、資本市場の信頼性向上にかなう残高確認システムのデファクトスタンダードの確立を目指します。
債権・債務の確認手続は、監査証拠として証明力の強い監査手続である一方、監査人側においては、確認状の封緘・回収といった事務処理に多くの時間を費やさねばならず、また、被監査会社やその取引先等の確認回答先側においては、市場全体で膨大な数にのぼる確認状の作成・回答といった手作業が個々に求められているという現状があります。
当協議会では、このような共通課題に対して、IT技術の共同活用による課題解決を目指します。各監査法人が有する知見や豊富なノウハウを共有し、残高確認システム共同プラットフォームの確立・運営に向けて、必要な検討事項の協議・合意と、実際のプラットフォーム運営主体の立ち上げを行うことを目的としています。」
残高確認に回答する方の法人・個人にとっては、取引先の監査人が異なるごとに、別々のシステムを使うというのも不合理ですから、いっしょにするというのはメリットなのでしょう。しかし、一種のカルテルともいえます。そもそも、デファクトスタンダードを目指すというのは、JISやISOなどの標準化機関が話し合いで標準を決めるのとは違って、あらゆる手段により、それが事実上の標準になるようにする(ほかの標準は事実上駆逐される)ことを意味します。
一応、ほかの監査事務所も仲間に入れてあげるかもしれないとはいっていますが。
「将来的な展開として、当協議会に参画する4法人に限らないプラットフォームの利用も考えられるため、当協議会には日本公認会計士協会がオブザーバーとして参画しています。」
数日前に日経で取り上げていました。
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