国際オリンピック委員会(IOC)の会長が来週訪日するが、オリンピック中止は議論しないといっているという記事。
「国際オリンピック委員会(IOC)は11日、トーマス・バッハ会長が15~18日の日程で訪日すると正式に発表した。新型コロナウイルスの影響で来夏に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの準備状況確認が目的で、菅義偉首相との会談や、選手村、国立競技場を視察する予定だ。バッハ会長は「来夏の大会開催に自信を持っている。訪日後、全ての選手や関係者がさらに自信を深められるようにしたい。(菅首相との)話し合いでは中止は議論しない」と訪日の意義を強調した。」
IOCバッハ会長 15日から東京訪問 大会中止は議論せず(NHK)
「一方で、感染が拡大して以降初めて今週、東京で開かれた体操の国際大会について「感染防止を念頭にさまざまな制限があるなか国際大会を開催できることを示す象徴的な大会だった。東京大会まで9か月あるなかで、ワクチンなどよりよい対策も準備が進められている。大会を安全に開催できるという自信がつく大会だった」と述べ、来年に向け大きな前進となる大会だったと高く評価しました。」
IOC会長、15~18日来日 五輪中止は「議題にせず」(日経)
「新型コロナウイルス禍の終息は見通せていないが、バッハ氏は「来年に何が必要かを理解するために重要な訪問だ。安全な環境だと五輪参加者が自信を持ってもらえるようにしたい」などと表明した。」
欧米を中心にこれだけ新型コロナの感染が拡大しているのに、中止の場合のコンティンジェンシープランを開催国と議論しないというのは理解しがたい対応です。IOCは、どうなっているのでしょう。
日本のメディアと違うことを行っているわけではありませんが、会長の発言のニュアンスがちょっと違うように感じられます。
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IOC's Bach in Tokyo next week for talks with Games organisers(ロイター)
Bach told a news conference on Wednesday he would be in Tokyo between Nov. 15-18 but did not provide details on possible meetings with government officials or Prime Minister Yoshihide Suga.
オリピック中止は議論しないという点はふれておらず、管首相らとの会合に関する詳細は述べなかったと書いています。
“I hope after this visit we can give even more confidence to all the participants of the Games about the safe environment they will see in about nine months from now.”
訪日の後に、オリンピック参加者すべてに対して、9ヶ月後の安全な環境に関し、より多くのコンフィデンスを与えることができることを希望している、と述べています。あくまで「希望している」(hope)です。確信しているわけではありません。朝日記事では「自信を深められるようにしたい」ですが、さらなる自信(コンフィデンス)を与えることができたらいいなあ、といっているだけです。
“The message I want to deliver in Tokyo is that we are fully committed to the safe organisation of the Games,” Bach said. “This is the principle to which we remain committed; that these games will happen in a safe environment.”
東京で伝えたいメッセージは、IOCはオリンピックの安全な開催に完全にコミットしているということである、オリンピックは安全な環境で行うというのがIOCがコミットしている原則であるといっています。「安全な環境」というのを重要視していると読めば、(新型コロナが収束しないような)安全でない環境の場合は、開催しない(開催したら原則に反する)ということになります。
これは日本のメディアの内容に近いように思われます。ただし、日本のメディアがふれていないワクチンに関する発言を取り上げています。
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Olympic leaders raise hopes for safe Tokyo Games with fans(AP)
オリンピック参加者向けのワクチンについてWHOとコンタクトを取っているそうですが、アスリートは世界全体で見れば最優先ではない、高リスクな人たち、看護師、医師、その他社会の存続を支えているすべての人たちにワクチン接種を優先すべきと、非常にまともなことをいっています。
However, he added that athletes should not be a top priority worldwide.
“The first wave of vaccination ... must be for the people in need, for the high-risk groups, for the nurses, for the medical doctors and for everybody who is keeping our societies alive,” Bach said.
IOC「中止提案」説で五輪組織委に内部分裂の兆し
バッハ会長、コーツ副会長の来日で組織委に広がる疑心暗鬼(JBpress)
「関係者の話を総合すると、あくまでも表敬訪問を兼ねた来日であって「大会期間中の新型コロナウイルス対策」に関して貴重な話し合いの場を持つことが“できるであろう”という希望的観測のみであり、当事者たちの真の胸の内まではどうやら正確に読み切れていないようだ。だから大会組織委員会の内部からも、バッハ会長らに「ついに大会中止を進言、もしくは提案された末に議論せざるを得ない流れになるのではないか」との疑念まで向けられているのである。」
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