アメフト悪質反則問題で、日本大学のガバナンスも注目されていますが、この記事では、半世紀前にまで遡って、解説しています。
「半世紀前、全国の大学で学生運動が盛んになり、デモが繰り返されていた。そのとき最も先鋭的だったのが日大だ。大学側の20億円の使途不明金の発覚を機に、秋田明大氏が率いる日大全共闘が、古田重二良会頭(当時のトップ)を退任に追い込んだ。」
「その頃、相撲部で活躍していたのが田中氏(現理事長)である。67年、3年生の時に学生横綱となり、69年には卒業して日大に就職、体育助手兼相撲部コーチとなった。...田中氏もまた体育会学生、助手として、古田体制を支えてきた。」
「田中氏は、相撲部監督として有力力士を育て角界に送り込むとともに、保健体育審議会事務局を足場に地位を築き、99年、理事に就いて経営に参画するようになる。そこからは角界、スポーツ界人脈と清濁併せ呑む人柄で、設備、改修、建設などの事業にも口を出すようになり、00年代に入ると「田中理事に話を通さないと仕事がうまく進まない」といわれる存在になる。
02年に常務理事になると、そうした状態がさらに加速。悪評が立ったこともあって、05年には日大内に特別調査委員会が立ち上がり、田中氏と工事関係業者との金銭的結びつきや暴力団関係者との交際関係が調べられた。
その結果をまとめた「中間報告書」によれば、田中氏と親しい業者は、企業規模に似つかわしくない工事受注・物品納入を続けており、芸術学部江古田キャンパスの工事においては、「(田中氏が)工事業者から指名・発注に対する謝礼として3000万円を受け取ったという疑いが残る」とされる。また暴力団関係者との関係においては、イトマン事件の主役である許永中氏との関係を中心に、交際の痕跡が綴られていた。」
こういう疑惑にもかかわらず、08年9月には理事長に就任しています。
「理事長となって支配体制を固めた田中氏が行った「仕上げ」が、総長から理事長へと権限を移す組織改革を実施したことである。
それまで、日大において権威と権力を握るのは総長だったが、改革によって総長は排され、運営権を握るのは理事長となった。」
「田中氏は、体育会的発想と実力行使で生き抜き、出世して理事長に就き、理事長ポストをトップに押し上げた。次を引き継ぐのは、教職から選考される学長ではなく、自分と同じ道を、着実に、忠実に歩んできたアメフト部監督の内田氏以外にあり得なかったのだろう。」
やはり、カネのことをきちんとできない組織は、いくら大きくても、腐っていくのでしょう。
内田前監督を守る“日本大学のドン”の闇社会、警察人脈…山口組、許永中から元警察庁長官まで(リテラ)
「2016年に新設された日大の危機管理学部には大きな特徴がある。それは、専任教員に各県の県警察本部長、内閣情報調査室内閣参事官、元内閣官房、公安調査庁など警察エリートがずらりと並んでいることだ。
日大の不正体質を追及する月刊誌「FACTA」2016年5月号(ファクタ出版)によると、危機管理学部は〈田中氏は、警察庁、法務省、防衛省、国土交通省のサポートを受けることで、文系初の危機管理学部の体制を整えることに成功した〉もので、〈その本質は「国家権力に恩をうる『天下り学部』」だと指摘している。
ようするに、田中理事長は警察の天下り先を用意することで、さらに権力を磐石にしてきたのだ。」
日大アメフト問題はオリンパスや東芝と同じだ 日本型組織にひそむ「病理」(Yahoo)
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