日経に掲載された日産自動車西川社長のインタビューに批判的な解説記事。あの郷原弁護士が書いています。
もっともなことをいっていると思います。
「このインタビュー記事では、ゴーン元会長についての「不正」の情報を検察に提供してケリー氏とともに逮捕させ、二人の代表取締役不在の臨時取締役会で、ゴーン氏の代表取締役会長の解職を決議したことについて、その経過や、果たしてそれが正当であったのか、という、ゴーン体制転覆に関する「疑問」には何一つ答えていない。西川氏ら日産経営陣の行ったことを「策略であり、反逆だ」と主張するゴーン氏に対する反論にも全くなっていない。」
「「普通の役員であれば即解雇というレベルのもの」「刑事事件になるかどうかに関係なく、不正は重大であり弁解の余地がない」と考えていたのであれば、なぜ、検察に情報を提供する前に、その「重大な不正」の調査結果を取締役会に報告し、本人の弁解を聞いた上で、解職を決議するという方法をとらなかったのか。取締役会の場で全く議論することもなく、調査結果を検察に持ち込むという行動をとったことがコーポレートガバナンス上の最大の問題なのだ。」
「ゴーン氏への独裁を容認し、社長CEOに取り立てられ、自らも5億円もの高額報酬を得るようになってから、自らの責任をも顧みず検察と結託した「クーデター」でゴーン体制を覆したことが問題なのであり、西川氏が2005年のことに言及するのは、問題の「すり替え」以外の何物でもない。」
こちらは別の角度から西川社長のインタビューを批判した記事。
今の日産はポスト・ゴーンの「リバイバルプラン」が必要なほど危機だ!(Yahoo)
「日産自動車の西川廣人社長兼CEOが日本経済新聞などのインタビューに応じ、特別背任などの容疑で、逮捕・起訴されたカルロス・ゴーン氏の経営手法について、海外事業などは「うまくいっていたのは幻想だ」と述べ、「ゴーン流経営スタイル」を完全に否定するかのような発言をしている。
しかし、筆者はゴーン氏のやり方がすべて間違っていたとは思わない。ゴーン氏が日産の経営トップに君臨していた過去20年間を振り返り、その功罪を検証してみたい。」
「組織内コミュニケーション」の改革、人材発掘のシステムを大きく変えたこと、ホワイトカラーの生産性向上の3つを「功」として挙げて、説明しています。
記事の後半では、ゴーン氏の負の部分や私物化について述べています。
同じ筆者の記事。書籍から一部を抜粋し、再編集したものとのことです。
↓
独裁、内紛、権力闘争……日産を苦しめてきた「歴史の呪縛」(現代ビジネス)
日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年 (文春新書)
「ゴーン流の成功は幻想」 日産社長インタビュー詳細 (日経)(記事冒頭のみ)
「あのとき議論すべきだった」 日産西川社長、策略説に反論(日経)(記事冒頭のみ)
「西川社長は不正を見抜けなかった理由について「非常に頭が良い人」として「プロや自分の側近を使って実行し、なかなか分からない」と説明した。取締役会は「気がつかないというか、分からない」と釈明した。側近は、ゴーン元会長と同時に逮捕された元代表取締役のグレッグ・ケリー被告らを念頭においているとみられる。」
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