企業会計基準委員会が7日の会議で、投資事業組合の会計基準を見直すことを決めたという記事。ただし、企業会計基準委が決めたのは特別目的会社(SPC)の会計ルールを作成する専門委員会の設置ですので、ターゲットにしているのは、ライブドア事件で問題となった投資事業組合(民法上の任意組合?)だけでなく、匿名組合(商法で規定)、投資事業有限責任組合、中間法人、合同会社、パートナーシップ、など事業体の法的形式を問わずすべてに網をかけるものとなるのでしょう。
記事によれば、(1)投資組合の利益を最終的にどの企業が受け取るのか(2)投資組合が銀行融資を受ける時にどの企業が債務保証しているのか(3)投資組合が倒産した時にリスクを負う企業はどこか――などに注目して連結範囲を判断するルールにするようです。もちろんこれらも重要なポイントですが、これだけでは、従来の考え方とあまり変わらないと思います。むしろ、ライブドアの教訓を生かすのであれば、投資育成目的であれば(支配要件を満たしていても)連結からはずせるというような基準の甘い解釈をやめさせる方が即効性がありそうです(監査委員会報告60号2(6)⑥)。
「特別目的会社を利用した取引に関する監査上の留意点についてのQ&A」等の公表について (会計士協会から昨年公表されたQ&Aの前書きです。)
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
監査人交代事例4件(スマートドライブ(あずさ→トーマツ)、ブリッジコンサルティンググループ、揚羽、アルファクス・フード・システム)(2024年11月22日)
企業内容等の開示に関する内閣府令及び有価証券の取引等の規制に関する内閣府令の改正に伴う上場制度の見直しについて(東京証券取引所)
「資本コストや株価を意識した経営」に関する「投資者の目線とギャップのある事例」等の公表について(東京証券取引所)
野村HD、顧客への犯罪リスクを半期報告書に追加-不祥事受け(ブルームバーグより)
株主総会基準日は有報の後に─株式市場の健全性向上に─(後編)(会計・監査ジャーナルより)
2025年3月期第2四半期決算短信の開示時刻動向について(東京証券取引所)
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事