会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

楽天、欧米子会社建て直しに巨額損失計上 昨年10-12月期に255億円(産経より)

楽天、欧米子会社建て直しに巨額損失計上 昨年10-12月期に255億円

(取り上げるのが少し遅れてしまいましたが)楽天が、買収した米国と英国のネット通販会社の関連で255億円の特別損失を計上するという記事。

「米国の子会社は「Buy.com(バイ・ドットコム)」、英国は「Play.com(プレイ・ドットコム)」といい、ともに2010年以降に買収して傘下に治めた。ネット通販業務の国際化の欧米での拠点企業として期待したが、両社とも企業向けを含めた直販型のネット通販を主力としており、そのビジネスモデルも不調だった。

 楽天では自社と同じようなマーケットプレイス型(モール型)の事業スタイルに変更させ、経営改善を図っている。この一環として損失を償却するとともに、事業再編費用などを損失計上した。今回はBuy.comの「のれん減損」が125億円と最も大きな損失となる。他に同社の無形固定資産減損や「Play.com」の事業再編損などを計上した。」

楽天は以前、のれんの取得時一括償却をやっていましたが、批判を受けて、通常の償却に変えています。今回は、本当の減損のようです。

楽天、スマホ効果で最高益 年後半に利用急増(日経)

「楽天は13年12月期から国際会計基準に移行し、「のれん」の償却がなくなるなどの影響がでる。」

今回のれんや無形固定資産を処理した会社は、2010年以降買収ということですから、買収から2年ぐらいしかたっていません(したがって償却もほとんど進んでいない)。IFRS適用により、のれん償却がなくなっても、減損処理が発生して損益に影響が出ることもおおいにあるでしょう。

楽天はM&Aで成長している面がありますが、どのくらいの確率でうまくいっているのでしょうか。

なお、日経の記事によれば、子会社で「会計上のミス」があったようです。「是正のために営業費用が28億円増えた」とのことですから、軽微なミスとはいえないでしょう。訂正報告書は必要なかったのでしょうか。並みの規模の会社なら大問題になっていたはずです。

「営業利益は前の期に比べ2%増の722億円。電子書籍や海外事業は先行投資で事業部門としての赤字が膨らんでいる。宿泊予約の楽天トラベルでは06年以降の費用計上に関する会計上のミスが表面化、是正のために営業費用が28億円増えたが、ネット通販と金融事業が好調で補った。」


(楽天の決算説明資料より)

特別損失の計上に関するお知らせ(楽天)
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