書店チェーン大手の文教堂グループホールディングス(ジャスダック上場)が、「事業再生ADR」を第三者機関に申請し、受理されたという記事。
「2013年8月期以降は、17年8月期を除いて赤字が続き、18年8月期には約2億3千万円の債務超過に陥った。その結果、東京証券取引所から上場廃止に関わる猶予期間入りの指定を受けていた。」
事業再生 ADR 手続の正式申請及び受理に関するお知らせ(文教堂グループホールディングス)
「...ネット通販やデジタルコンテンツの普及により、書籍の市場規模は縮小傾向が続き、当社をとりまく事業環境は、厳しい状況が続いておりました。
当社らとしては、店舗リニューアル等の販売強化策やアニメ事業の展開等、一定の経営改善策を実行して参りましたが、十分な効果は出ず、2013 年 8 月期以降は、2017 年 8 月期を除いて赤字が続き、2018 年 8 月期には約 2 億 3000 万円の債務超過に陥りました。また、これを受けて、東京証券取引所より、上場廃止に係る猶予期間入りの指定を受けました。
当社らとしては、上場廃止に係る猶予期間入りの指定を受け、債務超過を解消すべく、エリアマネージャー制度の導入により本部・店舗間の意思疎通の改善を図る、退店基準の明確化により不採算店舗からの撤退を行うなどの経営改善策を実施して参りました。
しかしながら、上記取組みだけでは、2019 年 8 月末までに債務超過を解消することは困難であると判断したことから、当社らは、今後の事業再生と事業継続に向け、財務体質の抜本的な改善のため、事業再生 ADR 手続の活用を決断いたしました。」
文教堂グループ2社が事業再生ADRを申請、対象となる金融機関は8行(東京商工リサーチ)
「業績不振から不採算店舗の撤退など再建を進めていたが、8月31日までの債務超過の解消が困難と判断した。2020年8月末までに債務超過を解消する再生計画案が成立すれば、上場廃止猶予の1年延長が認められる。この期間に債務超過を解消し、上場維持を目指す。
一般社団法人事業再生実務家協会に事業再生ADR手続きを申請し、受理された。この手続きにより、金融機関に借入金元本の返済について一時停止等を要請する。ただ、書籍や文具などの仕入代金、賃借物件の賃料などの一般取引先への支払いは通常通りに行う。文教堂の担当者は東京商工リサーチ情報部の取材に、「すべて回答できない」とコメントした。関係筋によると、対象となる金融機関は8行。」
直近の四半期報告書のレビュー報告書(2019年8月期第2四半期)では、継続企業の前提について記載しています。
「継続企業の前提に関する事項に記載されているとおり、会社は前連結会計年度において営業損失545,088千円、経常損失589,901千円及び親会社株主に帰属する当期純損失591,437千円及び営業キャッシュ・フローのマイナス676,435千円を計上した結果、233,584千円の債務超過となり、当第2四半期連結累計期間においても、営業損失232,628千円、経常損失288,381千円及び親会社株主に帰属する四半期純損失365,619千円及び営業キャッシュ・フローのマイナス80,670千円を計上した結果、597,003千円の債務超過の状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められる。」
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