会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

楽天G 1~9月の決算 1503億円赤字 6年連続赤字も幅は縮小(NHKより)

楽天G 1~9月の決算 1503億円赤字 6年連続赤字も幅は縮小

楽天グループの第3四半期(累計)(1~9月)の決算が前年同期と同様に大赤字だったという記事。

「楽天グループのことし1月から9月までの9か月間の決算は、最終的な損益が1503億円の赤字と、この時期として6年連続の赤字となったものの、課題の携帯電話事業の業績が持ち直したことから赤字幅は縮小しました。」

「最終的な損益は携帯電話事業で基地局の整備や営業の費用がかさんだ影響で、1503億円の赤字と、この時期として6年連続の赤字となりました。

ただ、携帯電話事業は契約数が増えたことなどから業績は持ち直していて、グループ全体の赤字幅も2084億円だった前の年の同じ時期から縮小しました。

また、9月まで3か月間の決算で見ると営業利益が5億円となり、17四半期ぶりに黒字に転換しました。」

ということで第3四半期のみの営業利益は、かろうじて黒字だったそうです。

日経などでは、四半期で黒字になったという点を強調しています(楽天、17期ぶり営業黒字 7~9月 携帯の赤字縮小)。

こちらの記事では、会社の説明に沿って、携帯電話事業の状況を説明しています。

楽天モバイルが楽天グループの“5年ぶり四半期黒字化”に貢献 モバイル単体の黒字化も目前か(ITmedia)

決算説明では、携帯電話事業がグループ全体の収益に貢献したというようにいわれたようです。

「楽天モバイルは単独の契約だけでなく、グループ内のサービス利用の促進剤になっていると三木谷氏。楽天モバイル契約者の取扱高は非契約者よりも多く、楽天市場では47.9%、楽天トラベルでは13.5%、楽天カードで26.8%、それぞれ利用額が大きくなるという。

そうした楽天モバイルによるエコシステムの貢献額を、楽天モバイルや各セグメントの利益などに盛り込んでいるのが、同社決算の特徴でもある。」

日経記事(11月14日)でも、「今後は携帯事業を通じてグループのECや金融サービスが利用された際は、収益の一部を携帯事業に上乗せする計算方法に転換する。新たなベースで「黒字化を目指す」(三木谷氏)」と述べています。

グループ全体の売上や利益には影響はないにせよ、これは、セグメント間の利益の付け替えのようにも感じられます(マネジメントアプローチだから会社がそれで管理しているといえば認められるのか)。

第3四半期決算短信(最新決算資料より)を見ると、以下のようにセグメント情報の表示方法を変更しているようです。

(楽天グループ四半期決算短信より)(計算式の部分は省略)

楽天の携帯を契約しているから、楽天のサービスを多く利用するというよりは、楽天のサービスをよく利用している人が、たまたま楽天の携帯電話も契約する傾向があるというだけのようにも思われますが...(それは送客効果でマイナスしている?)。

いずれにしても、セグメント情報も、会計監査の対象ですから、監査法人もこの変更に納得しているのでしょう。

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