会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

焦点:雇用と企業収益の指標に「水膨れ」疑惑、揺らぐGDPの信認(ロイターより)

焦点:雇用と企業収益の指標に「水膨れ」疑惑、揺らぐGDPの信認

国内総生産(GDP)の計算に関連性の高い「雇用者報酬」や「企業収益」が、過大積算されている疑義があるという記事。

前者の雇用者報酬は、サンプル企業の変更が原因だったそうです。

後者の企業収益(利益)については、持ち株会社が増えてきて、利益の二重集計の金額が増加している可能性があるそうです。

「企業利益についても、実態と異なる結果が公表されている可能性が指摘されている。「企業の経常利益は、誇張されて過ぎている。2015年度の経常利益68兆円に対し、二重計上分が14.6兆円もある。実体との乖離は年々拡大している」──。第一生命経済研究所の副主任エコノミスト・星野卓也氏はこう試算する。

同氏が持ち株会社分の利益を国税庁調査などから差し引いて試算したところ、13年のアベノミクス以降は、それまで5兆円程度だった二重計上分が15年には14.6兆円と近くまで3倍にも拡大。16年はやや縮小し11.5兆円だった。

背景には、持ち株会社の増加で連結ベース決算が広がっていることがあると、星野氏はみている。

同統計を策定している財務省財務総合計画研究所は、この指摘について「二重計上されている可能性は確かにある」と認めている。

これを解消するために、利益を単体と連結決算両方で把握する方法もあるが、同研究所は「調査の趣旨として適切な対象が項目ごとに異なるが、記入が複雑になると企業負担への斟酌(しんしゃく)もあり、そう簡単な話ではない」と述べ、具体的な改善策が見いだせていないと説明する。」

政府の統計は、結構ラフなもののようです。
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