日本公認会計士協会は、新起草方針に基づいて現行の報告書を改正した4つの新しい監査基準委員会報告書を、2008年10月31日付で公表しました。
公表されたのは以下の報告書です。
・第37号「監査計画」(中間報告)( 第27号の改正)
・第38号「企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示のリスクの識別と評価」(中間報告)(第29号の改正)
・第39号「評価したリスクに対応する監査人の手続」(中間報告)(第30号の改正)
・第40号「財務諸表監査における不正」(中間報告)(第35号の改正)
今回の改正は、報告書の構成の組換えが中心であって大幅な内容変更はありません。
ただし、例えば、「経営者の主張」を「アサーション」、「財務諸表項目レベル」を「アサーション・レベル」、「取引」を「取引種類」というように、一部の用語が変更されています。
2010年4月1日(平成22年4月1日)以後開始する事業年度に係る監査から適用される予定ですが、新起草方針に基づく指針作成作業の進捗状況や諸外国の国際会計基準への取組みの状況により延期される可能性があるため、未発効とし、発効及び適用については将来に別に常務理事会で定めるとされています。
新起草方針については以下のような説明がなされています(協会プレスリリースより)。
「監査基準委員会報告書の新起草方針とは、国際会計士連盟の国際監査・保証基準審議会が行う国際監査基準のクラリティ・プロジェクトと同様に、各監査基準委員会報告書について、1)義務としての手続を明確化するために報告書の構成を監査上の「要求事項」とその解釈に当たる「適用指針」とに区別すること、2)個々の基準の目的を明確化すること等の方針に基づき、新基準を策定し又は既存の基準を全面的に書き換える、というものです。」
今回公表された以外の報告書も今後新起草方針に基づいて改正されます。その際、国際監査基準と相違がある部分は、形式だけではなく内容も見直されるようです。
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