全国農業協同組合連合会の米穀販売子会社の福岡パールライス(福岡市、資本金4億5000万円)が00年の設立当初から今春まで仮装取引をしていたという記事。仮装取引の結果、約10億円の延滞債権が発生しています。
先日の日経記事では不正の規模については全くふれていませんでしたが、全農の発表によりある程度明らかになりました。
「福岡パール社は福岡県内の米穀販売会社計3社と実際のコメのやりとりがない循環取引などを続けていた。06年度の仮装取引は41億円にのぼり、同年度決算は7億4500万円の当期赤字で、債務超過に陥った。」
「仮装取引は福岡パール社が設立されるまで、同県内の米穀販売事業を担当していた福岡県農業協同組合連合会と3社の間でも行われていた。3社のうち1社が1999年、JA全農グループ以外での取引で約4億円の資金を焦げ付かせ、この焦げ付きの表面化を恐れた当時の同連合会幹部らが、仮装取引を始めたとみられる。」
これを読む限りでは、この子会社だけの問題ではなく、福岡県の連合会レベルで相当長期間不正が継続していたようです。
子会社における延滞債権問題と不適正な取引について
ごく簡単な「調査報告書の概要」という資料が付いていますが、それによると、支払サイトを調整して、取引先の資金繰りをつけていたようです。例えば、ある取引先からは「毎旬締め翌月起算10日払い」(最長でも20日後、最短では10日後に支払)で仕入れ、同じ取引先に売却する際は「月末締め翌月末支払」(最長では2ヶ月、最短でも1ヶ月後の支払)の条件にしています。
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