「ソニー生命」の海外子会社名義の口座から、およそ170億円を不正に送金してだまし取ったとして、32歳の社員が詐欺容疑で逮捕されたという記事。
「警視庁によりますと、ことし5月、上司の承認を得たように装い、大西洋のバミューダ諸島にある子会社名義の口座から1億5000万ドル余り、日本円にしておよそ170億円を、海外の別の口座に不正に送金してだまし取ったとして、詐欺の疑いが持たれています。
送金の翌日に、ソニー生命が口座の残高を確認したことで被害が発覚し、警視庁に刑事告訴していました。
バミューダ諸島の子会社は、保険会社を顧客として保険金の支払いのリスクを引き受ける「再保険」の業務を行っていましたが、解散が決まり、××容疑者は清算手続きを担当していたということです。」
ソニー生命社員、170億円詐欺…海外子会社口座から(読売)
「捜査関係者によると、男はソニー生命の海外子会社「エスエー・リインシュアランス」(バミューダ諸島、清算中)の清算業務を担当していた5月中旬、上司の承認を得たと偽り、同社の銀行口座から、オンラインで自身が関与する別の海外銀行口座に約1億5500万米ドル(約170億円)を送金し、だまし取った疑い。逮捕は11月29日。
エスエー社は、保険会社の保険金支払いなどを肩代わりする「再保険」事業を手がけていたが、昨年末に清算を決定。男はソニー生命とエスエーの社員を兼務し、清算するエスエー社の金融資産を現金化してソニー生命に資産を戻すなどの業務を担当していた。」
「資金流出を受け、ソニー生命は21年4~6月期決算にエスエー社の株式評価損として196億円の特別損失を計上した。」
報道を読んでも、この170億円がどこに消えたのか、回収できるのかという点についてはふれていないようです。特別損失を計上した以上、その決算の時点では、確実な回収のめどが立っていなかったということだと思いますが、現時点ではどうなのでしょう。
また、5月に不正が発覚したのに、公表が8月になったというのも不可解です。2021年3月期の後発事象として注記はされていたのでしょうか。
弊社社員の逮捕について(ソニー生命)(PDFファイル)
「このたび、弊社社員が2021年11月29日付で詐欺罪の容疑で警視庁に逮捕されました。
本年8月4日付ニュースリリースでご案内のとおり、弊社では、本年5月、弊社の海外連結子会社であるSA Reinsurance Ltd.において、同社名義の銀行口座から同社が承認していない約170億円の送金が行われたことを確認いたしました。その後、速やかに当該送金の事実を監督当局および捜査当局に報告・相談するとともに、対策本部を設置し、捜査当局との連携等により、全容解明と資金回収に取り組んでまいりました。」
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