東証1部上場の大手機械商社「椿本興業」名古屋支店(当時は中日本営業本部)元幹部と取引先の社長らが詐欺の疑いで逮捕されたという記事。
「3人は2008年ごろ、椿本興業が下請けの電気機器会社に機械設置工事を発注したように装い、椿本興業から代金約700万円を詐取した疑いが持たれている。電気機器会社から川端エンジニアリング側に再発注させ、代金の一部を××容疑者(注:元幹部)に還流させたとされる。
××容疑者らは約15年前から、椿本興業と複数の取引先との間で、架空の商品を取引したように帳簿上で装う「架空循環取引」などを繰り返した可能性があるという。その過程で川端エンジニアリング側から××容疑者に数億円が還流した疑いがあり、府警は詳しい経緯を調べる。
不正取引は13年3月に椿本興業の内部監査で発覚し、その総額は約80億円に上るという。・・・」
この事件自体はすでに会社から公表済みです。
第三者委員会の報告書受領と当社の対応方針について(椿本興業)(2013年5月)(PDFファイル)
再発防止策にふれた箇所の「営業部門より発注業務の分離と営業事務の見直し」より
「現状の営業事務の流れは、受注から売掛金回収までを一営業員が実行するという営業スタイルであり、本事案は、ここの悪用が大きな要因となっていました。」
「受注→仕入先への発注→仕入先から売上先への直送出荷(売上)→売掛金回収・買掛金支払い」というフローを、ひとりで仕切っていたのを、牽制が効くように、業務を分けようということのようです。
また、同社の有報を見ると、2013年3月期で、偶発損失引当金計上額が約6億円特別損失計上されています。「不正取引に関連した取引先等から損害賠償請求等を受ける可能性があるため、当社の損失負担見込額を計上したもの」(会計方針注記より)です。15年間も不正取引を続けていたとなると、それによりかなりのお金が動いているはずなので、その清算は簡単ではないのでしょう。
架空工事で700万円詐取容疑 機械商社元社員ら逮捕(朝日)
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