消された報告書問題にもかかわらず、金融庁長官が続投するという記事。
「政府は1日、金融庁の遠藤俊英長官(60)を続投させる方針を固めた。老後に向けた蓄えが2千万円必要とする金融審議会の報告書が与野党の反発を招いたが、遠藤氏が引き続き事後処理に取り組む必要があると判断した。経営難が続く地域金融機関を再生するうえでも、監督局長を長く務めた遠藤氏が適任とみた。」
一方、審議会を担当していた人は勇退だそうです。
「金融審議会を担当する三井秀範企画市場局長は、定年でもあり勇退する。」
不正でも何でもないので、誰か辞めなければいけないような問題ではないでしょう。
金融庁関連記事。
「ゾンビ銀行」退治に国と金融庁が本気になった理由(DOL)
「従来重視してきた「足元の健全性」だけでなく、「将来の収益力」も銀行に強く求める方針を表明。必要があれば、その観点から「伝家の宝刀」である業務改善命令などの行政処分を銀行に下せるようにした。
それに当たって具体的に、今後約5年以内に「コア業務純益(投資信託の解約損益を除く)が継続的に赤字になる」ことが予想される、といった条件を明示したのだ。
コア業務純益とは、一般の事業会社の営業利益に当たるものだ。営業赤字が続くようであれば、足元は大丈夫でも将来的には銀行の健全性にヒビが入る。そうなる前に危機の芽は事前に摘みにいくというのが、金融庁が早期警戒制度の見直しに込めた真意だ。」
(電子書籍版)
金融庁の報告書が実はとんでもない軽挙のワケ
年金制度改革の努力を台なしにしかねない(東洋経済)(年金制度の専門家による解説)
「実は、あの報告書で最も大切なのは、「つみたてNISA については(中略)時限を撤廃し、恒久的な措置とすることが強く望まれる」という一文であった。というのも、あの報告書は、金融庁が財務省につみたてNISAの税制優遇を求めるためにまとめられた陳情書だったからである。」
「例年8月末にまとめられる税制改正要望の昨年の金融庁版(2018年8月)の1番には、「1. 家計の安定的な資産形成の実現・NISA制度の恒久化等」と書いてある。
今年に入ると4月に⾦融庁主催の投資家向けイベント「つみたてNISAフェスティバル2019」が開かれ、金融庁長官は「NISAの利便性を⾼め、恒久化する。⾃助で⻑⽣きする⽣活を⽀える制度にしたい。⼝座が増えるほど恒久化の道が開ける」と決意表明もしている。」
「公的年金というのは、あおれば政局を作りやすい「将来不安」と関わるために、野党もメディアもつねに手ぐすねを引いて構えている極めてセンシティブな問題である。
慎重のうえに慎重を重ねて、揚げ足を取られないように細心の注意を払いながら事を進めなければならないのに、金融庁にはそうした配慮はまったくなく、野党やメディアに揚げ足を取られて炎上した。ここで説明した一連の動きを関わり知る年金の専門家が金融庁市場WGにいなかったことが一因だったと思われる。」
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