日本風力開発(上)受託収賄容疑で逮捕された秋本真利議員との蜜月関係
日本風力開発(下)「クリーンエネルギーの旗手」から転落で身売りしかないのか
逮捕された秋本真利議員にわいろを贈っていたとされる日本風力開発を取り上げた解説記事。上・下のうち、以下は「下」から引用しています。
同社は、かつて、東証マザーズに上場していましたが、不正会計問題が起きます。
「風力発電所の建設を請け負う建設会社に風力発電機を販売する代理店業務と、グループの発電所の電力を電力会社に販売する売電事業の2つの営業の柱を持つ会社に急成長。独立系ながら国内の風力発電量第3位の会社として認知された。2003年、東証マザーズに上場した。
塚脇(前社長)はクリーンエネルギーの旗手と評され注目を浴びた。08年3月期の売上高は105億円、営業利益16億円をあげた。株価は一時、1株50万円に届く勢いを見せた。ところが、10年6月14日に暗転する。
会計監査人の新日本有限責任監査法人を解任した。日本風力開発の従業員が取引先と交わした覚書がトラブルの原因となった。新日本監査法人は覚書が09年3月期決算の収益に影響を与えるとして決算の修正を求めたが、塚脇はこれを拒否し、監査法人を辞めさせた。
監査法人が「販売手数料の計上に問題がある」と指摘したことから、覚書は風力発電機の買い戻し特約のようなものだったのではないかと推測されている。
株価は大きく下げた。東証は日本風力開発を監理銘柄(確認中)に指定した。6月22日には一時、5万5400円まで下げた。翌23日には5万3000円に崩落した。」
しかし、東京電力の原発事故の影響で、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)が導入され、息を吹き返します。2015年にMBO(経営陣が参加する買収)を実施、上場廃止となります。
不正会計問題から復活したのはよかったのでしょうが、非上場化して、ガバナンスもコンプライアンスも緩くなったのでしょうか。
同社の今後は...
「「事業パートナーのベインキャピタルが日本風力開発を売りに出すのは間違いない。洋上風力発電という切り札を失った日本風力開発に、果たして、買い手が現れるのだろうか」(M&Aに詳しい証券アナリスト)」
新日本の指摘→不正会計問題→株価暴落、監理銘柄→嫌気がさして非上場化→コンプラが甘くなり平気でわいろを渡すようになる→刑事事件発生→信用がた落ちで身売り?、という結末でしょうか。
【詳しく】秋本衆議院議員を逮捕 受託収賄の疑い「私は潔白」(9月7日)(NHK)
「東京地検特捜部の調べによりますと、秋本議員は洋上風力発電事業をめぐり、東京の風力発電会社「日本風力開発」の塚脇正幸元社長(64)からあわせて6000万円余りにのぼる借り入れや資金提供を受けたとして受託収賄の疑いが持たれています。
日本風力開発は洋上風力発電事業のうち、青森県の陸奥湾や秋田県沖の海域などへの参入を目指していて、秋本議員は2019年以降、塚脇元社長から日本風力開発が有利になるような国会質問をするよう複数回にわたって依頼を受けていた疑いがあるということです。」
業界団体と事前調整 秋本議員、国会質問巡り―請託の実態解明へ・洋上風力汚職(時事)
「洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、衆院議員の秋本真利容疑者(48)が国会質問の内容について、業界団体「日本風力発電協会」(東京)と事前に調整していたことが分かった。」
「日本風力発電協会は2005年設立。風力発電会社のほか、大手商社やゼネコンなど計500社以上が加盟しており、トップの代表理事には日本風力開発の副会長が就いている。」
洋上風力汚職の秋本容疑者、コロナ給付金200万円不正受給に関与か…「詐欺と思わなかった」(読売)
「洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、受託収賄容疑で逮捕された秋本 真利・衆院議員(48)が、知人の会社が国に申請した新型コロナウイルス対策の持続化給付金200万円の不正受給に関与した疑いがあることがわかった。東京地検特捜部は、秋本容疑者が給付金の申請内容について記したメールを押収しており、詐欺容疑での立件に向けて調べている。」
自白しない限り、あることないこと、大小にかかわらず調べられ、保釈されないのでしょう。