監査において確証バイアスを回避する5つの方法（JofAより）

5 ways to overcome confirmation bias

監査、特に監査の初期に行う分析的手続において、確証バイアス（心理学の用語です）を回避する5つの方法を解説した記事。

監査の初期の段階では、財務情報は非常に大きく集約されており、あやふやであるため、監査人がその変動原因を識別するのは困難です。その結果、監査人の当初の仮説は実際には本当の変動原因でない場合があります。さらに、一つの仮説を深く調べていくにつれ、他の仮説を検討することがますます難しくなります。これは、ひとつの説明が識別されると、その説明を裏付ける証拠を見つけようとし、その説明をくつがえすような証拠は無視するのがふつうであるためです。

Confirmation bias—one of the five commonly occurring judgment biases—has the potential to trip up auditors, particularly during the early stages of an audit. At that time, financial information is often highly aggregated and may be too ambiguous to allow the auditor to definitively identify the reason for a change in financial information.

As a result, an auditor’s initial hypothesis may not actually represent the true cause of the data fluctuation. Furthermore, the deeper one gets into investigating a particular hypothesis, the more difficult it becomes to consider other potential hypotheses. This is because once a potential explanation has been identified, it is common to seek evidence that supports the explanation and ignore evidence that disconfirms the explanation.

このような確証バイアスを回避する５つの方法が紹介されています。

1. Take it all in: Don’t jump to conclusions.
初期のデータ収集段階では、すぐに仮説を設定しようという誘惑に負けずに、十分な情報がそろうのを待つ。

2. Brainstorming: The rule of three.
それぞれの変動ごとに、3つのありうる変動原因を識別する。（3つがちょうどいいそうです。）

3. Flag it.　
その仮説を設定するきっかけとなった具体的な情報を同僚に示して、その同僚からも同じような説明が得られるかどうかを見てみる。

4. Prove yourself wrong.　
自分の仮説を確証するような証拠を探すのではなく、矛盾するような情報を探して検討することにより、当初の仮説を反証することを試みる。

5. Circle back.
分析的手続の実施における成功する仮説設定は、反復的プロセスである。

監査実務は、心理学や論理学の世界と一部重なっているようです。

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