商船三井が、業績の足を引っ張ってきた約130隻の高コスト船を子会社への譲渡を通じて整理し、約1010億円の損失を計上するという記事。
「損失処理するのは、顧客と中長期の運送契約を結んでいない「フリー船」と呼ばれる貨物船。足元の市況より割高な用船料を払って船主から借りており、業績の重荷となってきた。今回、海外の子会社に実勢価格で譲渡し、約1000億円を損失処理する。」
31日に日経夕刊では「貨物船譲渡で特損」という見出しになっていましたが、固定資産としての船舶を譲渡するだけでなく、(オフバランスの?)傭船契約の譲渡も行われるようです。
「繰延税金資産の取崩し」ならびに「業績予想の修正」、「事業改革費用の計上」、「期末配当予想」に関するお知らせ(PDFファイル)
「ドライバルク船及び油送船の事業改革実施に伴う傭船契約及び船舶の譲渡等により、当連結会計年度の第4 四半期において、約1,010 億円の費用が主に特別損失として発生することを見込んでおります。」
子会社への譲渡とのことですから、本来、連結では損失は消去されるはずですが、実現された損失のように扱うのでしょう。ただし、そうなると、第3四半期(2012年4-12月)で、予定されている船舶譲渡に関しては減損損失の計上、赤字を出している傭船契約に関しては赤字部分の引当金の計上が必要になるはずです(これらは譲渡しなくても必要)。
実際に見てみると、約1000億円の特別損失というのは計上されていません。不思議です。
平成25年3月期(2013年3月期) 第3四半期決算短信(PDFファイル)
週刊 ダイヤモンド 2013年 1/26号の特集記事を立ち読みしても、海運業界はたいへんなことになっているようです。
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