パナマの法律事務所から内部文書がリークされ、各国の指導者や著名人の租税回避が明らかとなったという記事。
「ロシアのプーチン大統領周辺の人物らがタックスヘイブン(租税回避地)の企業を使って巨額融資を受けるなど、総額約二十億ドル(約二千二百億円)の金融取引をしていたことが三日、共同通信も参加する「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が入手した内部文書で判明した。
文書からは、アイスランドのグンロイグソン首相やサッカー界スターのメッシ選手、香港の俳優ジャッキー・チェンさんら各国の指導者や著名人が、税率がゼロか極めて低い租税回避地を利用している実態も浮上。日本の警備大手セコムの創業者らの租税回避地での法人設立も分かった。」
セコム創業者の節税あるいは租税回避のスキームは...
「ICIJなどが入手した内部文書の分析からは、警備大手セコムの創業者や親族につながる複数の法人が一九九〇年代に租税回避地につくられ、当時の取引価格で計七百億円を超す大量のセコム株が管理されていたことが分かった。
創業者は取締役最高顧問の飯田亮氏(83)と元取締役最高顧問の故戸田寿一(じゅいち)氏。複数の専門家は「この仕組みで親族への相続税や贈与税がかなり圧縮できるはずだ」と指摘した。
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文書はセコム株保有にかかわる各法人の役割を説明した書類や法人の定款、株主名簿など。日本と英国の弁護士やパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」が協議していた。創業者の死後に備えセコム株を親族らに取り分けておくことなどが目的と記されていた。
文書によると、法人が設立された租税回避地は英領バージン諸島、ガーンジーで、飯田氏や故戸田氏は法人を使い大量のセコム株を間接的に管理する仕組みを構築。これに伴い両氏が直接保有するセコム株は大幅に減少した。
さらに株の一部は、両氏の親族につながる租税回避地の法人がそれぞれ管理する形とした。法人間の取引は贈与にならない。」
記事の図を見ると、セコム株が、創業者らから租税回避地の法人に移転し、さらに最終的には、創業者らの親族の法人に移転(贈与?)しているようです。資金的には、創業者らの株式売却収入を租税回避地法人への投資に当てたのでしょうか。
創業者らの株式売却には、日本の所得税が課税されます(売却当時の税制では、どのくらいの負担になったのでしょうか)が、親族が本来は負担すべき贈与税や相続税は節税できるのでしょう。セコムしていると税金からの守りも完璧なようです。
セコムにも取材しているようですが、基本的には会社の株主の税務の話であり、会社は直接には関係ありません。ただし、大株主の状況の開示は関係がないとはいえないかもしれません。
サウジ国王・プーチン氏友人…租税回避地に関係会社(朝日)
「パナマ文書」スキャンダル、世界各国で調査開始(AFP)
Panama papers: tax havens of rich and powerful exposed(economiaより)
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