一般紙には珍しく、公認会計士試験制度の記事。
「金融庁は2006年、「企業内の専門家など幅広い分野で活躍が期待される」として、合格者数をそれまでの1千人台から2千~4千人台に増やした。ところが、08年の合格者のうち企業に就職したのは1~2%。」
「監査法人や会計士事務所も09年には、不況で採用者数を大幅に減らした。日本公認会計士協会によると、今年3月末で、09年の合格者約2200人のうち約600人が未就職で「受かっているのに資格が取れない状況」という。」
「金融庁は昨年12月、産業界や会計士協会などとつくる懇談会で試験の見直しを検討し始めた。試験を2回に分け、難易度を下げた1次試験の合格者にも何らかの資格を与える案が有力だ。1次試験後に企業などに就職して実務経験を積み、その後、2次試験に合格すれば会計士になれるようにする。企業に勤めても資格を取りやすくするため、実務や講習の条件も緩くする。」
金融庁のホームページをみると、7月30日に開催された第9回「公認会計士制度に関する懇談会」の資料として、公認会計士制度に関する懇談会中間報告書(案)(PDFファイル)が掲載されています。
確定版が公表された段階で概要をお伝えしようと思いますが、お急ぎの方は、この報告書案のファイルをご覧ください。(土曜日の日経でも報じられていました。)
ちなみに、金融庁が問題にしているのは、就職浪人ではなく、あくまで「試験合格しても公認会計士となるための資格を取得できない者(待機合格者)の発生」です。「公認会計士試験の受験を途中で断念した者の就職問題や公認会計士となる資格を得た者の就職問題については、本懇談会では直接の検討の対象とはしていない」という脚注をわざわざ入れています。
また、朝日の記事では「1次試験の合格者にも何らかの資格を与える案が有力」とありますが、これは不正確で、何らかの資格(下の図の「会計プロフェッショナル」の資格)を与えるのは2段階目の試験の合格者です。「一段階目試験の合格段階で何らかの途中段階の資格を与えることについては、引き続き検討」するといっています。
(報告書案より)
(画像をクリックすると、拡大します。)
会計プロフェッショナル資格の名称の案として挙がっているのは「財務会計士」です。(企業に就職するという前提なのに「管理会計」はやらないのでしょうか。)
報告書案とともに掲載されている「今後検討すべき試験科目等について」と「今後検討すべき免除要件等について」という資料も、試験の中身や専門職大学院在籍者への優遇措置の話であり、重要なものです。試験科目については、1段階目の試験から監査が外れ、ある案では代わりにIT、英語、時事が選択科目として入っています。そんなものは会社が入社試験でやるか、英語についてはTOEICで代用すればよいとおもうのですが・・・
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