HOYAが移転価格税制で2百億円の申告漏れを摘発されたことに関する解説記事。国際的な企業で移転価格が問題になること自体は珍しくありませんが、HOYAの場合は少し事情が違うようです。
「東京国税局が、光学機械メーカー大手のHOYA(本社・東京都新宿区)に対し、約200億円の申告漏れを指摘していたことが明らかになった。
日本で生み出された「製造技術」という無形資産を、契約に基づいて海外の子会社に帰属させていたというもの。海外子会社に利益を移し替えた企業に対し、本国での課税逃れを防ぐ「移転価格税制」を適用した。」
「国税関係者がいう。
「HOYAが製造技術という無形資産を海外子会社に帰属させたのは、子会社から研究開発の委託を受けていたから、というものです。これを認めれば、グループ間の契約によって、資産はどのようにも付け替えることができるようになります。それは、いくらなんでも認められない」」
「国税OB税理士がいう。
「多国籍企業の課税逃れは、経済協力開発機構(OECD)でも、共通のテーマとなっており、今後とも厳しく対応するでしょう。鈴木CEOの居住地はシンガポールです。納税は、日本とシンガポールの双方で行っているようですが、そうしたグルーバルな発想と行動様式の方ゆえ、余計に国税は神経質になっているのかも知れません」」
移転価格税制に基づく更正通知書の受領について(HOYA)(PDFファイル)
富裕層がシンガポール、香港に脱出
彼らの狙う租税回避をどう防ぐ(ダイヤモンドオンライン)
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
監査人交代事例4件(スマートドライブ(あずさ→トーマツ)、ブリッジコンサルティンググループ、揚羽、アルファクス・フード・システム)(2024年11月22日)
企業内容等の開示に関する内閣府令及び有価証券の取引等の規制に関する内閣府令の改正に伴う上場制度の見直しについて(東京証券取引所)
「資本コストや株価を意識した経営」に関する「投資者の目線とギャップのある事例」等の公表について(東京証券取引所)
野村HD、顧客への犯罪リスクを半期報告書に追加-不祥事受け(ブルームバーグより)
株主総会基準日は有報の後に─株式市場の健全性向上に─(後編)(会計・監査ジャーナルより)
2025年3月期第2四半期決算短信の開示時刻動向について(東京証券取引所)
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事